[7月3日11:18.東京都千代田区丸の内 JR東京駅 視点:稲生勇太]
〔♪♪(車内チャイム。“AMBITIOUS JAPAN!”イントロ)♪♪ まもなく終点、東京です。【中略】お降りの時は、お足元にご注意ください。今日も新幹線をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
〔Ladies & Gentleman.We will soon be arriving at Tokyo,Terminal a few minutes...〕
〔「到着ホームは18番線。降り口は右側です。お降りの際、電車とホームの間が広く空いている所がございます。お足元にご注意ください。また、網棚の上、座席の上、座席の下など、お忘れ物なさいませんよう、よくお確かめください。今日も新幹線をご利用くださいまして、ありがとうございました」〕
稲生:「そろそろ先生を起こしに行きますか」
マリア:「うん。もう起きてるといいけどね」
マリアは人形達をバッグの中にしまうと、席を立った。
そして2人とも、10号車のグリーン車に移動する。
乗客:「先生、ありがとうございました」
イリーナ:「いいえ」
到着直前まで商売をしていたようだ。
稲生:「先生、そろそろ降りる頃ですが……」
イリーナ:「そうね。全く。仕事三昧だったよぉ……」
マリア:「たったの1時間じゃないですか。どれくらい稼いだんですか?」
イリーナはローブの内側を見せた。
イリーナ:「現金は受け取らない主義」
殆どがクレジットカード会社発行のギフト券。
まるで札束のように纏められている。
イリーナが現金を受け取らない理由は不明だ。
そして、実際あまりギフト券を利用している所は見たことがない。
〔東京、東京です。東京、東京です。ご乗車、ありがとうございました〕
第9ホームと呼ばれる18番線に到着する。
因みに東海道新幹線で、このホームにだけ立ち食いそば屋がある。
16号車寄りの方だ。
今回、魔道士はスルー。
なかなか味は良いらしい。
ワンスターホテルに向かう為、八重洲側の改札口を出る。
元々東海道新幹線乗り場に、直で出入りできるのは八重洲側しか無い。
JR東日本が丸の内口側を管理し、JR東海が八重洲口側を管理している……とも限らないんだな、これが。
とにかく、東京駅はJR東日本とJR東海の管轄が複雑に入り混じった駅なのである。
旧国鉄時代に東北新幹線用ホームとして整備された第7ホーム(14番線と15番線)は、民営化前に東海道新幹線用ホームに転用されている。
一部の情報で、『東北新幹線との相互乗り入れの為に整備された』とあるが、これはデマである。
東海道新幹線の本数が激増し、それに対応する為に転用しただけに過ぎない。
その為、民営化されても防災管理上の権利が複雑に絡み合っている場所なのだ。
このホームの下は特に!
稲生:「この改札口(八重洲中央南口)から出れば、タクシー乗り場はすぐそこです」
イリーナ:「慣れたものだねぇ……」
稲生:「ただの雑学です」
自動改札口を出る。
稲生:「東京も雨だ」
イリーナ:「ツユだからしょうがないね」
稲生:「確かに……」
駅の外に出てタクシー乗り場に行く。
乗り込んだのは最近よく見るジャパンタクシー。
これなら、後ろに3人並んで乗っても特に狭くない。
そもそも稲生やマリア自体、体の大きい方ではないので。
稲生:「江東区森下のワンスターホテルまでお願いします」
真ん中に乗った稲生が行き先を告げた。
運転手:「はい……」
運転手がナビでワンスターホテルを検索する。
一応、カーナビで検索できるホテルのようである。
運転手:「では、ナビ通りに行きますので」
稲生:「お願いします」
タクシーが走り出した。
通りに出る時の信号待ちで、前後をJRバスに挟まれる。
イリーナ:「はい、これ。お小遣い」
イリーナがローブの中から、稲生とマリアにギフト券を渡した。
新幹線の中で稼いだものだろう。
札束のように纏められたギフト券の中から、稲生は1万円分を受け取った。
稲生:「ありがとうございます」
マリア:「Thank you so much.」
月の小遣いは定額制であるが、イリーナに多額の臨時収入が入ると、このように分け前をくれることもある。
それ以外の衣食住については、師匠が面倒を見るというのがダンテ一門の掟である。
[同日11:45.東京都江東区森下 ワンスターホテル 視点:マリアンナ・ベルフェゴール・スカーレット]
タクシーがワンスターホテルの前に到着する。
運転手:「こちらでよろしいですか?」
稲生:「はい、大丈夫です。支払いはカードでお願いします」
運転手:「はい、ありがとうございます」
