[5月19日13:22.天候:晴 福島県福島市栄町 JR福島駅・新幹線ホーム]
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく、福島です。山形線、阿武隈急行線、福島交通飯坂線はお乗り換えです。お降りの際はお忘れ物の無いよう、お支度ください。福島を出ますと“やまびこ”号は白石蔵王、“つばさ”号は米沢に止まります〕
列車が山形新幹線との分割駅に接近する。
線路配置の都合上、分割・併合を行う列車は、必ず福島駅14番線に到着することになっている。
この下り列車はそれでいいのだが、上り列車も同じホームで行わなくてはならない為、実質的にこの駅が単線になってしまっている。
また、上り列車においては下り副線ホームに停車する為、発車後は上り本線に入る為にポイントを渡らなくてはならない。
これがダイヤ設定上のネックとなっているらしく、今後改善していく予定であるという。
つまり、今は回送列車やダイヤ乱れなどの異常時を除いて使用されていない11番線が使用される可能性が出て来るということだ。
尚、分割・併合を行わない列車は本線ホームに停車し、そもそも通過列車はホームすら無い通過線を高速で通過していくこととなる。
2面2線のホームがあって、上りと下りのホームの間に通過線が2本あるのが福島駅なのである。
大宮駅で言えば、臨時ホームの15番線と16番線ホームが無くて、そこが通過線みたいな感じだろうか。
“やまびこ”“つばさ”137号は分割を行うので、ポイントを渡り、副線ホームの14番線に停車する。
〔ふくしま〜、福島です。ご乗車、ありがとうございました。……〕
〔「当駅で山形新幹線との切り離し作業を行います。6分停車致します。発車は13時38分です。発車までしばらくお待ちください」〕
稲生:「連結を外す作業と、あとはこの間に後続の“はやぶさ”と“こまち”が高速で通過します」
ルーシー:「見てみたい!」
稲生:「連結外す方?通過する方?」
ルーシー:「通過する方!」
稲生:「さすがは分かってますねぇ。マリアさんも降りてみます?」
マリア:「そうする。荷物見てて」
ミク人形:「ラジャ!」
ハク人形:「ラジャ!」
3人の魔道師は列車を降りて、列車のいない13番線に向かった。
とはいえ、稲生は切り離し作業の方も気になるようで……。
稲生:(なるほど。ああやって外すのか……。今は自動解結装置があるからな……)
などとのんびりよそ見していると……。
ゴォッ!
稲生:「おっ!」
後続の“はやぶさ”と“こまち”が高速で通過していった。
稲生:(この辺りも時速320キロか?いや、そこまでは出てないか?)
それでもかなり速い速度で通過したことから……。
ルーシー:「Amazing!!」
稲生:「えっ!?」
マリア:「ちょっ……ルーシー!はしゃぎ過ぎ……!(私も昔びっくりしたけどさ……)」
ルーシーは2人の仲間をハグした。
今や外国人観光客の目当ての中に、新幹線への乗車も含まれていることが多々あるという。
そんなことをしているうちに、山形新幹線が発車していった。
タイミングによっては、“はやぶさ”や“こまち”が通過すると同時に発車することがある。
線形上、この2つの列車が線路を被ることは無いので、安全性は何も問題はない。
因みに山形新幹線と東北新幹線、どちらが先に発車するかがネタになっていたのは“サザエさん”である。
普通に考えれば、前にいる列車が先に発車すると分かりそうなものだが……。
山形新幹線が発車すれば、今度は東北新幹線が発車する。
3人は車内に戻った。
稲生:「ルーシー、結構テンション高い人だったんだね」
マリア:「他の魔女も基本そうだよ。ただ、他人を信用できないだけ」
ということは、稲生も信用されるようになったということだろうか。
〔「お待たせ致しました。13時38分発、東北新幹線“やまびこ”137号、仙台行き、まもなく発車致します」〕
発車の時間になると、ホームには発車メロディが流れ出した。
“栄冠は君に輝く”である。
作曲者が福島市出身とのことで、その縁で発車メロディに使われているという。
因みに在来線ホームは“高原列車は行く”である。
高原列車のモデルとなった私鉄、磐梯急行電鉄は、今や既に廃止になっている。
非電化鉄道なのに、社名が電鉄……w
いや、機関車に発電機が搭載されていて、それで自家発電を行って走行しているので電気鉄道なんだと当時の会社幹部は言い張ったらしいけどw
普通は架線か第3軌条に電気が流れているから、電気鉄道なのである。
正に、顕正会並みの苦しい言い逃れと言えよう。
