[5月7日07:00.天候:晴 北海道オホーツク総合振興局東部 廃洋館跡]
シンディのセンサーに人間の反応がした。
それは弱々しいものだったが、つまりそれは地中深く埋まっているからに他ならない。
シンディ:「すみませんが、スコップを貸してもらえませんか?」
自衛隊員:「え?何だって?」
シンディ:「あの地中に、誰か……人間が埋まっているようです」
自衛隊員:「何だって!?生体反応が!?」
シンディ:「はい。生きているようです」
自衛隊員はすぐに仲間の隊員を呼び、シンディが反応した箇所を掘っていった。
重機を使わないのは、それが生きている人間に当たらないようにする為である。
自衛隊員:「何だこりゃ?カプセル?」
隊員達が人海戦術で掘って行くと、オレンジ色の強化プラスチックのカプセルのようなものがあった。
自衛隊員:「おーい!誰かいるのか!?」
自衛隊員がカプセルの外側を叩く。
だが、反応が無い。
シンディ:「こじ開けます!」
シンディは蓋らしき物に手を掛けると、両腕に油圧を掛け、バキンという音を立てて蓋をこじ開けた。
自衛隊員A:「おい、大丈夫か!?」
自衛隊員B:「生存者1名発見!」
カプセルの中から出されたのは、自衛隊とも警察とも、ましてやDSSとも違う特殊部隊員の恰好をした男だった。
防弾チョッキの所には、『KR』と書かれている。
シンディ:「KR団だわ!」
NHKリポーター:「……発見された生存者ですが、どうやら国際ロボットテロ組織ケイン・ローズウェル財団、通称KR団の構成員と思われます。かなり衰弱しているもようで、まずは病院に搬送されるもようです」
NHKスタジオからキャスターが現場リポーターに呼び掛ける。
NHKキャスター:「山内さん、そのカプセルは一体どういったものなのでしょうか?」
NHKリポーター:「こちらから見た感じですと、災害発生時、津波から避難する為のカプセルですとか、あとは船舶の沈没時に救命ボートの役目を果たすカプセルですとか、そういった感じに見受けられます」
NHKキャスター:「分かりました。それでは山内さん、また何か分かりましたらお伝えください。えー、昨夜からお伝えしておりますように、昨日夕方6時ごろ、北海道オホーツク振興局東部の森林地帯で、別荘として建てられていた建物が突然爆発・炎上しました。火は現在、鎮火している状態でありますが、別荘は国際ロボットテロ組織ケイン・ローズウェル財団、通称KR団のアジトとして使用されていた恐れがあり、現在警察が調べを進めています。また、爆発の原因についてですが、KR団が証拠隠滅の為に、日本各地から第2次大戦中の不発弾を集めて仕掛けていた物という証言があります。これはアメリカで逮捕された元KR団幹部が証言したものでありますが……」
自衛隊も出動しているのは、何も行方不明者の捜索だけでなく、まだ不発弾が残っているかもしれないからである。
シンディが捜索に加わっているのも、偏にその不発弾対策の為であった。
そして、シンディが投入されて良かったと現場の人間は思い知ることになる。
シンディは自衛隊員達とKR団員が隠れていたカプセルの中を調べていた。
自衛隊員C:「チッ、酷い臭いだ」
自衛隊員D:「何日もここに潜んでいたようですね」
シンディ:「これは何でしょうか?」
シンディが何かを拾い上げた。
それはレコーダーのようだった。
スイッチを入れてみると、音声が流れた。
KR団員:「2017年5月3日19時16分、録音開始。日本KR団北海道支部所属、コードネーム“オホーツク”。レコーダーを入手した。後続部隊へ……アメリカの本部へ、報告と救助を要請する。任務は失敗した。奴らは座して死を待ってなどいなかった。復讐の……復讐の機会を待っていたのだ。そう、あれは復讐の権化。人の形を象った復讐の機械!」
と、レコーダーから銃撃の音がしてそこで録音が途切れた。
シンディ:「あのKR団員は何かの作戦で来ていたようですね」
