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日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

福島原発事故 「レベル7」あれこれ

2011-04-13 14:23:07 | Weblog
私は先月29日東京電力の「ヒューマン・エラー」を外から眺めるとの中で、《福島第一原発事故が世界にまき散らす放射性物質の量が、せめてチェルノブイリ原発事故の規模を上回ることにならないようひたすら念じようではないか。》と述べたが、その願いも空しくチェルノブイリ原発事故が視野に入ってきた。昨4月12日、政府が福島第一原発1~3号機の事故を、国際的な原子力事故の評価尺度(INES)で最悪の「レベル7」と暫定評価したからである。

チェルノブイリでは大気中に放出された放射能量が520万テラベクレルとされているのに対して、福島第一原発では政府発表とは言いながら発表値が統一されずに、原子力安全・保安院の試算では37万テラベクレル、内閣府原子力安全委員会の試算では63万テラベクレルとなっている。これらの値に基づいてであろう、今朝の朝日新聞に次のような見出しがあった。


表面的にはそうなのかも知れないが、上にも記したように福島第一原発事故が世界にまき散らす放射性物質の量を問題にする限り、《今はチェルノブイリの1割》は正しくない。というのはここに記されている放射能量はあくまでも大気中への放出量だからである。それがどのようにして見積もられたのか、例によって例のごとし、The New York Times(NYT)にはもう少し詳しい説明がある。

The Nuclear Safety Commission ordered the use of a computer model called Speedi ― short for System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information ― to calculate the amount of radiation released from the plant, said Mr. Shiroya, the commissioner on the safety agency, who is also the former director of the Research Reactor Institute at Kyoto University.

To use the model, scientists enter radiation measurements from various distances from a nuclear accident. The model produces an estimate of the radioactive material escaping at the source of the accident.

Speaking at a news conference, Mr. Shiroya said those calculations were complex, and it was only recently that researchers had been able to narrow down the amount to within an acceptable margin of error.
(April 12, 2011)

この記事によると、「Speedi」と名付けられた計算機モデルに、事故の発生地点から離れた各所で測定された放射能の値を入力して計算させることで、事故現場の放出源から放出された放射能量が求められるようである。もちろんデータ入力にはこまかい条件があるだろうし、どのような地域分布でデータを集めるか、またデータ数の多寡によって計算結果は振れるであろう。それにしてもなぜ原子力安全委員会と原子力安全・保安院がそれぞれ別々の数値を発表したのだろう。そしてさらに次のような話があって、この発表値が信じてよいものかどうか、問題がややこしくなっている。

Even so, some people involved in the energy industry have been hearing about the results of the Speedi calculations for days. A senior executive said in a telephone interview on April 4 that he had been told that the Speedi model suggested that radioactive materials escaping the Daiichi complex were much higher than Japanese officials had publicly acknowledged, and perhaps as high as half of the releases from Chernobyl.

この情報がどこからどのように流れてきたのかは分からないが、同じ「Speedi」を用いた計算で、チェルノブイリの半分ほどの放射能量が放出されたことになっているのである。これに対してNYTはこう続ける。政府発表に異なる政府機関の異なる試算値を併置することにある種の「いかがわしさ」を感じとっているのだろうか。

Mr. Nishiyama(保安院) and Mr. Shiroya (安全委員会)said separately on Tuesday that that estimate had been wrong. But their two government agencies also released different figures for the level of emissions so far, and there appeared to be a degree of supposition embedded in the numbers.

