報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「角無し娘の休養」

2024-02-21 15:53:29 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月28日15時00分 天候:曇 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家4階・リサの部屋]

 リサ「うーん……」

 午後になってからリサの『体調』は悪化し、自室で寝ていた。
 それは女性特有の生理によるものだということで、リサは部屋に籠った次第。
 いつもはここまで重くないのだが、今日は久しぶりに重い日であった。

 リサ「むー……」

 部屋の外からは無粋な男達の声が聞こえて来る。
 やれ、『水道の配管が……』とか、『スペースの関係が……』とか聞こえて来る。
 今日は午後から、内装工事会社が見積もりを取る為に現地調査に来るのだった。
 その為、愛原の声も聞こえて来る。
 いつもなら興味を持ってホイホイ向かうリサだが、今回はそういう気は起こらなかった。
 生理中ならではの精神不安定が、男達の声で更に増幅させられる。
 リサは頭から布団を被った。
 もちろん、彼らがリサの部屋に入って来ることはない。
 それでも、だ。

 リサ「BSAAが工事してくれるかもって話、どうなるんだろう……?」

 取りあえず耳栓でもしておこうと思い、ベッドから出た。
 角が無いこと以外は、鬼形態になっている。
 角があった部分を触ってみたが、今のところまた生えて来ている感は無かった。
 人間に戻るという目的の観点で言えばこれで良いのだが、無いと無いで、少し寂しい気もする。
 若い頃は毛がフサフサあったのに、歳を取ってから禿げてきて、寂しいという気持ちと似たようなものがある。
 耳栓をすると、再びベッドに潜り込んだ。

[同日18時00分 天候:曇 愛原家4階リサの部屋→3階ダイニング]

 リサ「……はっ!」

 室内にある内線電話が着信音を鳴らす。
 元々取り付けられていたものである。
 呼び出したい場所のボタンを押すと、押している間だけ向こう側のブザーが鳴るという仕組みだ。
 因みに今、一定のリズムでブザーが鳴っている。
 記号で表すと、『ー・・ー』といった感じ。
 これは愛原が鳴らしているのだとリサは知った。
 確か、『-・・-』は鉄道の車内合図で、『車内電話を取れ』もしくは『車内電話で打ち合わせをしたい』という合図なのだと。

 リサ「はい」
 愛原「リサ、体の具合はどうだ?」
 リサ「んー……まあまあかな」
 愛原「夕飯できたから、降りてこいよ」
 リサ「分かった」

 リサは電話を切った。
 さすがに、腹は減った。

 リサ「行くか……」

 その前にトイレに寄った。
 さすがに今日は見積もりを取りに来ただけのようで、シャワールーム増設予定地には何も無かった。

 

 リサ「あー、お腹空いた」
 愛原「よー。大丈夫か?お前にしては、あまり昼食わなかったよな?」
 リサ「そうだねぇ……。角が無いと、調子が悪いのかもねぇ……」
 愛原「おいおい。人間に戻るんなら、むしろ角は無い方がいいんだぞ?」
 リサ「分かってるよ。今まで軽いのは、BOWだったからで、人間に近づいたから重くなったのかもね」
 愛原「……なるほどな。だったらむしろいいことなのか」
 リサ「まあ、重ければ重いで困るけど」
 パール「それは確かに」

 今日の夕食は豚肉の生姜焼きだった。
 愛原の希望でバラ肉ではなく、ロース肉が使用されている。
 他にも、カキフライがあった。
 どちらも付け合わせの野菜も山盛りである。

 愛原「じゃあ、頂くとするか」
 リサ「いただきます」

 リサはパクパクと御飯を口に運んだし、豚肉に齧り付いた。

 リサ「うん。美味しい」

 食欲は戻ったようである。

 愛原「明日は学校行けそうか?」
 リサ「うん。多分、大丈夫」
 愛原「そうか。それは良かった。角が無かったら、いちいち人間形態とか鬼形態とか気にしなくて良くなりそうだしな」
 リサ「でも、耳は尖ったままだよ?」
 愛原「多少のことなら、『生まれつき』ということで誤魔化せるさ。
 リサ「そうかなぁ……」

[同日21時00分 天候:曇 愛原家3階リビング]

 体操服にブルマという姿のまま、リサはソファに寝っ転がって携帯ゲームに勤しむ。

 愛原「鬼が鬼退治するとは……」
 リサ「獲物の取り合いだよ」
 愛原「そうなのか……」

〔「男には脳が5つ、心臓が7つあった」〕

 愛原「多いな!どこのBOWだ!?」
 リサ「そんなに要る?わたしみたいに、体内に複数宿る特異菌の寄生体を抱える方が楽だよ?」
 愛原「さらっと化け物みたいなこと言うな」