ルーシー:「勇太!帰りは“はやぶさ”に乗りたい!」
稲生:「えっ、マジっスか……?」
マリア:「ちょっと、ルーシー。帰りのプランはほぼ決定しているんだから、無理言うなっての。勇太が困ってるじゃない」
稲生:(E5系を使用した“やまびこ”じゃ誤魔化せなかったか……)
[同日14:04.天候:晴 宮城県仙台市青葉区 JR仙台駅→地下鉄仙台駅]
再び田んぼだらけの風景に、ようやく建物が見え始めてくる。
町並みが見えて来ると比例して、列車は速度を落として行く。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく終点、仙台です。東北新幹線、盛岡、新青森方面、仙石線、仙山線、常磐線、仙石東北ライン、仙台空港アクセス線、仙台市営地下鉄南北線と仙台市営地下鉄東西線はお乗り換えです。お忘れ物の無いよう、お支度ください。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
稲生:「無事に着きましたね」
列車は市街地の中を時速70キロほどで走行している。
ルーシー:「この町にも拠点としている魔女はいる?」
稲生:「いや、いないんじゃないですか。何度もこの町には来ていますが、影も形も見たこと無いですから」
マリア:「ルーシー、大戦前のイギリスじゃないんだからいないよ」
ルーシー:「そう。何だかいそうな感じなんだけどねぇ……」
稲生:「もしも僕の家族が埼玉に引っ越さなければ、僕達がここを拠点にしていたかもしれませんね」
ルーシー:「そうなの?」
稲生:「中学まで僕、仙台に住んでいましたから。父が本社の役員に抜擢されたんで、それで埼玉に引っ越したんです」
最初は埼玉支社の支社長に。
それで、さいたま市に家を建てた。
宗一郎の会社では、支社長から常務執行役員になれるらしい。
で、今現在は東京本社の専取締役。
ルーシー:「ふーん……。確か、商社マンか。大変だね」
稲生:「いえいえ。それじゃ、新幹線を降りたら地下鉄に乗り換えます」
ルーシー:「え……?」
それまでハイテンションだったルーシーの顔が、見る見るうちに青ざめていった。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく、福島です。山形線、阿武隈急行線、福島交通飯坂線はお乗り換えです。お降りの際はお忘れ物の無いよう、お支度ください。福島を出ますと“やまびこ”号は白石蔵王、“つばさ”号は米沢に止まります〕
列車が山形新幹線との分割駅に接近する。
線路配置の都合上、分割・併合を行う列車は、必ず福島駅14番線に到着することになっている。
この下り列車はそれでいいのだが、上り列車も同じホームで行わなくてはならない為、実質的にこの駅が単線になってしまっている。
また、上り列車においては下り副線ホームに停車する為、発車後は上り本線に入る為にポイントを渡らなくてはならない。
これがダイヤ設定上のネックとなっているらしく、今後改善していく予定であるという。
つまり、今は回送列車やダイヤ乱れなどの異常時を除いて使用されていない11番線が使用される可能性が出て来るということだ。
尚、分割・併合を行わない列車は本線ホームに停車し、そもそも通過列車はホームすら無い通過線を高速で通過していくこととなる。
2面2線のホームがあって、上りと下りのホームの間に通過線が2本あるのが福島駅なのである。
大宮駅で言えば、臨時ホームの15番線と16番線ホームが無くて、そこが通過線みたいな感じだろうか。
“やまびこ”“つばさ”137号は分割を行うので、ポイントを渡り、副線ホームの14番線に停車する。
〔ふくしま〜、福島です。ご乗車、ありがとうございました。……〕
〔「当駅で山形新幹線との切り離し作業を行います。6分停車致します。発車は13時38分です。発車までしばらくお待ちください」〕
稲生:「連結を外す作業と、あとはこの間に後続の“はやぶさ”と“こまち”が高速で通過します」
ルーシー:「見てみたい!」
稲生:「連結外す方?通過する方?」
ルーシー:「通過する方!」
稲生:「さすがは分かってますねぇ。マリアさんも降りてみます?」
マリア:「そうする。荷物見てて」
ミク人形:「ラジャ!」
ハク人形:「ラジャ!」
3人の魔道師は列車を降りて、列車のいない13番線に向かった。
とはいえ、稲生は切り離し作業の方も気になるようで……。
稲生:(なるほど。ああやって外すのか……。今は自動解結装置があるからな……)
などとのんびりよそ見していると……。
ゴォッ!
