[7月8日14:30.天候:晴 長野県北安曇郡白馬村 JR白馬駅]
昼食を食べた後、2人の魔道士は車に乗って屋敷まで向かった。
言い出しっぺは勇太なので、勇太の魔力で車を生み出す。
勇太が魔力を使うと、どうしても日本のタクシーみたいな感じになるのだった。
今回は黒塗りセダンタイプ。
まあ、おかげでこれで駅に乗り付けても、何の違和感も無い。
運転手もまたマリアの人形であるが、黒スーツに白い帽子を目深に被っている辺りも、まるでタクシーだ。
それで駅に乗り付けると、勇太は指定席券売機に向かった。
有人駅ではあるのだが、“みどりの窓口”は廃止されてしまった。
代わりに設置されたのが、指定席券売機。
“話せる指定席券売機”と言って、何かあったらオペレーターと連絡が取れるようになっている。
……とのことだが、指定席券売機を使い慣れている勇太にとっては必要の無い機能であった。
勇太:「少し遠回りして行きましょう。これなら、“魔の者”も手出しができないはず」
マリア:「上手く行くといいなぁ……」
マリアは、どこか不安げだった。
勇太:「でも結局、新幹線に乗るところは一緒なんだけど」
マリア:「どうしても上京の経路としては、そうなるよなぁ……」
マリアは一体、勇太がどのルートを選定するのか気になった。
不安げな表情はしたが、そんなに不安というわけでもない。
この辺りは勇太に任せて安心な所はあるからだ。
勇太:「んーと……。席が空いているのは、2日後か。マリア、それでいい?」
マリア:「いいよ」
恐らく明後日は参院選があるので、候補者や支援者達も移動しないのだろう。
その為、新幹線も空いているのだと思われる。
明後日以降は当選者が挨拶回りなどをする為、新幹線もその関係で混むのだと予想できる。
ルートと列車を決めた勇太は、イリーナのクレカを指定席券売機に突っ込んだ。
〔発券しています。しばらく、お待ちください〕
マリア:「チケットは当日まで、勇太が預かってて」
勇太:「分かった。この後はどうする?」
マリア:「足湯に浸かって、あとは買い物でもしよう」
勇太:「分かった!」
冬はストッキングを穿くマリアは、その時季は足湯に浸からない。
ストッキングを穿かない季節は、駅に行く度、足湯に浸かった。
マリア:「それなら……」
勇太:「うわ、タオルまで用意して……」
マリア:「想定してたから。はい、勇太のタオル」
勇太:「あ、ありがとう」
尚、この時マリアは制服ファッションではなく、普通にジーンズであった。
これだけ見ると、とても魔道士には見えない。
だが、現代における魔道士の恰好はこんなものである。
エレーナみたいなサービス業でもしているのではない限り、他の魔女もラフな格好であることが多い。
ルーシーも普段はTシャツにジーンズである。
制服ファッションが流行り出したのは、偏にマリアがそれを始めたからである。
別にマリアがそういうファッションリーダーというわけではなく、そもそもマリアにそれを着せた勇太が元凶であったりする。
ダンテ一門で上手く行っているカップルというのはすぐに噂になる為、それにあやかりたい他の魔女達がマネをするというのはよくあることだが……。
勇太:「今日はスカートじゃないんだ」
マリア:「足湯に浸かる前提だからね。いや、勇太と貸切だったらそうするんだけど、そういうわけじゃないから」
勇太:「まあ、確かに」
マリア:「それに、結婚したらさすがにもう着れないよ?」
勇太:「えー……」
マリア:「だからまあ……今のうちなのか。まあ、上京する時には着てあげるから」
勇太:「ほんと!?それじゃあ、体操服とスク水も……」
マリア:「アホか!」
勇太:「だって似合うよ?」
マリア:「それはさすがに着ない!」
とはいうものの……。
[同日17:00.天候:晴 同県北部山中 マリアの屋敷]
買い物が終わって帰宅し、夕食までまだ時間があったので、マリアは屋敷内のフィットネスルームで運動した。
魔道士(魔法使い)は概して体力に劣ることが多く、RPGの世界では体力自慢の戦士や武闘家などにそれを揶揄されることがある。
それを払拭する為、ダンテ一門では適度な運動も奨励されていた。
尚、他門の話であるが、男性魔道士が体力の勝る女戦士にそのことをバカにされ、怒って復讐劇を繰り広げたことがあった。
それはもう卑猥な復讐であったという。
マリア:「ふう……こんな所か……」
ランニングマシーンで走り込んだマリア。
もちろんフィットネスルームで運動するのだから、服装もスポーツウェアを着るのは当たり前である。
ところがマリアの場合……。
勇太:「はい、汗拭きタオル」
マリア:「Thanks.勇太は運動しないの?」
勇太:「僕はeスポーツやってるから」
マリア:「それ、運動と言わないと思う」
勇太:(体操服は嫌だと言う癖に、それより露出の高いウェアなんだもんなぁ……)
マリアはセパレートタイプのウェアを着ていた。
即ち、上はスポブラのようなトップス、下はレーシングショーツであった。
臍が出ている分、勇太が着せようとした体操服よりも露出は高い。
その違いは何なのだろうか?