 リサの体内、見た目は普通の人間と変わらない。
 どこかの鬼の総大将と違って、脳が5つ、心臓が7つなんてことはない。
 『見た目には』脳は1つだし、心臓も1つである。
 しかし、Gウィルスを基とする特異菌が脳や心臓などの急所が破壊されても、すぐにスペアを再生させる力を持っているのだ。
 しかも、それまでの記憶も完全にコピーする。
 だから、リサの頭を撃ち抜いて、例えその脳は死んだとしても、また新たな脳が造られ、しかも前の脳の記憶も完全にコピーして何事も無かったかのような状態に戻る。
 リサを完全に殺すには、Gウィルスや特異菌を死滅させなければならない。
 Gウィルスに直接繋がっていると思われる、肩甲骨付近の痣が現時点での弱点である。
 ここを銃で集中攻撃すれば、Gウィルスが直接傷つけられ、しかも回復力が遅い為に、そこを死滅させらることができる。
 残った特異菌達は親玉を失ったことで暴走し、リサは更なる化け物へと変化することになるだろう。
 しかし、もう不死身ではなくなる為、それこそロケットランチャーでも撃ち込んで倒せば良い。

 リサ「多分、また角生えて来ると思うよ」
 愛原「そうなのか?」
 リサ「何となくそんな気がする。朝起きたら、生えてるかもね」
 愛原「戻るにしても、前回と同じぐらいで、しかも自由に引っ込めたりするといいな」
 リサ「ねー。……じゃあわたし、お風呂入って来る」
 愛原「ああ」
 リサ「角が無い方が、頭は洗いやすくていいんだけどね」
 愛原「そりゃそうだろ」
 リサ「……蓮華のヤツ、角生えてた?」
 愛原「あー……どうだったかな?」
 リサ「鬼の男も、わたしじゃなくて、蓮華と付き合えば良かったんだよ」
 愛原「その頃の蓮華は、まだ人間だったからな」

 まだ頭に若干の違和感があったリサだが、取りあえず元には戻れそうだった。
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“私立探偵 愛原学” 「リサの角の変化」

2024-02-20 20:41:25 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月28日午前06時30分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家3階ダイニング]

 愛原「リサ、どうしたんだ、頭?」

 朝、起きて来たリサの頭には角が生えていた。
 これだけなら、いつものことだ。
 変化前は額中央の上部から1本角が生えていたのだが、今は両脇からの2本角になっている。
 その角が異様に長く伸びて、まるで牛の角のようになっていた。

 リサ「いやあ……何か変な夢見て、目が覚めたらこのザマで……」
 愛原「体の具合は?」
 リサ「いや、全然。だからわたしも、洗面所に行くまで気が付かなかった。何か、頭が重いなぁ……とは思ってたけど……」
 愛原「心当たりは無いのか?」
 リサ「今日は少し生理が……」

 リサは下半身を指さした。

 リサ「それのせいかなと思ってたんだけど……」
 愛原「それ以外は無い?」
 リサ「無いねー。今日はいつもより少し『多い』というだけで……。体育は見学にしておくかなと思ってたけど……」
 愛原「で、引っ込まない?」
 リサ「それが引っ込まないんだ。それどころか、人間に化けれなくなってる」
 高橋「よし。更なる化け物への道、1歩前進だな。今のうちに、頭撃ち抜かせてもらうぜい」

 高橋はジャキッとマグナム弾使用のライトニングホークを取り出した。

 リサ「それくらいじゃ、わたしは死なないって」

 頭が無くなるほどの威力を持つが、それでもリサの頭は再生してしまう。
 何故なら、そこが急所じゃないから。
 そう、目の見えるリサの頭は、人間では急所である頸部とはまた違うのである。
 リサの体内の状態を知った時、私はリサはもう人間に戻れないのではと悟った。
 オリジナルのリサ・トレヴァーは見た目にも化け物だったが、ここにいる日本のリサは人間の姿(と鬼の姿)を保ちつつ、体内は化け物状態なのだ。