そして本題に戻るが、政府の発表値はあくまでも大気中への放出量なのである。チェルノブイリでは事故発生後、冷却水を原子炉に供給する機会はほとんどなかったはずで、水はせいぜい消火活動に使われたくらいであろう。ゆえにチェルノブイリでは大気中への放射能放出量をもって総排出量とみなしても良いのでは無かろうか、それに反して福島第一原発では大量の水が燃料棒の冷却に投入され、大量の放射能汚染水を生じているが、それが現在も続いている。その間、どれほどの放射能汚染水が海に漏出したのかおよその見積すら明らかにされていない。したがって現段階の放射性物質の放出総量は政府の発表値をかなり上回るはずなので、朝日の《今はチェルノブイリの1割》という表現は正しくないことになる。もしかすると現段階ですでにチェルノブイリの放出量に迫るかもしくはそれを凌駕していると想像することに私には抵抗感が無いのである。

この期になって強気?になったのか、東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理の発言が波紋を呼んでいるようである。

Junichi Matsumoto, a senior nuclear power executive from the plant’s operator, Tokyo Electric Power Company, fanned public fears about radiation when he said at a separate news conference on Tuesday morning that the radiation release from Daiichi could, in time, surpass levels seen in 1986.

The radiation leak has not stopped completely, and our concern is that it could eventually exceed Chernobyl,” Mr. Matsumoto said.

どのような根拠にもとづいての発言なのか知るよしもないが、私の想像と軌を一にした発言なのが気に掛かる。これに対して公安院の西村審議官はこう述べている。

But Hidehiko Nishiyama, deputy director general of Japan’s nuclear regulator, the Nuclear and Industrial Safety Agency, said in an interview on Tuesday evening that he did not know how the company had come up with its estimate. “I cannot understand their position,” he said.

He speculated that Tokyo Electric was being “prudent and thinking about the worst-case scenario,” adding, “I think they don’t want to be seen as optimistic.”

東京電力は米国原子力規制委員会に倣って、楽観的だったこれまでの姿勢を大きく方向転換し始めたのだろうか。しかし元来データに基づいて下されるべき判断が、「気分」により大きく左右されるようでは国民はただ振り回されるだけで、ますます「発表」に信をおけなくなる。

原子力安全委員会、原子力安全・公安院、東京電力のそれぞれの思惑が絡んでおりそうな「レベル7」の格付けもさることながら、私の最大の関心事は「燃料棒の冷却」を一刻も早く制御下に置くことである。「レベル7」がこの取り組みに無力感をもたらすことがないことを今はただ祈りたい。

福島第一原発の現状 なぜ見えてこないのか

2011-04-11 22:41:06 | Weblog
ここしばらくThe New York Times(NYT)の福島第一原発現状報告へのアクセスがいつの間にか増えだして、この週末には「福島第一原発 現状」の検索からのアクセスが最高に達した。GoogleでもYahooでもなんとこのエントリーが大前研一氏のYouTubeに続き110万件ほどの2位に躍り出ているのである。これには驚きよりも申し訳なさが先立った。というのもこのエントリーは3月19日のもので、アクセスして下さった方には「現状」からほど遠いものだからである。しかし私も新聞、インターネットなどの情報には一応注意を払っていたが、なかなか「現状」が伝わってこない。とくに4月に入って第一原発2号機の取水口付近から高濃度の放射性物質を含む汚染水が海に流出したことが明らかになって以来、海への流出を止めること、さらに汚染水の処理を巡っての話題がニュースのほとんどを占めたと言ってよい。その一方、原子炉の状態やその周辺でどのような作業が進行しているのか、実情は何も伝わってこなかった。何故なのか。その疑問に間接的に答えるような記事がThe New York Times(NYT)に現れたのでその要点を紹介する。

Lack of Data Heightens Japan’s Nuclear Crisis

TOKYO ― Nearly one month after Japan’s devastating nuclear accident, atomic energy experts, regulators and politicians around the world are still puzzling over a basic question: How much danger is still posed by the Fukushima Daiichi nuclear power plant?

That depends to a considerable extent on how hot the uranium fuel rods at the power plant remain, and whether fuel has escaped its containment, or might still do so. Yet remarkably little is known for sure about what is really happening inside the reactors because some areas remain far too radioactive for workers to approach, and some instruments have malfunctioned.
(April 8, 2011)

この冒頭部分が簡潔に問題の在処を示している。福島第一原発がどれほど危険な状態にあるのかという基本的な疑問について、世界中の原子力専門家、監督機関、それに政治家が頭を悩ませているというのである。ところがその危険度は燃料棒がどれほど熱いのか、また燃料が圧力容器から漏れ出たのかそれともいまでも洩れ続けているのか、によって大きく変わる。しかし現場には放射能があまりにも高くて作業員が近づけないとか、また計測器が正常に機能していないこともあって、原子炉の内部で何が起こっている事やらほとんど分かっていないと言うのである。残念ながらこれが「現状」のようである。そしてこう続く。

The paucity of data and the conflicting estimates of what the available information really means have prompted a series of confusing analyses and a rift between officials in Japan and those overseas ― and even between one member of Congress and the United States Nuclear Regulatory Commission.