話の内容からして、エミリーと対峙した試作機をどうにかしようとしていたのだろう。
破壊か、それとも回収か……。
ボディは跡形も無く吹き飛んだようだし、頭部だけがエミリーに回収されたというわけだ。
だが、レコーダーはまだ終わっていなかった。
今度は別の男の声が聞こえて来た。
???:「……尚、無断でこれを聞いた者には死を!」
自衛隊員E:「班長、大変です!このカプセル、壁が二重になってて……!爆弾が!」
自衛隊員C:「何だって!?」
シンディ:「! 早く出てください!爆発します!」
自衛隊員C:「た、退避!」
シンディは自衛隊員がカプセルから出ると、カプセルを持ち上げて飛んだ。
シンディ:「だぁーっ!!」
そして、思いっ切り空中に投げ飛ばす。
カプセルは空中で大爆発を起こした。
シンディ:「あ痛っ!」
それでも破片が飛んで来るほどの勢いだった。
だが、その中に目を引くものがあった。
シンディ:「あれは……!」
シンディは地上に下りて、その破片の一部を受け止めた。
カプセルの中にあったものだろう。
シンディはすぐにそれが何か分かった。
シンディ:「ミクの部品だわ!」
初音ミクの特徴はツインテール。
そのツインテールを作る為の髪留めであった。
ただの髪留めではなく、GPSが内蔵されていたり、通信用のアンテナの代わりを果たすものとなっている。
これが無かった為に、シンディはミクを簡単に探し出すことができなかったのだ。
シンディ:「見つかったのは、これ1個だけ?」
ツインテールなのだから、2つある。
2つで1つの部品。
もしもう1個が、まだミクの頭に付いているのだとしたら……。
シンディ:「バッテリーが切れてる……」
シンディは自分のヘッドセットを外すと、その中のバッテリーと交換した。
シンディ:「やった!」
案の定、この髪留めはもう1個の髪留めと連動しているようで、その場所を探してくれた。
シンディは髪留めが指す方向に向かって走った。
シンディのセンサーに人間の反応がした。
それは弱々しいものだったが、つまりそれは地中深く埋まっているからに他ならない。
シンディ:「すみませんが、スコップを貸してもらえませんか?」
自衛隊員:「え?何だって?」
シンディ:「あの地中に、誰か……人間が埋まっているようです」
自衛隊員:「何だって!?生体反応が!?」
シンディ:「はい。生きているようです」
自衛隊員はすぐに仲間の隊員を呼び、シンディが反応した箇所を掘っていった。
重機を使わないのは、それが生きている人間に当たらないようにする為である。
自衛隊員:「何だこりゃ?カプセル?」
隊員達が人海戦術で掘って行くと、オレンジ色の強化プラスチックのカプセルのようなものがあった。
自衛隊員:「おーい!誰かいるのか!?」
自衛隊員がカプセルの外側を叩く。
だが、反応が無い。
シンディ:「こじ開けます!」
シンディは蓋らしき物に手を掛けると、両腕に油圧を掛け、バキンという音を立てて蓋をこじ開けた。
自衛隊員A:「おい、大丈夫か!?」
自衛隊員B:「生存者1名発見!」
カプセルの中から出されたのは、自衛隊とも警察とも、ましてやDSSとも違う特殊部隊員の恰好をした男だった。
防弾チョッキの所には、『KR』と書かれている。
シンディ:「KR団だわ!」
NHKリポーター:「……発見された生存者ですが、どうやら国際ロボットテロ組織ケイン・ローズウェル財団、通称KR団の構成員と思われます。かなり衰弱しているもようで、まずは病院に搬送されるもようです」
NHKスタジオからキャスターが現場リポーターに呼び掛ける。
NHKキャスター:「山内さん、そのカプセルは一体どういったものなのでしょうか?」
NHKリポーター:「こちらから見た感じですと、災害発生時、津波から避難する為のカプセルですとか、あとは船舶の沈没時に救命ボートの役目を果たすカプセルですとか、そういった感じに見受けられます」