 愛原「リサはラスボスだからなぁ……」
 高橋「うう……」

 だから、リサは死なない。
 ルーマニアのラスボス、マザー・ミランダよりも恐らくリサの方が強い。

 愛原「角の事、一応、善場主任に報告しよう。今日は学校を休んだ方がいいかもしれない」
 リサ「うん、分かった」

 私はまずは学校に電話することにした。
 リサの見た目の変化は角の長さと太さくらいで、BSAAが開発したアプリも、別に今リサが危険な状態であるとの通知は無かった。
 学校に電話をして、取りあえず今日、リサは休むという連絡をしておく。
 それから、善場主任だ。
 私はリサの写真を撮ると、それを主任のスマホに送信した。
 するとすぐに返信があり、すぐに浜町のクリニックまで連れて来るようにとのことだった。

 愛原「そういうことだ。分かったな?」
 リサ「分かった。食べたら、着替えて来る」

 リサは一応学校に行くつもりだったので、制服を着ていた。
 で、朝食は普通に食べた。
 どうやら、食欲も普通にあるらしい。
 本当に見た目が違うのは角だけ。

[同日09時00分 天候:晴 東京都中央区日本橋浜町 某クリニック]

 取りあえず朝食だけは食べ終わり、私服にリサを着替えさせて、行きは高橋に車を出してもらってクリニックに向かった。
 角を隠す為、パーカーのフードを被せるが、それでも、フードが変な形になってしまった。
 すぐに機械室に模した特別処置室に入る。
 そこでリサは、様々な検査を受けた。
 そうしているうちに、善場主任もやってくる。

 善場「! 立派な角になりましたね……」

 いつもはポーカーフェイスの善場主任も、リサの角を見て目を丸くした。
 今のところは、検査での異常は出ていない。
 角の部分のレントゲンも取ったが、特に角の中に何かがあるわけでもなかった。

 医師「気になるところは、レントゲンの方ですね……」
 愛原「レントゲン?」
 医師「はい。肺がまるで肺炎を起こしたかのような写り方をしているんですよ」
 愛原「肺炎!?」

 しかし、その割にはリサは咳をしていない。
 そもそもリサ、あまり咳をしないのである。
 風邪のウィルス程度、体内に入ったところで、Gウィルスや特異菌のエサになるだけなので。

 愛原「リサ?」
 リサ「? 別に、苦しくないよ?」

 肺炎になったら、呼吸困難で、まともに喋ることもできないだろう。
 しかし、検査着を着用しているリサは至って普通だった。

 医師「あとは、角の方ですが、こちらも一応……」
 リサ「……ックシュ!……ックシュ!ックシュ!!」

 その時、リサが連続で3回くしゃみをした。
 初めて見たような気がする。
 が!

 愛原「リサ!?」

 その時、頭の角がグラついた。
 まるで、抜けかかった歯のようだ。

 善場「! これはまさか……!」

 善場主任はリサの角を掴んで引っ張った。

 リサ「いてててて!!」
 善場「ガマンなさい!」
 愛原「しゅ、主任!?」

 そして、何と主任はリサの取れ掛かっていた角を取ってしまった。
 取られても、出血するわけではない。

 リサ「おー……頭が軽くなった……」

 リサはスッキリしたような顔になった。

 善場「この角を保存して、よく分析をお願いします」
 医師「わ、分かりました」

 今現在、リサは鬼でありながら、角の無い状態となっている。
 このまま角の無い状態になるのか、それともまた新しく生えるのかは不明である。
 角を抜いた部分だけ、取りあえず消毒した。

 善場「取りあえず、一旦帰りましょうか」
 リサ「学校へは行く?」
 善場「今日は1日、家で安静にしていた方がいいでしょう。また、何か変化があるかもしれません」
 リサ「そっかぁ……」
 善場「髪の色も変わりましたしね」
 リサ「あっ、本当だ!」

 

 リサの髪は黒から、脱色したような色になっていた。

 愛原「うん。今日は家で様子見といた方がいいな」
 リサ「マジか……」
 善場「また角が生えたら、教えてください」
 愛原「分かりました」

 それから再度検査が行われたが、不思議と肺炎のような写り方をしていた肺が、元に戻っていたという。
 それと角が抜けたことと、何か関係があるのかは、現段階では不明である。
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“私立探偵 愛原学” 「リサにも多少の異変はある」

2024-02-19 21:00:01 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月28日15時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原学探偵事務所]

