田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

自分が分かるカウンセリング!?

2015-06-19 22:43:03 | 大学公開講座
 今、教育カウンセリングの方法として「構成的グループエンカウンター」という手法が注目されているようだ。その初歩的理論を学び、その手法を体験した。 

 6月13日(土)、当初の予定を変更して北海道情報大学が開催した公開講座に参加した。講座は教育免許状更新講習を兼ねていたこともあって、参加者の大半は現役の学校の教員の方々だった。
 講座は「自分がわかる教育カウンセリング体験(基礎講座)」と題し、同大学の中村正巳教授が務められた。

               
               ※ 講師を務めた中村正巳北海道情報大学教授です。

 まず、言葉の定義だが「グループエンカウンター」とは、「人間関係開発を意図した予防的・開発的カウンセリングのグループアプローチの方法」である。「構成的」、つまり予め用意された課題、条件設定、時間配分などにそってふれあい体験を通して、「参加メンバー相互の本音の感情交流による自己発見・行動変容を図り、自己成長を目ざす教育的心理技法」だそうだ。

 その原理や目的・方法、ルール、そして留意点など、初歩的な理論を学んだが、そのことは割愛し、「構成的グループエンカウンター」のカウンセリング体験についてレポすることにしたい。
 最初にリーダー(ファシリテーター)である中村教授が「何でも良いので自分に偽名を付けよ」との指示があった。私は「田舎おじさん」とした。隣の私と同年代の男性は「うさぎ」とした。
 その命名の訳をお互い披露することになった。可愛く「うさぎ」さんを名乗った隣の方は「自分の生まれ年の干支だから」と理由を語った。私の場合は言わずもがなである。
 私は隣の方の命名に妙に納得したものだから、その後のシェアリングの中で、そのことを全体に披露し、他に自分の生まれた干支を命名した人がいないか問うたのだが、残念ながら40数名いた参加者の中にそうした人はいなかった。

 このようにある条件を与え、その条件下で交流を図り、その後に感想を述べ合う、という方法で体験は進んでいった。私たちは隣の男性の本名も知らないままに、かなり深い交流まで進んでいることに気付き驚いた。

 グループエンカウンターの体験は昼食を挟み、さまざまな交流が続けられた。その中で、ペアリングを組んで、片方が目隠しをして、片方が狭い室内で他にぶつからないようにエスコートするというエクササイズがあった。自分が目隠ししたときは、怖いと思いながらペアを組んだ相手を信じて委ねる以外なかったが、私の相手は非常に丁寧にエスコートしてくれた。とても面白い体験だった。

 さらには、参加者の誰とでもじゃんけんをし、5回勝ったら座れるというエクササイズがあった。私は最後っ屁になりたくないばかり、夢中になって相手を探し回り、かなり早い段階に座ることができた。

 この二つの事例の後でシェアリングが行われた。その際、ある参加者が「私は目隠しのエスコートをした際に、相手のことを考えずにエスコートした」と告白したのだ。それを聞いていた私も反省するところがあった。私のエスコートは、目隠しした相手の方を少しでも長い距離を歩かせようとかなり強引なエスコートだった。
 また、じゃんけんの時も参加者全体のことより、自分が最後っ屁にならないことだけを考えて参加していた。
 つまり、私は相当に自分本位の人間ではないのか、と自己診断をし、反省したのだった。

 今回の講座は初歩的なものであり、体験もまた表層的なものだったのかもしれない。しかし、その中からふだん薄々は気付いていた自分の性格の一端を思い知らされたような気分がして、ちろっと反省した私だった…。