[1月8日10:00.天候:晴 宮城県仙台市青葉区国分町]
敷島:「えっ、いいの?延泊代半額で?」
従業員:「今回の場合は止むに止まれぬ事情でしたので、本社からの通達です」
敷島:「そりゃありがたい。……支払い、カードでいい?」
従業員:「はい、ありがとうございます。それでは、こちらに暗証番号を……」
敷島がチェックアウトすると、未だに除雪の進んでいない公道の上にシンディが待っていた。
シンディ:「社長、おはようございます」
敷島:「シンディ!お前、どうやって来たんだ?」
シンディ:「DCJのヘリコプターに乗せてもらったのです。ヘリコプターは東北工科大学に着陸しましたので、そちらまでお連れします」
敷島:「そうか。あっ、そうだ」
シンディ:「?」
敷島、ホテル近くのコインパーキングへ向かう。
まだまだ雪に阻まれている箇所が多々あるが、そこはシンディが除雪して行く。
敷島:「いやあ、悪いね」
シンディ:「いえ。何でもお申し付けください」
コインパーキングに行くと、未だに車が雪に埋もれていた。
敷島:「平賀先生の車はあれだ」
シンディ:「かしこまりました」
シンディは雪をかき分け、平賀のプリウスをそこから掘り出した。
敷島:「うわ……精算機、ブッ壊れてやがる。これじゃ、料金ナンボか分からんよ」
シンディ:「いいんじゃないんですか。そのまま持って行けば……」
敷島:「そういうわけには行かんよ。取りあえず1日2000円分置いて行こう。東京より高くは無いだろう」
シンディ:「はあ……」
敷島:「シンディ、俺とこの車抱えて飛べるか?」
シンディ:「お任せください。1番いいのは、社長が車の中に乗ってくださると助かるのですが……」
敷島:「分かった」
敷島、ポケットの中からキーを出してロックを解除した。
シンディ:「……平賀博士の車だから、社長がキーをお持ちであるはすがありませんねと言いたかったのですが?」
敷島:「いや、もし車が動かせたら動かしておいてくれって頼まれてたの」
キーはその時に借りた。
敷島は車に乗り込んだ。
シンディは車を持ち上げ、エミリーと同じく超小型ジェットエンジンを起動させて上空に飛び上がった。
あとは車の下に潜り込み、そのまま両手に抱えて飛ぶ。
敷島:「うっひゃあーっ!絶景ーっ!」
シンディ:「寒くないですか?」
敷島:「いや、大丈夫!ってか、クソ速ぇーっ!!」
シンディ:「あっという間に着いてしまいますよ!」
[同日10:20.天候:晴 宮城県仙台市青葉区 東北工科大学]
大学構内は街中と打って変わって、除雪が進んでいた。
敷島:「車は職員駐車場に置いておこう」
シンディ:「はい」
敷島が車から降りると、ヘリから鳥柴が降りて来た。
鳥柴:「お迎えに参りました。すぐに参りましょう」
敷島:「ああ。ちょっと待って」
敷島はシンディに、南里志郎記念館の警備ロボット達を呼ぶように言った。
ぞろぞろとやってきたのは、エミリーを救助したバージョン4.0達。
敷島:「シンディ、こいつらはお前の姉を救助した立役者達だ。アルエットの通信性能が良かったとはいえ、それを上手く受信し、命令を忠実にこなしたことをどう思う?」
シンディ:「素晴らしいことだと思います」
敷島:「それではシンディ、こいつらに『大慈大悲』を」
シンディ:「かしこまりました」
シンディ、整列するバージョン4.0達の頭部にキスをした。
シンディ:「エミリーを助けてくれてありがとう」
バージョン4.0-4:プシューッ
バージョン4.0-48:
バージョン4.0-108:「ナ、何ト恐レ多イ……!」
バージョン4.0-398:「シ、幸セデス……」
バージョン4.0-457:「アッシハムシロ、鞭デ引ッ叩イテクレル方ガ御褒美デス」
シンディ:「調子に乗んなっ!」
ガンッ!(457号機に顔面パンチ食らわせるシンディ)
敷島:「あ゛!別の意味で煙が……」
鳥柴:(本当に『女王様』だぁ……)
敷島達がヘリに乗り込むと、すぐに離陸した。
敷島:「どこもかしこも雪景色だな」
鳥柴:「首都圏の方はまだ積雪量も少なく、除雪も進んでいます」
敷島:「つっても、1メートルは積もったんだろ?東京でそれくらいだと……」
鳥柴:「東京は2メートル、埼玉が3メートルですね」