 善場「今日は少し冷えますね」
 愛原「ええ。昨日は暖かったのに、三寒四温とはよく言ったものです。また少し肌寒い周期に入りましたかな」

 私は善場主任と、打ち合わせをしていた。

 善場「リフォームの件は如何ですか?」
 愛原「お陰様で、少しずつではありますが、前進しつつあります。今日も午前中、内装会社に見積もりの依頼をしてきたところなんですよ」
 善場「そうでしたか」
 愛原「何せこういう事は初めてなもので、なかなか相場というのが、インターネットでしか分からなくて……」
 善場「だいたい、50万円から100万円の間が相場でしょうね」
 愛原「やっぱり主任もそう思われますか?」
 善場「はい。幸いこのビルにはエレベーターがありますので、パーツごとに運べば材料の運搬にさほど労力は掛かりません。その為、その分の費用は安くなると思われます」
 愛原「そうですか!」
 善場「はい」
 愛原「まだ1社しか見積もりの依頼はできていないので、あと2~3社ほど見積もり依頼をしたいと思います」
 善場「その方がよろしいかと思います」

 するとそこへ、リサが帰って来た。
 今日は来訪者がある、つまり主任がいるので、事務所には寄らず、そのままエレベーターで4階へ上がって行った。

 善場「東京中央学園の春休みは、3月20日からでしたね?」
 愛原「そうです。都立高校とは、やや異なるようですね」
 善場「都立高校は3月25日からです。私立の学校法人なので、やや期間に相違があるようです」
 愛原「そうですか。予定通りに22日からということで」
 善場「ありがとうございます」

 実際の修了式は20日。
 しかし21日は春分の日で、藤野の研究施設自体が休みである為、その次の22日からとなった。
 前乗りする為、20日に八王子辺りのホテルに宿泊することになる。
 21日にしないのは、正にその日に栗原蓮華と勝負をするつもりでいるからだ。

 愛原「既に予約はしてあります。リサと2人だけかと思いきや、何でもレイチェルも一緒なんだそうですね」
 善場「栗原蓮華に対する警戒というのもありますので、御理解ください。BSAAからも、実際にBOWを移送するという実地訓練の意味合いもあるようです」
 愛原「すると、他にもBSAAが?」
 善場「実際に所長とリサに付くのはレイチェルだけですが、GPSなどで本部からの監視はあると思います」
 愛原「そういうことですか」
 善場「往復に掛かる費用については、私共に請求して頂ければ対応させて頂きます」
 愛原「分かりました」

 しばらくして、私服に着替えたリサがやってくる。

 リサ「先生、3階の冷蔵庫、“鬼ころし”が無くなったから、ここから持って行くよ?」
 愛原「分かった、そうしてくれ。後でパールに買いに行かせるから」
 リサ「分かった」

 リサは冷蔵庫の中から、パック入りの“鬼ころし”を口にした。

 

 髪の色は脱色したかのような色だったのが、“鬼ころし”を飲むことで、また黒に戻る。
 そういえば栗原蓮華も人間だった頃は、黒々とした髪だったのが、今では銀髪に変わっている。
 染めたのではなく、そのように髪色が変化したのだという。
 リサにもその現象があるということか。
 本来なら法律で禁止されている未成年飲酒に当たるが、“鬼ころし”だけは例外扱いとなっている。
 但し、泥酔するほど飲んではいけない。
 あくまで、暴走を抑える為の薬として飲んでいるだけだ。
 尚、ただの日本酒であるはずの“鬼ころし”にだけ、どうしてそのような効果があるのかは不明だし、他の鬼型BOWにも効果があるのかどうかも不明だ。
 体操服にブルマという姿にならなかったのは、善場主任がいたからだろう。
 今はパーカーと、下はデニムのショートパンツになっている。

 善場「リサ。来月は20日出発の、22日から開始です。宜しいですね?」
 リサ「分かりました」
 善場「順調に行けば、3月末には帰れるはずです」
 リサ「向こうで蓮華と決着を付けるんだね。分かった」
 善場「恐らく今のリサと栗原蓮華は互角。それでも、BSAAが全力で支援しますので、心配しないでください」
 リサ「あんな奴には負けないよ」
 愛原「だがリサ、あいつは人を何人も食ってる。大してお前は、それほど人食いをしているわけではない。その差はあるかもしれない」
 リサ「あいつは赤の他人しか食べてないでしょ?」
 愛原「?」
 リサ「わたしは先生の血液やその老廃物を時々摂取してるからね。好きな人のそれを吸うって、自分で言うのも何だけど、結構デカいよ」
 善場「さすがはリサです。そこに気づきましたか」
 リサ「うん。だから、ダンナを食ったリエは強い。私が第3形態くらいまで変化しないと勝てないくらいに」
 愛原「あれ、お前がブチギレていきなりそこまで変化したんじゃないの?」
 リサ「私もあいつも鬼だから、何となく分かるんだよ。で、私の鬼の知識を照らし合わせて、あいつの強さを推し測り、それから……」
 愛原「リサ!」
 リサ「……ただの偶然だったの」
 善場「ある程度の摂取は黙認しますが、過剰摂取は『捕食行為』と看做して、BSAAが出動することになるかもしれませんので、十分気を付けてくださいね」
 リサ「分かった。それと先生」
 善場「何だ?」
 リサ「4階のシャワールームの工事の件、レイチェルに相談してみたら、何かBSAAの工兵部隊が手伝ってくれるみたいな話になったってよ」
 愛原「ファッ!?」
 善場「BSAAが、民間業務委託者の家庭の内装工事を引き受けるですって?」
 愛原「高く取られそう……。主任、軍隊にやってもらったら高いですよね?」
 善場「……ですね。一応、確認してみます。もしかしたら、アメリカンジョークかもしれませんし」
 愛原「す、すいませんね」
 善場「いえ。それでは、3月の件、よろしくお願い致します」