勇太:「マリア。あのさ、この恰好……」
マリア:「何かおかしい?」
勇太:「いや、全然!むしろよく似合ってるよ」
アスリートではないので、さすがに腹筋まで割れているわけではない。
勇太:「体操服よりも露出が高いのに、どうして体操服は嫌なんだい?」
マリア:「だってあれ、野暮ったいし、絶対似合ってる感じがしないもの」
勇太:「そういうこと!?」
確かに、マリアのような白人には似合わないかもしれない。
日本のAVで、白人女優に日本の学校制服を着せたり、スク水を着せたり、体操服とブルマーを着せる企画モノがあるが、本当にただコスプレをしているだけで、似合っているかどうかと言われれば、制服以外微妙な気がする(それもブレザーとかはともかく、セーラー服はもっと微妙である)。
逆に、こういう陸上競技のユニフォームのようなスマートなものはよく似合う。
勇太:「スマートな方がいいのかなぁ……?」
マリア:「とにかく、シャワー浴びてくるから、後片付けよろしくね」
勇太:「えっ、僕が?」
マリア:「頼んだよ、後輩」
勇太:「あ、はい。先輩」
ダンテ一門では上下関係も、しっかりしている。
その中でもイリーナ組は明らかに緩い方ではあるが、ここでは勇太は後輩なのである。
実年齢も、マリアの方が年上だったりする。
勇太:「あっ、そうだ、先輩!」
マリア:「なに?」
勇太:「後輩として、そのウェアも洗わせてください!」
マリア:「…………」
マリアは呆れた顔をした。
マリア:「……いや、これはいいよ。汗臭いし」
勇太:「だからいいの!」
マリア:「だから、いいってばw」
マリアは呆れながら、シャワールームに向かった。
マリア:(何か、段々とヘンタイになってきているような……?まあ、いいか。私と2人っきりの時だけだし)
勇太:(マリアは嫉妬深いから、少しヘンタイな所を見せるくらいがいいんだよね)
昼食を食べた後、2人の魔道士は車に乗って屋敷まで向かった。
言い出しっぺは勇太なので、勇太の魔力で車を生み出す。
勇太が魔力を使うと、どうしても日本のタクシーみたいな感じになるのだった。
今回は黒塗りセダンタイプ。
まあ、おかげでこれで駅に乗り付けても、何の違和感も無い。
運転手もまたマリアの人形であるが、黒スーツに白い帽子を目深に被っている辺りも、まるでタクシーだ。
それで駅に乗り付けると、勇太は指定席券売機に向かった。
有人駅ではあるのだが、“みどりの窓口”は廃止されてしまった。
代わりに設置されたのが、指定席券売機。
“話せる指定席券売機”と言って、何かあったらオペレーターと連絡が取れるようになっている。
……とのことだが、指定席券売機を使い慣れている勇太にとっては必要の無い機能であった。
勇太:「少し遠回りして行きましょう。これなら、“魔の者”も手出しができないはず」
マリア:「上手く行くといいなぁ……」
マリアは、どこか不安げだった。
勇太:「でも結局、新幹線に乗るところは一緒なんだけど」
マリア:「どうしても上京の経路としては、そうなるよなぁ……」
マリアは一体、勇太がどのルートを選定するのか気になった。
不安げな表情はしたが、そんなに不安というわけでもない。
この辺りは勇太に任せて安心な所はあるからだ。
勇太:「んーと……。席が空いているのは、2日後か。マリア、それでいい?」
マリア:「いいよ」
恐らく明後日は参院選があるので、候補者や支援者達も移動しないのだろう。
その為、新幹線も空いているのだと思われる。
明後日以降は当選者が挨拶回りなどをする為、新幹線もその関係で混むのだと予想できる。
ルートと列車を決めた勇太は、イリーナのクレカを指定席券売機に突っ込んだ。
〔発券しています。しばらく、お待ちください〕
マリア:「チケットは当日まで、勇太が預かってて」
勇太:「分かった。この後はどうする?」
マリア:「足湯に浸かって、あとは買い物でもしよう」
勇太:「分かった!」
冬はストッキングを穿くマリアは、その時季は足湯に浸からない。
ストッキングを穿かない季節は、駅に行く度、足湯に浸かった。
マリア:「それなら……」
勇太:「うわ、タオルまで用意して……」
マリア:「想定してたから。はい、勇太のタオル」
勇太:「あ、ありがとう」
尚、この時マリアは制服ファッションではなく、普通にジーンズであった。
これだけ見ると、とても魔道士には見えない。
だが、現代における魔道士の恰好はこんなものである。
