報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“愛原リサの日常” 「愛原学探偵事務所の日常」

2024-02-17 20:43:11 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[2月27日16時00分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原学探偵事務所]

 リサ「ただいまァ」

 リサは無事に学校から帰宅した。
 3階や4階の居住区には行かず、2階の事務所に行く。
 今は来客はいないからだ。

 パール「お帰りなさい」
 リサ「あれ、先生は?」
 高橋「内装工事会社に行ったぜ。ほら、4階にシャワールームを増設するんだろ?あれだよ」
 リサ「ああ!どれくらいでできるんだろう?!」
 高橋「いや、すぐにはできねーよ。こっちは、ようやく資金が手に入ったって感じなんだから」
 リサ「そうなの!?」
 パール「資金が手に入る、つまり、予算が確保できたということです。先生としてはそれを元に、『いくらくらいでできる』、『いくらくらいでやって欲しい』というのがあるはずです。それで内装会社さんを何社か選び、その中から最も希望に近い値段でやってくれる会社を選ぶわけです」
 リサ「ふ、ふーん……。それで先生は……」
 高橋「取りあえず今日、話を聞いてくれる会社があるってことで、まずはそこに話をしに行ったってわけだ」
 リサ「なるほど」
 パール「そして業者さんがやってきて、現地調査をします」
 高橋「そんで、『大体これくらいなら、うちじゃナンボくらいでできまっせ』『工事期間これくらいでっせ』という話になるわけだ」
 リサ「ふむふむ……」
 高橋「だけど先生が、『それじゃダメだ』と判断されたら、その会社は不合格ってことだよ」
 リサ「まるでこの事務所に来られるクライアントさんみたいだね」
 パール「まあ、似たようなものですね」
 高橋「業種が違うだけで、今度は先生がクライアントってわけだ」
 リサ「それなら先生の経験で、楽勝じゃない?」
 高橋「と、思うだろ?」
 リサ「えっ、違うの?」
 パール「探偵業界もそうかもしれないけど、中にはボッタクりの癖に、雑な工事やる所とかあるからねぇ……」

 と、そこへ、エレベーターのドアが開いた。
 愛原が帰って来たのだ。

 高橋「先生、お帰りなさい」
 パール「お帰りなさいませ、先生」
 リサ「お帰りー。ドーナツ買ってきた?」
 高橋「アホ!自分で買って来やがれ!」
 愛原「でぇーい、くそ!次の会社にするぞ!」

 愛原は憤慨気味だった。

 高橋「ど、どうしたんスか!?」
 愛原「どうもこうも、フザけた会社だったよ!見積もりなんて、数社から取るのが普通だろ?そりゃ、せっかくの仕事の依頼なんだから、是非とも自分とこで引き受けたいというは分かるさ。うちだってそうなんだから」
 高橋「そ、そうっスね!」

 どうやら愛原、先ほど仕事の依頼をしに行った内装会社で、今すぐの契約を迫られたらしい。
 愛原が、『まずは見積もりを取ってから』と言ったものの、『うちは他より安くできる』の1点張りで、他の会社からの見積もりを取らせようとしなかったという。

 高橋「フザけた野郎どもですね。俺達のチームで、カチコミしてやりますよ。どこの会社っスか?」
 パール「レディースで良かったら、私も手伝おう」
 愛原「……せんでいい。明日はまた別の内装会社に行くつもりだけど、あれだと先が思いやられるなぁ……」
 高橋「今度は俺も行きましょうか?」
 愛原「いや、お前はここで留守番しててくれ。今度は上手く行くと信じることにするよ」
 リサ「わたしもメインで使うから、わたしも行きたいなぁ……」
 愛原「お前は学校があるだろ」
 高橋「なに寝言言ってんだ、鬼女」
 リサ「むー!」
 愛原「それより、婚姻届は送ったのか?」
 高橋「はい!レターパックにしました」
 愛原「あっ、レターパックにしたんだ。簡易書留とかじゃなく」
 高橋「はい。書留と速達にして送ろうしたんですが、それならレターパックの方が安いことに気づきまして」
 愛原「……それもそうだな」
 高橋「レターパックなら、婚姻届を折らずに済みますし」
 愛原「確かにな」
 高橋「赤いレターパックなら、向こうでハンコも押してくれますし」
 愛原「そうだな」
 高橋「しかも、普通郵便よりも早いそうで」
 愛原「そうなんだよ。レターパックが、昔はエクスパックって呼ばれてたのは知ってるだろ?元々は速達の小さな荷物を送る為の物だったんだ。今でも速達郵便のラインに乗せて運送されるし、赤いレターパックプラスなら受領印が要るから、簡易書留のような扱いもできる。お前、よく気づいたな」
 高橋「エヘヘ……」(∀`*ゞ)
 愛原「配達状況を確認することもできる。そのレターパック、郵便局に出したのか?」
 高橋「そうです。郵便局で買って、そこで住所やら書いて、そのまま出しました」
 愛原「それなら今、追跡できる状態だな」

 愛原は高橋が持っている追跡番号を確認すると、それで配送状況をパソコンで確認した。

 愛原「うん。無事にラインに乗ったようだぞ」
 高橋「本当ですか!?」
 愛原「まずは、近所の墨田菊川郵便局で『引受』になっている。それから、新東京郵便局に今は移送されたみたいだぞ」
 高橋「ということは……」
 愛原「今頃は仕分けの最中だ。今晩、長距離トラックに乗せられて、仙台の若林郵便局に早朝届けられるんだろう。そして、明日中に実家に届くという寸法だ」
 高橋「おお~!」
 愛原「因みに、ちゃんと返信用封筒は入れたんだろうな?」
 高橋「は、はい!もちろんです!」
 愛原「切手は貼ったか?」
 高橋「はい、貼りました!」
 愛原「そうか。それなら、問題無いな」
 高橋「明日が楽しみです!」
 愛原「待て待て。気が早いぞ。届くのは明日だ。で、うちの父さんがサインして、また送り返すわけだから……。早くて今週末になるんじゃないか?」
 高橋「こ、今週末っスか」
 愛原「普通郵便だと、仙台からここまで、2~3日掛かるからな。しかも、土休日の配達はしないわけだし」
 高橋「それもそうですね……」
 愛原「一応、父さん達に、『明日届くから』って連絡しておくよ」
 高橋「サーセン!」

 後に愛原はリサに、『父さんのことだから、気を利かして簡易書留とか速達とかにして返信して来そうだけどな』と言っている。

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