The commission speculated this week that the nuclear fuel in the core of one of the stricken reactors had probably leaked from its thick steel pressure vessel, its most important protective barrier. If that proved to be accurate, it would raise the prospect of continuing fuel leaks and high levels of radioactive releases that would vastly complicate containment and the cleanup.

But Japanese officials said there was no evidence of a compromised pressure vessel, and they wondered why they were reading about it in the newspapers.

データの少ないことと提供される情報が実際に何を表すのかの受け取り方がことなることがその解析を混乱させ、日本と海外の関係者の間に断絶をもたらしたと言うのである。

その齟齬の一つが燃料棒の溶融を巡っての解釈である。米国の原子力規制委員会(NRC)は損傷した原子炉の一つ(2号機)では炉心の核燃料が厚い鋼鉄製圧力容器から十中八九漏れ出たと推測した。この推測が正しいとなると、燃料が依然として漏れ続け、高レベルの放射能が放出される公算が高くなり、封じこめと汚染除去がきわめて面倒になる。ところが日本の関係者は圧力容器が損なわれたという証拠は無いと述べ、そのようなことを新聞紙上で見ることを怪訝に感じたとまで言っている。燃料ではなく放射能で汚染された水が圧力容器から漏出したと言うのであろう。実はこれは東京電力側の見解で、原子力安全委員会と原子力安全・保安院は溶融の可能性が高いとコメントしている。日本国内でも情報がどのように流れているのか、そしてどれが正しいのか国民には一つも見えてこない。

同じような問題は米国にもあって、燃料棒損傷率にどのような意味が?でも次のように述べたところである。

米国原子力規制委員会(NRC)が傷ついた原子炉の炉心の一部が十中八九鋼鉄製圧力容器から洩れて格納容器の底に溜まったと言いながら、委員会は原子炉圧力容器が壊れたとは信じていないし、炉心のすべてが圧力容器に残っていると信じるとも述べるなど、どうも歯切れがよくない。

そしてこの8日の記事にも次のような記載がある。

This week, Representative Edward J. Markey, Democrat of Massachusetts, an outspoken critic, engaged in a running debate with members of the commission’s staff over the conditions at Reactor No. 2 in Japan. Mr. Markey said the regulators had told his staff that fuel was leaking from the reactor, but then the commission issued a more ambiguous public statement.

“I find it rather curious that some within the Nuclear Regulatory Commission are attempting to deny the findings their own technical staff conveyed to my office as soon as it became clear that this information showed a meltdown that is more severe than some people apparently wish to acknowledge,” Mr. Markey said in a statement.

どっちもどっち。原子炉建屋内で正確なデータの得られていないところに混乱の根源があるようだ。それに米国と日本で次のような立場の違いが混乱を助長しているのであろう。

“We have a very conservative culture in the nuclear industry” in the United States, said Murray E. Jennex, a professor at San Diego State University and a specialist in nuclear containment structures. “There’s nothing to gain by the N.R.C. saying things are good. At the same time, there’s nothing to gain by Tokyo Electric not downplaying stuff.”

米国側にしてみると物事はすべて順調と言っても得るところがあるわけでなし、一方東京電力としては物事を軽く見ないと強調しても得るところがあるわけでもない。ということは米国側は悲観的に事態を説明するのに対して、東京電力側は楽観的に説明するということなのだろうか。それにしてもこのような分析は注目に値する。

The Japanese also seem to prefer presenting raw data without explaining what they think it means, said Takashi Inoue, a professor of public relations at Waseda University. Every day, Tokyo Electric, the nuclear agency, the chief cabinet secretary and others hold news conferences at which they present a blizzard of facts and numbers but rarely make broader declarations about the conditions at Fukushima Daiichi.

