詩の現場

小林万利子/Arim 「詩のブログ」 詩をいつも目の前に
小林万利子/Arimの詩とエッセイと音楽Arim songs

タイム・オーバー

2009-11-29 | My詩集から
「よいどれ」 がいってしまった飲み屋のイ
スに 何日も何日も 腰をかけていたいと
おもう 日が暮れるたびに パチパチと破
裂しそうな薪ストーブに 手や足を近づけ
暗い闇からの足音をきくために
 入口の扉があき 風が吹きぬけると つ
かれた老人のひたいは しだいにコップの
影にみえなくなる
 こわれた時計は動きだし 音楽隊はまだ
こない
 壁や棚 机やボトルが 風のなかにかき
けされ 残されたストーブが  いつまでも
あかあかと燃えあがり 二つの瞳は閉じる
こともできず乾ききり  今夜も 天井には
焼けあとのような空が  ひろがるだけ

        詩集「月がまるみをおびる地点まで」より


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