イリーナのプラチナカードを使う稲生。
その間、助手席の後ろに乗っていたマリアが降りた。
先にホテルの中に入る。
オーナー:「おお、マリアンナさん、いらっしゃい」
マリア:「エレーナはいますか?」
オーナー:「エレーナですね。少々お待ちください」
オーナーは内線電話を掛けた。
なるほど。
確かにアルカディアシティ6番街カブキンシタウンの“二星亭”の女将と、顔が似ているような気がする。
オーナー:「今、エレーナを呼びましたので」
マリア:「Thank you.ところで、Two Stars Hotelはどこにありますか?」
オーナー:「ホテル二星ですか?それでしたら……って、どこでそれを?」
マリア:「私達、Three Stars Innに泊まったんです」
オーナー:「姉の所に!そうでしたか。ありがとうございます。姉は元気でしたか?」
マリア:「ええ。それで、姉妹店……というか、兄弟店というか、そういうホテルがもう1つあると聞いたんです」
オーナー:「兄のホテルですね。後で御紹介させて頂きます」
そんなことを話していると、稲生とイリーナもホテルに入って来た上、エレーナとアリスもエレベーターで上がって来た。
エレーナ:「おーっ、やっと再会だぜ!」
マリア:「アリス?何か、ラフな格好……」
アリスはこちらの世界の服を着ていた。
Tシャツにジーンズという姿である。
エレーナ:「アリスの服、洗濯中なんだぜ。代わりの服を着てるだけだぜ」
購入したのだろうか。
まあ、それはどうでもいい。
イリーナ:「早速、アルカディアシティで何が起きたのか、聞きたいわ」
エレーナ:「了解です。オーナー、会議室借りますよ?」
オーナー:「どうぞどうぞ。お支払いは……」
イリーナ:「……ま、アタシが払うことになりそうだねぃ」
オーナー:「ご利用ありがとうございます」
後でオーナーがサービスでお茶を入れに来たという。
〔♪♪(車内チャイム。“AMBITIOUS JAPAN!”イントロ)♪♪ まもなく終点、東京です。【中略】お降りの時は、お足元にご注意ください。今日も新幹線をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
〔Ladies & Gentleman.We will soon be arriving at Tokyo,Terminal a few minutes...〕
〔「到着ホームは18番線。降り口は右側です。お降りの際、電車とホームの間が広く空いている所がございます。お足元にご注意ください。また、網棚の上、座席の上、座席の下など、お忘れ物なさいませんよう、よくお確かめください。今日も新幹線をご利用くださいまして、ありがとうございました」〕
稲生:「そろそろ先生を起こしに行きますか」
マリア:「うん。もう起きてるといいけどね」
マリアは人形達をバッグの中にしまうと、席を立った。
そして2人とも、10号車のグリーン車に移動する。
乗客:「先生、ありがとうございました」
イリーナ:「いいえ」
到着直前まで商売をしていたようだ。
稲生:「先生、そろそろ降りる頃ですが……」
イリーナ:「そうね。全く。仕事三昧だったよぉ……」
マリア:「たったの1時間じゃないですか。どれくらい稼いだんですか?」
イリーナはローブの内側を見せた。
イリーナ:「現金は受け取らない主義」
殆どがクレジットカード会社発行のギフト券。
まるで札束のように纏められている。
イリーナが現金を受け取らない理由は不明だ。
そして、実際あまりギフト券を利用している所は見たことがない。
〔東京、東京です。東京、東京です。ご乗車、ありがとうございました〕
第9ホームと呼ばれる18番線に到着する。
因みに東海道新幹線で、このホームにだけ立ち食いそば屋がある。
16号車寄りの方だ。
今回、魔道士はスルー。
なかなか味は良いらしい。
ワンスターホテルに向かう為、八重洲側の改札口を出る。
元々東海道新幹線乗り場に、直で出入りできるのは八重洲側しか無い。
JR東日本が丸の内口側を管理し、JR東海が八重洲口側を管理している……とも限らないんだな、これが。
とにかく、東京駅はJR東日本とJR東海の管轄が複雑に入り混じった駅なのである。
旧国鉄時代に東北新幹線用ホームとして整備された第7ホーム(14番線と15番線)は、民営化前に東海道新幹線用ホームに転用されている。
一部の情報で、『東北新幹線との相互乗り入れの為に整備された』とあるが、これはデマである。
東海道新幹線の本数が激増し、それに対応する為に転用しただけに過ぎない。
その為、民営化されても防災管理上の権利が複雑に絡み合っている場所なのだ。
このホームの下は特に!