毎日、東京電力、原子力安全・保安院(?)、内閣官房長官などが記者会見を開いて事実と数値を沢山並べたてるが、福島第一原発の状況についてより本質をついた言明がされることは滅多にないと言ってよい。

こういう次第だから福島第一原発の現状が浮かび上がってこないのである。

実はこの記事に実情把握について米国と日本のかなり本質的な食い違いが具体的に述べられているが、どちらが正しかったのかはいずれ分かることだから、気長に待つことにしよう。


燃料棒損傷率にどのような意味が?

2011-04-09 00:28:40 | Weblog
下の図表が昨日と今日(4月8日)の朝日朝刊に二回掲載されていた。この中で「燃料棒の損傷率」が記されており、7日の記事では次のように説明されている。


 東京電力が3月14~15日時点ででした分析では、1号機の炉内の燃料棒の損傷率は70%に上った。2号機は30%、3号機は25%だった。これは格納容器内で測定した放射線から割り出した計算値で、被覆菅が壊れた割合をある程度推測できるが、溶融など燃料の状態までを示すものではない。

すでに損傷率の定義がどこかに出ているのかも知れないが、私は見ていないので勝手に想像してみる。これも想像であるが炉心には約300本の燃料棒が入っているとする。単純な場合として被覆菅の一部でも破れた燃料棒を損傷とみなすと、損傷率70%ということは、壊れた燃料棒が210本で残りの90本は健全ということになる。しかし現実問題として被覆菅が同じような壊れ方をするとは考えにくい。それを示唆するような記事がThe New York Times(NYT)に出ている。

Core of Stricken Reactor Probably Leaked, U.S. Says

The United States Nuclear Regulatory Commission said Wednesday that some of the core of a stricken Japanese reactor had probably leaked from its steel pressure vessel into the bottom of the containment structure, implying that the damage was even worse than previously thought.(中略)

The Nuclear Regulatory Commission’s statement regarded unit No. 2, and the agency underscored that its interpretation was speculative and based on high radiation readings that Tokyo Electric had found in the lower part of unit No. 2’s primary containment structure, called the drywell. The statement said that the commission “does not believe that the reactor vessel has given way, and we do believe practically all of the core remains in the vessel.”
(April 6, 2011)

米国原子力規制委員会(NRC)が傷ついた原子炉の炉心の一部が十中八九鋼鉄製圧力容器から洩れて格納容器の底に溜まったと言いながら、委員会は原子炉圧力容器が壊れたとは信じていないし、炉心のすべてが圧力容器に残っていると信じるとも述べるなど、どうも歯切れがよくない。いずれにせよ炉心の溶融が言及されたのは2号機のことで、原子炉建屋での水素爆発は避けられたものの爆発音がするなど、原子炉自体の損傷の程度が当初の予想を上回って大きいことが指摘されている。これは今日東京電力が公表した3月14日に2号機においてのみ燃料棒が全露出(1号機、3号機では一部露出)したとの事実と矛盾しない。またこれもNYTの記事に依拠するが、何時間も炉心に水が無く、また冷やすための注水も行わなかった事実は、「シミュレーション」を行うための初期条件を簡単にして、炉心温度が何度まで上昇していくかの予測が容易になる。それぞれ異なる「シミュレーション」ソフトを初期条件を使ってであるが、摂氏で2,250度とか2,700度という最高到達温度が得られている。金属の融点は鉄が1,539度、ウランが1,132度、ジルコニウムが2,127度であるから、これらを溶融するには十分な温度である。2号機がかなり激しく損傷を受けていることがこれからも分かるが、それにしては30%の損傷率とされた燃料棒の壊れ方が、単に被覆菅が損傷しただけとは考えにくく、燃料棒そのものの溶融を視野に入れざるを得なくなる。確かに《溶融など燃料の状態までを示すものではない》と言われればそれまでであるが、「被覆の剥がれ」と「溶融」を区別出来ない損傷率の数値だけが一人歩きすることが、かえって「溶融」の危険性を覆い隠すことにもなりかねない。