敷島:「今年は暖冬で雪が少ないとか言ったヤツ、後でシンディに狙撃させていいですか?」
鳥柴:「ダメです!」
[同日13:00.天候:晴 千葉県成田市 DCJ成田営業所]
敷島:「ここに来るのも久しぶりだなぁ……」
鳥柴:「是非ゆっくりして行ってください」
敷島:「いやいや、会社が心配だから、エミリーの様子を見たら帰るよ」
ヘリが営業所敷地内のヘリポートに着陸する。
敷島達はヘリから降りた。
よく見るとエントランスの看板に、来年度から成田支社へと格上げされることが書かれている。
敷島:「売り上げいいの?」
鳥柴:「おかげさまで」
敷島:「うちも実質的には四季エンタープライズの豊洲支社みたいなものだから、うかうかしてはいられないな」
鳥柴:「業種が違いますよ」
地下にある技術開発室に入ると、そこに平賀がいた。
敷島:「平賀先生!」
平賀:「おー、敷島さん。雪から脱出できましたか」
敷島:「おかげさまで」
平賀:「カプセルホテルやサウナの料金、後でお支払いします」
敷島:「車の方も回収して、大学の駐車場に移動させておきましたから」
平賀:「ええっ?それじゃ、後で駐車場代の立替分も払いますよ」
敷島:「それより、エミリーはどのくらいで直りますか?」
平賀:「約1週間です」
敷島:「1週間!そんなに?」
平賀:「頭部以外の損傷が結構大きかったものでね。難しい所は自分がやりまして、後はDCJの社員がやれば修理費用も安く済みますよ」
敷島:「先生が全て直すんじゃないんですか?」
平賀:「大丈夫ですよ。難しい所は自分がやりますから。あとは任せてください」
敷島は部屋の外に出た。
シンディ:「姉さん、あんなになってかわいそう……」
敷島:「だが、あの雪の中から回収できただけでも奇跡だ。お前もバージョン達に鞭振るってばっかりいないで、たまには役に立てたら褒めてやれよ」
シンディ:「はあ……」
敷島:「とにかく、エミリーが直るまで、しばらくまた俺の秘書をやってもらうことになるな」
シンディ:「はい、お任せください」
敷島:「えっ、いいの?延泊代半額で?」
従業員:「今回の場合は止むに止まれぬ事情でしたので、本社からの通達です」
敷島:「そりゃありがたい。……支払い、カードでいい?」
従業員:「はい、ありがとうございます。それでは、こちらに暗証番号を……」
敷島がチェックアウトすると、未だに除雪の進んでいない公道の上にシンディが待っていた。
シンディ:「社長、おはようございます」
敷島:「シンディ!お前、どうやって来たんだ?」
シンディ:「DCJのヘリコプターに乗せてもらったのです。ヘリコプターは東北工科大学に着陸しましたので、そちらまでお連れします」
敷島:「そうか。あっ、そうだ」
シンディ:「?」
敷島、ホテル近くのコインパーキングへ向かう。
まだまだ雪に阻まれている箇所が多々あるが、そこはシンディが除雪して行く。
敷島:「いやあ、悪いね」
シンディ:「いえ。何でもお申し付けください」
コインパーキングに行くと、未だに車が雪に埋もれていた。
敷島:「平賀先生の車はあれだ」
シンディ:「かしこまりました」
シンディは雪をかき分け、平賀のプリウスをそこから掘り出した。
敷島:「うわ……精算機、ブッ壊れてやがる。これじゃ、料金ナンボか分からんよ」
シンディ:「いいんじゃないんですか。そのまま持って行けば……」
敷島:「そういうわけには行かんよ。取りあえず1日2000円分置いて行こう。東京より高くは無いだろう」
シンディ:「はあ……」
敷島:「シンディ、俺とこの車抱えて飛べるか?」
シンディ:「お任せください。1番いいのは、社長が車の中に乗ってくださると助かるのですが……」
敷島:「分かった」
敷島、ポケットの中からキーを出してロックを解除した。
シンディ:「……平賀博士の車だから、社長がキーをお持ちであるはすがありませんねと言いたかったのですが?」
敷島:「いや、もし車が動かせたら動かしておいてくれって頼まれてたの」
キーはその時に借りた。
敷島は車に乗り込んだ。
シンディは車を持ち上げ、エミリーと同じく超小型ジェットエンジンを起動させて上空に飛び上がった。
