新宿でたった一人のゴミ拾い…10万人運動に(読売新聞) - goo ニュース
2010年6月21日(月)14:36
(読売新聞)
3年半前、東京・新宿でたった一人で始めたゴミ拾いが全国10万人の活動に広がった24歳の若者に、中学や高校から講演依頼が相次いでいる。
テーマは「一歩を踏み出す勇気」。訪問は延べ300校に上り、今秋にはその挑戦を童話にした絵本が出版される。
「汚物やネズミの死体、量も予想以上だった。でも何よりきつかったのが周りの視線。目の前で吸い殻を捨てられたり、つばを吐きかけられたこともあった」
6月9日、静岡市立清水第四中学の体育館。荒川祐二さん(24)の声に3年生ら約200人が聴き入った。講演前、同校3年生の7割弱が進路に不安を持ち、8割が「自分を変えたい」と思っている、というアンケート結果が報告されていた。
荒川さんも、そうだった。
大阪市出身で、東京の上智大に進学した。十分な仕送りを受け何不自由ない生活。でも、夢はなく、自分に自信がなかった。講義をさぼって飲み歩き、3年生になっても就職活動にやる気も出ない。このままではだめになる。何とかして自分を変えたいと思った。
思いついたのが「日本一汚い場所をきれいにする」こと。2006年11月、新宿駅東口広場で毎朝午前6時からゴミ拾いを始めた。最初は嫌がらせを受けたり、冷たい視線を浴びたりして、帰り道、人目もはばからず泣いたこともある。
それでも、徐々に支援が広がっていった。まずはホームレスの男性が一緒にゴミを集めてくれるようになった。1か月後には、当初、荒川さんに言いがかりをつけて殴りつけてきた男が、「きれいにしてくれてありがとう」と声をかけてきた。
手伝ってくれる人は3か月後には50人に増えた。07年、5月3日を「護美(ごみ)の日」としてインターネットなどで呼び掛けると、全国で444人がそれぞれの地域でゴミ拾いをしてくれた。翌年の5月3日には1500人に。09年3月に就職が決まって以降、毎朝のゴミ拾いはできなくなったが、5月3日の運動はその後も続き、09年は1万5534人、今年は10万3036人に膨らんだ。
「ダメな僕が、小さなことを積み重ねたら人生が楽しくなった。大切なことは一歩を踏み出す勇気」。荒川さんはそう話を結んだ。
代表してお礼を述べた小堺明日香さん(14)は「人前は苦手で手が震えたけど、話を聞いて一歩挑戦してみたいと思った」とはにかんだ。「進路決定の時期を迎え、生徒たちは不安だらけ。誰でもできることを、誰にもできないぐらい一生懸命やれば、変われることを知ってほしかった」と企画した堀義明教諭(48)は話した。
荒川さんには、講演を聴いた生徒から近況が続々と届く。9月に出版する絵本の題名は「はんぶんおしりのおじいさん」。あの時、一人手を差し伸べてくれた、ズボンが半分ずり落ちていたホームレスのおじいさんに感謝の思いをこめて。
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hiromiさん
ここにも活動家がいましたよ(^^)/