燃料棒の損傷率一つで、あくまでも素人談義であるが、ここまで考えさせられた。専門家の説明が欲しいものである。






南相馬市桜井勝延市長のYouTubeが世界を動かす

2011-04-07 11:16:50 | 
私はThe New York Times(NYT)の次の記事でこのことを知った。

A Desperate Plea From a Japanese City to the World Is Heard

MINAMISOMA, Japan ― It was a desperate plea for help, spoken into a small digital camcorder by the mayor of this seemingly forsaken city, and posted on the Internet like a bottle tossed into a digital sea.

In the 11-minute recording, the mayor, Katsunobu Sakurai, described the dire situation facing Minamisoma, whose residents were still reeling from a devastating earthquake and 60-foot tsunami when they were ordered to stay indoors because of radiation leaks from Japan’s crippled nuclear plant, 15 miles away. Those who had not fled now faced starvation, he said, as they were trapped in their homes or refugee shelters by the nuclear alert, which also prevented shipments of food from arriving.

“We are left isolated,” Mr. Sakurai said urgently into the camera, his brow furrowed and his voice strained with exhaustion. “I beg you, as the mayor of Minamisoma city, to help us.”

The video, posted on YouTube a day after it was recorded late on the night of March 24, became an instant sensation, and has since drawn more than 200,000 viewers. Almost two weeks later, the city hall is still getting phone calls, most from non-Japanese calling from abroad with offers to help. The city has also received hundreds of boxes of food and other supplies from individuals, and truckloads of relief goods from nonprofit organizations.
(April 6, 2011)

南相馬市は福島第一原子力発電所半径20・第二半径10キロメートルの避難対象地域と半径20~30キロメートルの屋内待避地域を抱えている。

このビデオが撮られた3月24日、南相馬市では避難した市民がいる一方、屋内待避を余儀なくされた市民も2万人ほどおり、30キロメートル以内への運搬を運送業者が拒否したことで食料に燃料が不足していた。さらには余震で家具などが絶えず揺れ動くし福島原発でまた爆発が起きるのではとの心配は絶えないし、市民は最悪の事態に直面していた。町が日本中から見放されたかのように感じ、市役所の記者クラブに詰めていたレポーター達も全員逃げ出したことで南相馬市がニュースからも消えてしまった。このような時に地域の住民が市役所を訪れ、ボランティアをほとんど見かけないことに不満を漏らして、市長がインターネットを通じて世界に直接に訴えることを持ちかけたのである。YouTubeを使ったことのない市長は最初は懐疑的だったものの、この追い詰められた状況で出来ることは何でもする気になってこのビデオに向かったのである。従来はマスメディアがやって来てビデオを撮るのを待っていたが、その逆で自分たちでビデオを撮りそれを放映することになったと市長は振り返っている。

現在南相馬市は徐々に日常生活を取り戻しつつある。屋内待避勧告は依然として有効であるもののこの地域の住民の多くはそれを無視し、ガソリンスタンドやコンビニは店を開き始めた。しかし主な大通りこそ車も多く見かけるが、脇道や店は不気味なほどガラガラである。そのなかでも放射能の危険があるのでボランティアではなく物資をとの市長の訴えが実を結び、中には運搬を拒む運送業者もいるが、食料や燃料が送り込まれつつあるということである。

国が頼りにならないと見極めた危機的な状況でなされたこの櫻井市長の訴えは、淡々とした言葉のすべてに、市民を護らなければならないとの強い意志のこめられていることに私は深い感動を覚えた。実際に現地に赴くことなく電話取材でこと足れりとするマスメディアへの不信もうかがわれるがさもありなんである。私も外信でこのニュースを知ることになった。