稲生:「この改札口(八重洲中央南口)から出れば、タクシー乗り場はすぐそこです」
イリーナ:「慣れたものだねぇ……」
稲生:「ただの雑学です」
自動改札口を出る。
稲生:「東京も雨だ」
イリーナ:「ツユだからしょうがないね」
稲生:「確かに……」
駅の外に出てタクシー乗り場に行く。
乗り込んだのは最近よく見るジャパンタクシー。
これなら、後ろに3人並んで乗っても特に狭くない。
そもそも稲生やマリア自体、体の大きい方ではないので。
稲生:「江東区森下のワンスターホテルまでお願いします」
真ん中に乗った稲生が行き先を告げた。
運転手:「はい……」
運転手がナビでワンスターホテルを検索する。
一応、カーナビで検索できるホテルのようである。
運転手:「では、ナビ通りに行きますので」
稲生:「お願いします」
タクシーが走り出した。
通りに出る時の信号待ちで、前後をJRバスに挟まれる。
イリーナ:「はい、これ。お小遣い」
イリーナがローブの中から、稲生とマリアにギフト券を渡した。
新幹線の中で稼いだものだろう。
札束のように纏められたギフト券の中から、稲生は1万円分を受け取った。
稲生:「ありがとうございます」
マリア:「Thank you so much.」
月の小遣いは定額制であるが、イリーナに多額の臨時収入が入ると、このように分け前をくれることもある。
それ以外の衣食住については、師匠が面倒を見るというのがダンテ一門の掟である。
[同日11:45.東京都江東区森下 ワンスターホテル 視点:マリアンナ・ベルフェゴール・スカーレット]
タクシーがワンスターホテルの前に到着する。
運転手:「こちらでよろしいですか?」
稲生:「はい、大丈夫です。支払いはカードでお願いします」
運転手:「はい、ありがとうございます」
イリーナのプラチナカードを使う稲生。
その間、助手席の後ろに乗っていたマリアが降りた。
先にホテルの中に入る。
オーナー:「おお、マリアンナさん、いらっしゃい」
マリア:「エレーナはいますか?」
オーナー:「エレーナですね。少々お待ちください」
オーナーは内線電話を掛けた。
なるほど。
確かにアルカディアシティ6番街カブキンシタウンの“二星亭”の女将と、顔が似ているような気がする。
オーナー:「今、エレーナを呼びましたので」
マリア:「Thank you.ところで、Two Stars Hotelはどこにありますか?」
オーナー:「ホテル二星ですか?それでしたら……って、どこでそれを?」
マリア:「私達、Three Stars Innに泊まったんです」
オーナー:「姉の所に!そうでしたか。ありがとうございます。姉は元気でしたか?」
マリア:「ええ。それで、姉妹店……というか、兄弟店というか、そういうホテルがもう1つあると聞いたんです」
オーナー:「兄のホテルですね。後で御紹介させて頂きます」
そんなことを話していると、稲生とイリーナもホテルに入って来た上、エレーナとアリスもエレベーターで上がって来た。
エレーナ:「おーっ、やっと再会だぜ!」
マリア:「アリス?何か、ラフな格好……」
アリスはこちらの世界の服を着ていた。
Tシャツにジーンズという姿である。
エレーナ:「アリスの服、洗濯中なんだぜ。代わりの服を着てるだけだぜ」
購入したのだろうか。
まあ、それはどうでもいい。
イリーナ:「早速、アルカディアシティで何が起きたのか、聞きたいわ」
エレーナ:「了解です。オーナー、会議室借りますよ?」
オーナー:「どうぞどうぞ。お支払いは……」
イリーナ:「……ま、アタシが払うことになりそうだねぃ」
オーナー:「ご利用ありがとうございます」
後でオーナーがサービスでお茶を入れに来たという。