稲生:「おっ!」
後続の“はやぶさ”と“こまち”が高速で通過していった。
稲生:(この辺りも時速320キロか?いや、そこまでは出てないか?)
それでもかなり速い速度で通過したことから……。
ルーシー:「Amazing!!」
稲生:「えっ!?」
マリア:「ちょっ……ルーシー!はしゃぎ過ぎ……!(私も昔びっくりしたけどさ……)」
ルーシーは2人の仲間をハグした。
今や外国人観光客の目当ての中に、新幹線への乗車も含まれていることが多々あるという。
そんなことをしているうちに、山形新幹線が発車していった。
タイミングによっては、“はやぶさ”や“こまち”が通過すると同時に発車することがある。
線形上、この2つの列車が線路を被ることは無いので、安全性は何も問題はない。
因みに山形新幹線と東北新幹線、どちらが先に発車するかがネタになっていたのは“サザエさん”である。
普通に考えれば、前にいる列車が先に発車すると分かりそうなものだが……。
山形新幹線が発車すれば、今度は東北新幹線が発車する。
3人は車内に戻った。
稲生:「ルーシー、結構テンション高い人だったんだね」
マリア:「他の魔女も基本そうだよ。ただ、他人を信用できないだけ」
ということは、稲生も信用されるようになったということだろうか。
〔「お待たせ致しました。13時38分発、東北新幹線“やまびこ”137号、仙台行き、まもなく発車致します」〕
発車の時間になると、ホームには発車メロディが流れ出した。
“栄冠は君に輝く”である。
作曲者が福島市出身とのことで、その縁で発車メロディに使われているという。
因みに在来線ホームは“高原列車は行く”である。
高原列車のモデルとなった私鉄、磐梯急行電鉄は、今や既に廃止になっている。
非電化鉄道なのに、社名が電鉄……w
いや、機関車に発電機が搭載されていて、それで自家発電を行って走行しているので電気鉄道なんだと当時の会社幹部は言い張ったらしいけどw
普通は架線か第3軌条に電気が流れているから、電気鉄道なのである。
正に、顕正会並みの苦しい言い逃れと言えよう。
ルーシー:「勇太!帰りは“はやぶさ”に乗りたい!」
稲生:「えっ、マジっスか……?」
マリア:「ちょっと、ルーシー。帰りのプランはほぼ決定しているんだから、無理言うなっての。勇太が困ってるじゃない」
稲生:(E5系を使用した“やまびこ”じゃ誤魔化せなかったか……)
[同日14:04.天候:晴 宮城県仙台市青葉区 JR仙台駅→地下鉄仙台駅]
再び田んぼだらけの風景に、ようやく建物が見え始めてくる。
町並みが見えて来ると比例して、列車は速度を落として行く。
〔♪♪(車内チャイム)♪♪。まもなく終点、仙台です。東北新幹線、盛岡、新青森方面、仙石線、仙山線、常磐線、仙石東北ライン、仙台空港アクセス線、仙台市営地下鉄南北線と仙台市営地下鉄東西線はお乗り換えです。お忘れ物の無いよう、お支度ください。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
稲生:「無事に着きましたね」
列車は市街地の中を時速70キロほどで走行している。
ルーシー:「この町にも拠点としている魔女はいる?」
稲生:「いや、いないんじゃないですか。何度もこの町には来ていますが、影も形も見たこと無いですから」
マリア:「ルーシー、大戦前のイギリスじゃないんだからいないよ」
ルーシー:「そう。何だかいそうな感じなんだけどねぇ……」
稲生:「もしも僕の家族が埼玉に引っ越さなければ、僕達がここを拠点にしていたかもしれませんね」
ルーシー:「そうなの?」
稲生:「中学まで僕、仙台に住んでいましたから。父が本社の役員に抜擢されたんで、それで埼玉に引っ越したんです」
最初は埼玉支社の支社長に。
それで、さいたま市に家を建てた。
宗一郎の会社では、支社長から常務執行役員になれるらしい。
で、今現在は東京本社の専取締役。
ルーシー:「ふーん……。確か、商社マンか。大変だね」
稲生:「いえいえ。それじゃ、新幹線を降りたら地下鉄に乗り換えます」
ルーシー:「え……?」
それまでハイテンションだったルーシーの顔が、見る見るうちに青ざめていった。