 こうして、善場主任との打ち合わせは終わった。
 ……アメリカンジョークじゃなかったら、どうしよう?
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物語の途中ですが、ここで初登山の報告を致します。

2024-02-18 20:24:44 | 日記
[2024年2月18日06時20分 天候:晴 東京都千代田区丸の内 東京駅高速バスターミナル→JRバステック101便]

 

 今日はやっとこさ、今年初の御登山に漕ぎ付けることができた。
 それで何をトチ狂ったのか、マニアックなルートを採用してしまった。
 JR東京駅八重洲南口に位置するJRバスのターミナル。
 ここの9番乗り場から朝一に出発する、東名高速線急行便を予約した次第。
 幸いなのは、昨日で春節が終わったことで、多くの中国人達が帰国していたこと。
 今日の日曜日はウィキペディアによると、中国では出勤日・登校日に指定されている場合が多いのだそうだ。
 それで多くの中国人達が、昨日のうちに祖国に引き上げて行ったようである。
 その為か、車内は比較的空いていて、私が乗ったのはトイレの前の最後部席、具体的には9A席だったが、隣の席には誰も座ってこなかった。
 全体的に1人客の場合、窓側に座れていて、通路側に相席客が来るということは無かったようだ。
 東名高速も、まさかの順調。
 渋滞無し。
 いつもこうだといいな。
 因みにこれだけ早朝の出発だと、朝食はどうするのかというと、私は高速バスのチケット売り場にある自動販売機でパンとお茶を買い求めた。
 尚、6時にオープンであるので、注意が必要。
 売店も併設されているが、こちらは朝8時からなので、やはり注意が必要である。

 

 車内はWiFiとトイレ、充電ポート付き。
 これはUSBタイプ。

[同日08時20分 天候:曇 静岡県沼津市宮本 愛鷹パーキングエリア]

 

 東名愛鷹バス停に到着する。
 ここはパーキングエリアに隣接されているので、このバスはここで10分の休憩を取った。
 特急便や超特急便なら足柄サービスエリアだろうが、急行便は愛鷹。
 わざわざ大型車の駐車枠に止まることなく、そのままバス停で待機している。
 急行便しか停車しないので、後続の特急便などが詰まる心配も無いのだろう。

 

 ついでにバスのフロント部分を撮影してみた。
 2019年式の日野のセレガ。
 JRバス関東100%出資の子会社であるJRバステックの場合、燕を真正面から見た図がフロント部分に描かれている。
 国鉄バスだったJRバス関東と違い、こちらは国鉄観光社の観光バスだった歴史があるという。
 国鉄民営化に伴い、国鉄観光社も解散。
 旅行業は日本旅行に移譲され、バス事業はJRバス関東が引き受けたという。
 その後、分社化。
 事実上、東名高速線はJRバス関東、JRバステック、JR東海バスの3社体制となっている。

[同日08時42分~09時05分 天候:曇 静岡県富士市伝法 東名富士バス停→伝法二丁目バス停]

 

 バスは定刻より2分遅れて、富士インター内にある東名富士バス停に到着。
 奇跡のほぼ定刻運行である。
 やはり、あの現証は御仏智だったのだ。
 何がというのは、私が御住職に添書登山を申し込んだ後、しばらくしてからトチ狂ってこのバスを予約してしまった。
 だが、運良くトイレ前の席が取れたと同時に、御住職から添書登山の受付が完了したという連絡が入ったのである。
 ここまでは御加護がしっかりある。

 

