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絵を見るのは、楽しい。

2014-04-05 | interest
絵を見るのは、楽しい。
若い時、最初は抽象画の方がしっくりきた。
具象画があくまでも、一方向の世界観と感じられたせいか、
何となく真正面から対峙できない照れがあったように思う。

抽象画は、いろいろなニュアンスを感じることができ、
日常の意味を解放してくれる。
五感を研ぎ澄まし、あれこれと想像を巡らし続けることができる。
わからないまま「感じる」という観賞が許される。

だが、急にある時から具象画にも惹かれるようになった。
具体性のインパクト、力強さに引き込まれるようになった。

良い展覧会に出会い、本物を見れたせいもあっただろうが、
時代を含めた画家の背景への興味というものが、かなり影響
していたように思う。
個性豊かな画家。ロートレック、ユトリロ、フリーダ・カーロ、
ジョージア・オキーフ‥そして、以前は、敬遠していたにも
拘わらず、アンリ・ルソーの絵がとても好きになった。
具象でもない、抽象でもない、幻想の世界でありながら、
絵に描かれている空気がこちら側に、流れ込んできそうな
不思議なリアリティ。

これを機に、いろいろな画家の具象画にも惹かれるように
なったのは、優れた具象画の奥に、抽象性をみることが
できるようになったからだと思う。
少し乱暴かもしれないが、私にとって抽象とは、
リズムであり、色彩であり、揺れ動く形であり、
拡がる意味だといえる。
そう考えると自然の風景というのも、限りなく抽象的だ‥。

だんだん両方の境界線が私の中では、滲んで無くなって
きそうなのだが、好みは抽象と具象とをいったりきたりする。
絵を見るとは、時計の振り子のように大きく振れる私の中の
価値観、未知と既知、様々なアンビヴァレンツの往復運動の
軌跡上に、あそばせてもらうことのようにも思う。

アンリ・ルソー(HenriRousseau) 異国風景-原始林の猿



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