エレーナみたいなサービス業でもしているのではない限り、他の魔女もラフな格好であることが多い。
ルーシーも普段はTシャツにジーンズである。
制服ファッションが流行り出したのは、偏にマリアがそれを始めたからである。
別にマリアがそういうファッションリーダーというわけではなく、そもそもマリアにそれを着せた勇太が元凶であったりする。
ダンテ一門で上手く行っているカップルというのはすぐに噂になる為、それにあやかりたい他の魔女達がマネをするというのはよくあることだが……。
勇太:「今日はスカートじゃないんだ」
マリア:「足湯に浸かる前提だからね。いや、勇太と貸切だったらそうするんだけど、そういうわけじゃないから」
勇太:「まあ、確かに」
マリア:「それに、結婚したらさすがにもう着れないよ?」
勇太:「えー……」
マリア:「だからまあ……今のうちなのか。まあ、上京する時には着てあげるから」
勇太:「ほんと!?それじゃあ、体操服とスク水も……」
マリア:「アホか!」
勇太:「だって似合うよ?」
マリア:「それはさすがに着ない!」
とはいうものの……。
[同日17:00.天候:晴 同県北部山中 マリアの屋敷]
買い物が終わって帰宅し、夕食までまだ時間があったので、マリアは屋敷内のフィットネスルームで運動した。
魔道士(魔法使い)は概して体力に劣ることが多く、RPGの世界では体力自慢の戦士や武闘家などにそれを揶揄されることがある。
それを払拭する為、ダンテ一門では適度な運動も奨励されていた。
尚、他門の話であるが、男性魔道士が体力の勝る女戦士にそのことをバカにされ、怒って復讐劇を繰り広げたことがあった。
それはもう卑猥な復讐であったという。
マリア:「ふう……こんな所か……」
ランニングマシーンで走り込んだマリア。
もちろんフィットネスルームで運動するのだから、服装もスポーツウェアを着るのは当たり前である。
ところがマリアの場合……。
勇太:「はい、汗拭きタオル」
マリア:「Thanks.勇太は運動しないの?」
勇太:「僕はeスポーツやってるから」
マリア:「それ、運動と言わないと思う」
勇太:(体操服は嫌だと言う癖に、それより露出の高いウェアなんだもんなぁ……)
マリアはセパレートタイプのウェアを着ていた。
即ち、上はスポブラのようなトップス、下はレーシングショーツであった。
臍が出ている分、勇太が着せようとした体操服よりも露出は高い。
その違いは何なのだろうか?
勇太:「マリア。あのさ、この恰好……」
マリア:「何かおかしい?」
勇太:「いや、全然!むしろよく似合ってるよ」
アスリートではないので、さすがに腹筋まで割れているわけではない。
勇太:「体操服よりも露出が高いのに、どうして体操服は嫌なんだい?」
マリア:「だってあれ、野暮ったいし、絶対似合ってる感じがしないもの」
勇太:「そういうこと!?」
確かに、マリアのような白人には似合わないかもしれない。
日本のAVで、白人女優に日本の学校制服を着せたり、スク水を着せたり、体操服とブルマーを着せる企画モノがあるが、本当にただコスプレをしているだけで、似合っているかどうかと言われれば、制服以外微妙な気がする(それもブレザーとかはともかく、セーラー服はもっと微妙である)。
逆に、こういう陸上競技のユニフォームのようなスマートなものはよく似合う。
勇太:「スマートな方がいいのかなぁ……?」
マリア:「とにかく、シャワー浴びてくるから、後片付けよろしくね」
勇太:「えっ、僕が?」
マリア:「頼んだよ、後輩」
勇太:「あ、はい。先輩」
ダンテ一門では上下関係も、しっかりしている。
その中でもイリーナ組は明らかに緩い方ではあるが、ここでは勇太は後輩なのである。
実年齢も、マリアの方が年上だったりする。
勇太:「あっ、そうだ、先輩!」
マリア:「なに?」
勇太:「後輩として、そのウェアも洗わせてください!」
マリア:「…………」
マリアは呆れた顔をした。
マリア:「……いや、これはいいよ。汗臭いし」
勇太:「だからいいの!」
マリア:「だから、いいってばw」
マリアは呆れながら、シャワールームに向かった。
マリア:(何か、段々とヘンタイになってきているような……?まあ、いいか。私と2人っきりの時だけだし)
勇太:(マリアは嫉妬深いから、少しヘンタイな所を見せるくらいがいいんだよね)
大講堂の上がどうなっているのかを。
往復、車に同乗させて頂いたカイドウさんには厚く御礼を申し上げます。