 勝手知ったるマイルート。
 ヘタしたら、タイムアタックにチャレンジしなければならないルートなのだが、最初の高速バスがあまりにも順調な走りをしてくれたおかげで、その必要は無くなった。

 

 これ、時刻表。
 本数が多いんだか少ないんだか……。
 とにかく、タイミングを間違えると、富士宮に行けなくなる。
 この富士宮方面行きのバスも、定時で運行していたという奇跡ぶり。
 バスは普通の大型路線車、日野のブルーリボンだったが、座席の多いワンロマと呼ばれるタイプだったので、もしかしたら大石寺登山バスでも使用されるものだったのかも。

[同日09時25分 天候:曇 静岡県富士宮市 JR富士宮駅→JR西富士宮駅→第一交通]

 

 富士宮駅にも順調に到着。
 ここから身延線で、隣の西富士宮駅に向かう。

 

 やってきたのは2両編成のワンマン列車、甲府行き。
 富士から甲府まで身延線を走り通す列車だが、1人で何でもこなさないといけない運転士は大変だ。
 何しろ、JR東日本のワンマン列車と違って、駅に着いたら、わざわざホームの方に顔を出して、車掌と同じ動作でドア操作をしなければならないのだから。
 いや、安全最優先の観点で言えばそれで良いのだが、JR東日本はそこまでしなくても事故は起きていないわけだし、運転士に車掌と同じことをさせるのであれば、もういっそのことツーマンで良いのではとも思う。

 

 西富士宮に到着。
 JR東日本の感覚で半自動ドアボタンを押そうとすると、なかなか開かないので、まだるっこしく感じる。
 ここからタクシー。
 これもタイミングが悪いと、タクシー乗り場にタクシーがいないなんてこともあるのだが、今日は3台くらい待っていたので良しとする。
 御住職から連絡があり、今日は御住職が登山事務所で受付をされておられるとのことなので、登山事務所まで乗って行く。

 

 そこまで乗って行くと、料金2190円也。
 登山事務所で御住職と今年初の顔合わせ。
 ここで聞かされたのが、今日は報恩坊に行っても誰もいないとのこと。
 その為、報恩坊にお出しするはずだった御供養は、ここで御住職に預かって頂くことになった。

 

 今日御開扉で使用するワッペンと、休憩坊の案内。
 今日は常来坊とのこと。
 旧・常来坊には昔、宿泊したことがあったが、新・常来坊は初めてだ。
 旧・常来坊には色々と思い出がある。
 円形のような形をしており、ホールのような大広間になっていたり、その中央部分から仕切り壁がせり出してくるギミックが施されていたり、かつて学会在りし頃にフル稼働していたと思われる内拝券発行機が置かれていたりと、かつては学会寄進の坊舎だったのだと教わった。
 あの内拝券発行機、せっかくだから宝物殿に展示しておけばいいのにw
 何なら、報恩坊で飾ろうか?

[同日11時00分~13時00分 天候:晴 大石寺・売店区域から北の部分]

 

 昼食は売店(仲見世商店街)の中にある定食屋、“なかみせ”でチャーシュー麺を注文する。
 値段は1100円也。
 これの他、何故か漬物が付いていたり、玉子サラダが付いて来たりと、ラーメン店とは違う味わいがある。
 他にブックストアー広布さんから顕正会破折の本を買いまして、藤巻商店さんで自分用のお土産を買ったり食後の富士山サイダーを買って飲んでみたり、大日連出版さんでやっぱり顕正会破折関係の本を買ったり……。
 創価学会破折の本も色々と取り揃えられていたが、んっ?さんに忖度して今回は買わないことにするw

 

 開門の時間になって、奉安堂へ移動。
 鳳凰のレリーフ(?)が神々しい。
 思わず、『魍魎の密室』を歌いたくなる。
 日曜日なのに登山者が少ないのは、やはり春節が終わって、中国人や台湾人達が引き上げたからだろうか。
 外国人信徒達はいて、後ほど隣席される別の塔中坊の婦人部員の方の話によると、韓国人達とのこと。
 なるほど。
 朝鮮半島は、春節関係無いのか。

 御開扉自体は何事も無く終わったのだが、ハプニングは終了直後。
 退場中に杖をついた老婦人が転倒し、椅子の角に頭をぶつけるという事故が発生した。
 すぐさま案内の御僧侶が車椅子を持って来るなどの救護措置が取られていたが、その周りで外国人達が御題目を唱えていた。
 見た感じ、出血はされていないようだ。
 だが、年齢も年齢だし、ぶつけた所も所なのでやや心配だ。
 こういう時、大きな行事だと救護班とかがいたりするのだが、さすがに今日はいたんだかいないんだか……。
 とはいえ、こんな有難い日にそんな事故とは……。