あとは車の下に潜り込み、そのまま両手に抱えて飛ぶ。
敷島:「うっひゃあーっ!絶景ーっ!」
シンディ:「寒くないですか?」
敷島:「いや、大丈夫!ってか、クソ速ぇーっ!!」
シンディ:「あっという間に着いてしまいますよ!」
[同日10:20.天候:晴 宮城県仙台市青葉区 東北工科大学]
大学構内は街中と打って変わって、除雪が進んでいた。
敷島:「車は職員駐車場に置いておこう」
シンディ:「はい」
敷島が車から降りると、ヘリから鳥柴が降りて来た。
鳥柴:「お迎えに参りました。すぐに参りましょう」
敷島:「ああ。ちょっと待って」
敷島はシンディに、南里志郎記念館の警備ロボット達を呼ぶように言った。
ぞろぞろとやってきたのは、エミリーを救助したバージョン4.0達。
敷島:「シンディ、こいつらはお前の姉を救助した立役者達だ。アルエットの通信性能が良かったとはいえ、それを上手く受信し、命令を忠実にこなしたことをどう思う?」
シンディ:「素晴らしいことだと思います」
敷島:「それではシンディ、こいつらに『大慈大悲』を」
シンディ:「かしこまりました」
シンディ、整列するバージョン4.0達の頭部にキスをした。
シンディ:「エミリーを助けてくれてありがとう」
バージョン4.0-4:プシューッ
バージョン4.0-48:
バージョン4.0-108:「ナ、何ト恐レ多イ……!」
バージョン4.0-398:「シ、幸セデス……」
バージョン4.0-457:「アッシハムシロ、鞭デ引ッ叩イテクレル方ガ御褒美デス」
シンディ:「調子に乗んなっ!」
ガンッ!(457号機に顔面パンチ食らわせるシンディ)
敷島:「あ゛!別の意味で煙が……」
鳥柴:(本当に『女王様』だぁ……)
敷島達がヘリに乗り込むと、すぐに離陸した。
敷島:「どこもかしこも雪景色だな」
鳥柴:「首都圏の方はまだ積雪量も少なく、除雪も進んでいます」
敷島:「つっても、1メートルは積もったんだろ?東京でそれくらいだと……」
鳥柴:「東京は2メートル、埼玉が3メートルですね」
敷島:「今年は暖冬で雪が少ないとか言ったヤツ、後でシンディに狙撃させていいですか?」
鳥柴:「ダメです!」
[同日13:00.天候:晴 千葉県成田市 DCJ成田営業所]
敷島:「ここに来るのも久しぶりだなぁ……」
鳥柴:「是非ゆっくりして行ってください」
敷島:「いやいや、会社が心配だから、エミリーの様子を見たら帰るよ」
ヘリが営業所敷地内のヘリポートに着陸する。
敷島達はヘリから降りた。
よく見るとエントランスの看板に、来年度から成田支社へと格上げされることが書かれている。
敷島:「売り上げいいの?」
鳥柴:「おかげさまで」
敷島:「うちも実質的には四季エンタープライズの豊洲支社みたいなものだから、うかうかしてはいられないな」
鳥柴:「業種が違いますよ」
地下にある技術開発室に入ると、そこに平賀がいた。
敷島:「平賀先生!」
平賀:「おー、敷島さん。雪から脱出できましたか」
敷島:「おかげさまで」
平賀:「カプセルホテルやサウナの料金、後でお支払いします」
敷島:「車の方も回収して、大学の駐車場に移動させておきましたから」
平賀:「ええっ?それじゃ、後で駐車場代の立替分も払いますよ」
敷島:「それより、エミリーはどのくらいで直りますか?」
平賀:「約1週間です」
敷島:「1週間!そんなに?」
平賀:「頭部以外の損傷が結構大きかったものでね。難しい所は自分がやりまして、後はDCJの社員がやれば修理費用も安く済みますよ」
敷島:「先生が全て直すんじゃないんですか?」
平賀:「大丈夫ですよ。難しい所は自分がやりますから。あとは任せてください」
敷島は部屋の外に出た。
シンディ:「姉さん、あんなになってかわいそう……」
敷島:「だが、あの雪の中から回収できただけでも奇跡だ。お前もバージョン達に鞭振るってばっかりいないで、たまには役に立てたら褒めてやれよ」
シンディ:「はあ……」
敷島:「とにかく、エミリーが直るまで、しばらくまた俺の秘書をやってもらうことになるな」
シンディ:「はい、お任せください」
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