NHKキャスター:「分かりました。それでは山内さん、また何か分かりましたらお伝えください。えー、昨夜からお伝えしておりますように、昨日夕方6時ごろ、北海道オホーツク振興局東部の森林地帯で、別荘として建てられていた建物が突然爆発・炎上しました。火は現在、鎮火している状態でありますが、別荘は国際ロボットテロ組織ケイン・ローズウェル財団、通称KR団のアジトとして使用されていた恐れがあり、現在警察が調べを進めています。また、爆発の原因についてですが、KR団が証拠隠滅の為に、日本各地から第2次大戦中の不発弾を集めて仕掛けていた物という証言があります。これはアメリカで逮捕された元KR団幹部が証言したものでありますが……」
自衛隊も出動しているのは、何も行方不明者の捜索だけでなく、まだ不発弾が残っているかもしれないからである。
シンディが捜索に加わっているのも、偏にその不発弾対策の為であった。
そして、シンディが投入されて良かったと現場の人間は思い知ることになる。
シンディは自衛隊員達とKR団員が隠れていたカプセルの中を調べていた。
自衛隊員C:「チッ、酷い臭いだ」
自衛隊員D:「何日もここに潜んでいたようですね」
シンディ:「これは何でしょうか?」
シンディが何かを拾い上げた。
それはレコーダーのようだった。
スイッチを入れてみると、音声が流れた。
KR団員:「2017年5月3日19時16分、録音開始。日本KR団北海道支部所属、コードネーム“オホーツク”。レコーダーを入手した。後続部隊へ……アメリカの本部へ、報告と救助を要請する。任務は失敗した。奴らは座して死を待ってなどいなかった。復讐の……復讐の機会を待っていたのだ。そう、あれは復讐の権化。人の形を象った復讐の機械!」
と、レコーダーから銃撃の音がしてそこで録音が途切れた。
シンディ:「あのKR団員は何かの作戦で来ていたようですね」
話の内容からして、エミリーと対峙した試作機をどうにかしようとしていたのだろう。
破壊か、それとも回収か……。
ボディは跡形も無く吹き飛んだようだし、頭部だけがエミリーに回収されたというわけだ。
だが、レコーダーはまだ終わっていなかった。
今度は別の男の声が聞こえて来た。
???:「……尚、無断でこれを聞いた者には死を!」
自衛隊員E:「班長、大変です!このカプセル、壁が二重になってて……!爆弾が!」
自衛隊員C:「何だって!?」
シンディ:「! 早く出てください!爆発します!」
自衛隊員C:「た、退避!」
シンディは自衛隊員がカプセルから出ると、カプセルを持ち上げて飛んだ。
シンディ:「だぁーっ!!」
そして、思いっ切り空中に投げ飛ばす。
カプセルは空中で大爆発を起こした。
シンディ:「あ痛っ!」
それでも破片が飛んで来るほどの勢いだった。
だが、その中に目を引くものがあった。
シンディ:「あれは……!」
シンディは地上に下りて、その破片の一部を受け止めた。
カプセルの中にあったものだろう。
シンディはすぐにそれが何か分かった。
シンディ:「ミクの部品だわ!」
初音ミクの特徴はツインテール。
そのツインテールを作る為の髪留めであった。
ただの髪留めではなく、GPSが内蔵されていたり、通信用のアンテナの代わりを果たすものとなっている。
これが無かった為に、シンディはミクを簡単に探し出すことができなかったのだ。
シンディ:「見つかったのは、これ1個だけ?」
ツインテールなのだから、2つある。
2つで1つの部品。
もしもう1個が、まだミクの頭に付いているのだとしたら……。
シンディ:「バッテリーが切れてる……」
シンディは自分のヘッドセットを外すと、その中のバッテリーと交換した。
シンディ:「やった!」
案の定、この髪留めはもう1個の髪留めと連動しているようで、その場所を探してくれた。
シンディは髪留めが指す方向に向かって走った。
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