学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

ユニバーサル・サービスとしての義務教育

2005-09-21 | 教育
義務教育は,全国どこにいっても,
同じ水準の教育が無償で受けられるということが前提である。

その意味で,義務教育はユニバーサル・サービスである。

教育改革の流れのなかで,
公立の義務教育学校のなかに,
さまざまな特色をもった学校が設立されるようになっているが,
このことは,
義務教育というサービスのなかに
質の異なるサービスが混在することを認めることにつながる。

義務教育学校であっても,私立学校は学費を徴収する。
その根拠のひとつは,
私立学校は公立学校とは異なるサービス内容を提供しているので,
その特色あるサービス分を受益者が負担すべきだからということにある。

もしも,
ある公立学校が他の公立学校と明確に異なる特色あるサービスを
提供し(当然,経費も多くかかるであろう),
それがあいかわらず無償で提供されるとすると,

なんで,同じ公立学校に通わせているのに,
特色あるサービスを受けられる人と受けられない人がいるの?

とか,

なんで,私立学校に子女を通わせる保護者だけが受益者負担を強いられるの?

とかの疑問に対して,

説明がつかなくなると思うのだが,考えすぎだろうか??

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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (カラ)
2005-09-22 02:33:29
 こんちには。私のブログにコメントいただきありがとうございます。

 義務教育はユニバーサルサービスですが、文科省が学習指導要領をミニマムスタンダードだと明言し、地方自治体独自の少人数学級編制を認めた時点で、学習指導要領と40人学級というミニマムさえ踏まえておけば、これにプラスアルファするか、しないかは地方自体や学校の裁量に任せるという流れになっていると思います。実際、地方自治体ごとの学級定員格差が既に出始めています。

 これを義務教育の格差と呼ぶか、最低基準を押さえた上での地方分権と呼ぶかは、それぞれの価値観によって異なるでしょう。いずれにしろ、これからは都道府県知事や市町村長の姿勢が、公立学校の在り方に大きな影響を及ぼすようになるのは避けられないと思います。もちろん、その財政負担は地方自治体、つまり住民の税金で負うことになるのですが。
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Unknown (madographos)
2005-09-22 09:04:27
>カラ様。コメントありがとうございます。義務教育の動向は,確かにおっしゃるような方向に進んでいますね。気がかりなのは,文部科学省も地方自治体も,新しいタイプの学校づくりや特色ある学校づくりを強調するあまり,全体としてどのような義務教育を志向しているのかのグランドデザインを描ききれていない点です。
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危惧 (ほり)
2005-09-22 22:10:13
>>気がかりなのは、・・全体としてどのような義務教育を志向しているのかのグランドデザインを描ききれていない点

には、全く賛同します。

義務教育そのものが何を志向するのか、結局、「マス」として、どのように、どんな人間を作りたいのかを欠く教育は、まるで、税金で賄われる私塾の濫立のようで、それが果たして「公教育」と呼べるのかさえ私は疑問に思います。



また、同じ水準の教育がどこにいても無償で受けられる制度は、子供が成長して入っていく「競争社会(どこにいても何らかの競争はありますから。)」で、子供の将来を幼い時点で決めることになりかねない要素の一つを減らしていたのではないでしょうか。親にはその意味で大きな安心感を与えていたはずです。それがなくなるのは、「社会の安定」という非常に重要な要因の一つを欠くことにならないか、私は心配です。
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Unknown (madographos)
2005-09-22 23:40:43
>ほり様。コメントありがとうございます。

ご指摘のように,今の教育改革の流れのままいけば,

「「社会の安定」という非常に重要な要因の一つを欠く」可能性は,極めて大きいと思います。日本の教育に本当に責任をもって取り組んでいるのは,いったい誰なのか,問い直さなければなりません。

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