Linkman#41  乱読の後始末

-乱読、精読、積読-

書籍に触発されて「思考と空想」は、知の荒野を駆け巡るのか…

マルクスの逆襲  三田誠広(集英社新書)

2016年01月28日 | 
Hitorigaten

 地球上で起こる殆どすべての事象について、リアルタイムで見聞できるような現代では、テクノロジーの進化(深化)の代償として、虚偽の流布もまた甘受せざるを得ない状況である…
 「民主主義」と「市場原理」を謳う勢力が世界中の富を支配するのであれば、対立軸としての「社会主義」と「統制経済」という思想・信条・原理といったものの存在意義は既に朽ち果てているのだろうか…
 虚心坦懐、もう一度立ち止まり深呼吸しながら、しかと沈思黙考したいものである、22世紀を見据えつつ…


○マルクスと新興宗教は、全く同じ機能を持っているといってもいいだろう
○「自由」という思想は、実は工場主や資本家と呼ばれる人々が提唱したもので、決して民衆の側が求めたものではない
○労働者は最初から阻害されているので~略~マルクスは国家管理による経済成長という、まったく逆の発想で新たな経済学を確立することになった
○プロレタリアート独裁による基幹産業への投資でも経済成長が実現するのは、インフラ整備されるまでの初期の段階に過ぎない
○文化大革命:富というものを極端に嫌悪する禁欲主義に支えられた一種のファシズム
○原理主義やファシズムは禁欲主義の悲壮感を推進力にしている →行きつくところは貧しさの局地であり、不安と絶望感に理性を麻痺させた集団自殺に等しい愚行
○マルクスの夢は、貧富の格差のない豊かな社会の実現と、すべての人々に疎外のない充実した人生を与えることだった。つまり生きる目的、生きる希望が必要なのだ
○革命や武装蜂起がなくても、マルクスの夢は実現できる。経営者から労働者まですべての国民が良識を持ち、共通の理念を持つことは不可能ではない
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