 隣席の塔中坊の御婦人は、車で5分の所にお住まいだそうで、何とも羨ましい。
 遠路遥々埼玉から登山している私は、バスの乗り場に急ぐとしよう。

[同日15時00分 天候:晴 大石寺第2ターミナル→富士急静岡バス95系統]

 

 帰りは15時ちょうど発の下山バスで新富士駅に向かった。
 富士重工製の車体が特徴的なワンステップバス。
 2人席が多く配置されているタイプであり、最前部席も開放されていたので、私は運転席の真後ろに座る。
 ほぼ座席が全て埋まる感じだったので、このタイプのバスで良かったのではないだろうか。
 ご婦人達は中扉周辺の2人席に固まって談笑していたので(優先席部分や車椅子スペース用の折り畳み席に至るまで2人用席だった)。
 運賃は少し値上がり、片道1070円也。

[同日15時50分~16時13分 天候:晴 静岡県富士市 JR新富士駅→東海道新幹線730A列車1号車内]

 下山バスは国道、西富士道路経由で新富士駅へ。
 途中、在来線の富士駅にも立ち寄って、そこで何人かの乗客を降ろす。
 ここから乗り換えるは、“こだま”730号、東京行き。
 普段は空いているイメージの“こだま”だが、これもタイミングが悪いと混雑している。
 念の為、最後尾の1号車まで移動する。
 さすがにここまで来れば、空席はあった。
 2人席の窓側席を確保する。
 車両はN700系のJR西日本車。
 その為、車内チャイムは鬼塚ちひろの“いい日旅立ち・西へ”が流れる。
 新大阪始発より、名古屋始発の方が空いている傾向がある。
 新幹線も順調な運行で東京まで運転してくれたのだが、1つだけ不満がある。
 それは富士山が見えなかったこと。
 晴れの時間帯もあったが、富士山には雲が掛かっていて、それは拝むことができなかった。
 そこだけが残念だ。

 

 最後に、本日の戦利品。
 そこまで多くを購入したわけではない。
 全体的に順調な往復路を保障して頂いた仏様には、感謝の夕勤行をさせて頂いた。
 いや、ホント、いつもああだといいな。
 今度はいつ御登山できるか分からないが、この御加護に甘えることなく、常に魔の障害をブロックできる信心でありたい。
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“愛原リサの日常” 「愛原学探偵事務所の日常」

2024-02-17 20:43:11 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月27日16時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原学探偵事務所]

 リサ「ただいまァ」

 リサは無事に学校から帰宅した。
 3階や4階の居住区には行かず、2階の事務所に行く。
 今は来客はいないからだ。

 パール「お帰りなさい」
 リサ「あれ、先生は?」
 高橋「内装工事会社に行ったぜ。ほら、4階にシャワールームを増設するんだろ?あれだよ」
 リサ「ああ!どれくらいでできるんだろう?!」
 高橋「いや、すぐにはできねーよ。こっちは、ようやく資金が手に入ったって感じなんだから」
 リサ「そうなの!?」
 パール「資金が手に入る、つまり、予算が確保できたということです。先生としてはそれを元に、『いくらくらいでできる』、『いくらくらいでやって欲しい』というのがあるはずです。それで内装会社さんを何社か選び、その中から最も希望に近い値段でやってくれる会社を選ぶわけです」
 リサ「ふ、ふーん……。それで先生は……」
 高橋「取りあえず今日、話を聞いてくれる会社があるってことで、まずはそこに話をしに行ったってわけだ」
 リサ「なるほど」
 パール「そして業者さんがやってきて、現地調査をします」
 高橋「そんで、『大体これくらいなら、うちじゃナンボくらいでできまっせ』『工事期間これくらいでっせ』という話になるわけだ」
 リサ「ふむふむ……」
 高橋「だけど先生が、『それじゃダメだ』と判断されたら、その会社は不合格ってことだよ」
 リサ「まるでこの事務所に来られるクライアントさんみたいだね」
 パール「まあ、似たようなものですね」
 高橋「業種が違うだけで、今度は先生がクライアントってわけだ」
 リサ「それなら先生の経験で、楽勝じゃない?」
 高橋「と、思うだろ?」
 リサ「えっ、違うの?」
 パール「探偵業界もそうかもしれないけど、中にはボッタクりの癖に、雑な工事やる所とかあるからねぇ……」

 と、そこへ、エレベーターのドアが開いた。
 愛原が帰って来たのだ。

 高橋「先生、お帰りなさい」
 パール「お帰りなさいませ、先生」
 リサ「お帰りー。ドーナツ買ってきた?」
 高橋「アホ!自分で買って来やがれ!」
 愛原「でぇーい、くそ!次の会社にするぞ!」

 愛原は憤慨気味だった。

 高橋「ど、どうしたんスか!?」
 愛原「どうもこうも、フザけた会社だったよ!見積もりなんて、数社から取るのが普通だろ?そりゃ、せっかくの仕事の依頼なんだから、是非とも自分とこで引き受けたいというは分かるさ。うちだってそうなんだから」
 高橋「そ、そうっスね!」

 どうやら愛原、先ほど仕事の依頼をしに行った内装会社で、今すぐの契約を迫られたらしい。
 愛原が、『まずは見積もりを取ってから』と言ったものの、『うちは他より安くできる』の1点張りで、他の会社からの見積もりを取らせようとしなかったという。

 高橋「フザけた野郎どもですね。俺達のチームで、カチコミしてやりますよ。どこの会社っスか?」
 パール「レディースで良かったら、私も手伝おう」
 愛原「……せんでいい。明日はまた別の内装会社に行くつもりだけど、あれだと先が思いやられるなぁ……」
 高橋「今度は俺も行きましょうか?」
 愛原「いや、お前はここで留守番しててくれ。今度は上手く行くと信じることにするよ」
 リサ「わたしもメインで使うから、わたしも行きたいなぁ……」
 愛原「お前は学校があるだろ」
 高橋「なに寝言言ってんだ、鬼女」
 リサ「むー!」
 愛原「それより、婚姻届は送ったのか?」
 高橋「はい!レターパックにしました」
 愛原「あっ、レターパックにしたんだ。簡易書留とかじゃなく」
 高橋「はい。書留と速達にして送ろうしたんですが、それならレターパックの方が安いことに気づきまして」
 愛原「……それもそうだな」
 高橋「レターパックなら、婚姻届を折らずに済みますし」
 愛原「確かにな」
 高橋「赤いレターパックなら、向こうでハンコも押してくれますし」
 愛原「そうだな」
 高橋「しかも、普通郵便よりも早いそうで」
 愛原「そうなんだよ。レターパックが、昔はエクスパックって呼ばれてたのは知ってるだろ?元々は速達の小さな荷物を送る為の物だったんだ。今でも速達郵便のラインに乗せて運送されるし、赤いレターパックプラスなら受領印が要るから、簡易書留のような扱いもできる。お前、よく気づいたな」
 高橋「エヘヘ……」(∀`*ゞ)
 愛原「配達状況を確認することもできる。そのレターパック、郵便局に出したのか?」
 高橋「そうです。郵便局で買って、そこで住所やら書いて、そのまま出しました」
 愛原「それなら今、追跡できる状態だな」

 愛原は高橋が持っている追跡番号を確認すると、それで配送状況をパソコンで確認した。

 愛原「うん。無事にラインに乗ったようだぞ」
 高橋「本当ですか!?」
 愛原「まずは、近所の墨田菊川郵便局で『引受』になっている。それから、新東京郵便局に今は移送されたみたいだぞ」
 高橋「ということは……」
 愛原「今頃は仕分けの最中だ。今晩、長距離トラックに乗せられて、仙台の若林郵便局に早朝届けられるんだろう。そして、明日中に実家に届くという寸法だ」
 高橋「おお~!」
 愛原「因みに、ちゃんと返信用封筒は入れたんだろうな?」
 高橋「は、はい!もちろんです!」
 愛原「切手は貼ったか?」
 高橋「はい、貼りました!」
 愛原「そうか。それなら、問題無いな」
 高橋「明日が楽しみです!」
 愛原「待て待て。気が早いぞ。届くのは明日だ。で、うちの父さんがサインして、また送り返すわけだから……。早くて今週末になるんじゃないか?」
 高橋「こ、今週末っスか」
 愛原「普通郵便だと、仙台からここまで、2~3日掛かるからな。しかも、土休日の配達はしないわけだし」
 高橋「それもそうですね……」
 愛原「一応、父さん達に、『明日届くから』って連絡しておくよ」
 高橋「サーセン!」

 後に愛原はリサに、『父さんのことだから、気を利かして簡易書留とか速達とかにして返信して来そうだけどな』と言っている。
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