福島原発の仮設タンク vs.墨俣の一夜城

2011-04-06 18:04:44 | Weblog
高濃度放射能汚染水、海への流出止まる 福島第一2号機

 東京電力は6日、東京電力福島第一原発2号機の取水口付近の作業用の穴(ピット)から海に漏れ出ていた高濃度の放射能汚染水が同日午前5時38分、止まったと発表した。

 東電は5日午後、流出しているピットの下に、砕石層をガラス状に固める薬剤を入れる止水工事をした。工事後に、海への流出量はやや減っていた。
(asahio.com 2011年4月6日7時7分)

ボストン・ローガン国際空港で交通渋滞に巻き込まれた時の「プルプル」で高濃度放射能汚染水の海への漏出を取り上げていた時点からほぼ30時間後になるが、何はともあれ海への漏出が止まってよかった。しかし一方、低濃度(と言ってもどの程度か分からないが)の汚染水約1万トンに加えて、法律で環境中への放出が認められている濃度基準の100倍の汚染水1500トンを海に流すという作業はどうなったかというと、ほぼ終了したようである。

 一方、集中環境施設の汚染水は6日午前6時半までに1万トン弱を放出した。同日中に残った約600トンを放出する予定。5、6号機の地下水は約1500トンのうち300~400トンを放出した。その後、2号機タービン建屋内にたまった高濃度の汚染水を移送するための工事を進める。
(毎日新聞 2011年4月6日 12時57分(最終更新 4月6日 14時19分))

これで核兵器を持たないわが国が、放射能汚染水の海への漏出と投棄国としての汚名を歴史に残すことになってしまった。漏出は詮方ないことながら、とくに投棄はそれ以外に手はなかったのだろうか。

私がテレビを見て 9日目に救出 広告 原発避難者 リビア  追記あり
で次のように述べたのは3月21日のことである。

そういえば消防車などが大量の海水を原発の内部設備に放水しているが、どこに消えていっているのだろう。蒸気になって空中か、溢れて流れ出して地下に潜るか海に戻るか。地下水、海水の放射線モニタリングデータが発表されていないのはデータが無いのか隠しているのか。肝腎な情報を公表すべきなのに誰も何も言わない。

大量の海水がどこに行くかは現場の責任者にはとっくの昔に分かっていたことであろう。その実情として、いろんな場所に放射能汚染水が溜まっていることが次第に明らかにされてきた。その汚染水を外部に出さないとの確固たる意志が東京電力側にあれば、早々と敷地内にどういう形であれ貯留タンクの設置に着手出来たはずである。現にそのような計画が4月4日になって明らかにされた。

東電、福島第1に15日から仮設タンク設置、メガフロートも来週到着へ

 福島第1原子力発電所の1~3号機のタービン建屋に強い放射性物質(放射能)を含む汚染水がたまっている問題で、東京電力は4日、汚染水を移す仮設タンクの設置を15日から開始することを明らかにした。4月末までに、総容量1万5000トンの仮設タンクを敷地内に配置し、順次、汚染水を移し替える。

 東電は同日、静岡市から譲渡を受けた人口浮島「メガフロート」が5日にも清水港を出港し、来週末まで福島第1原発に到着する計画を明かした。メガフロートは約1万トンの水を収納できる。また、これとは別に国内に残り2隻ある約1万トンのメガフロートの譲渡交渉を開始したという。

 このほかに、水をためることができるバージ(はしけ)船も、総容量1200トン、1000トンの2隻を用意したことも明らかにした。仮設タンクやメガフロートなどを使い、タービン建屋の汚染水処理が進めば、配電盤やポンプ類の復旧作業が行えるとしている。
(産経ニュース 2011.4.4 19:19 )

あまりにも決断が遅いし作業が悠長である。ふと頭に浮かんだのが太閤記のなかでもよく知られた「墨俣の一夜城」の挿話で、国史大辞典(吉川弘文館)にもこのように出てくる。

永禄九年(一五六六)織田信長が西美濃経営の拠点として羽柴(豊臣)秀吉に命じて築かせた墨俣城は「一夜城」として著名である。秀吉は大規模な柵を設けて敵勢を弓・鉄砲で防ぎながら尾張の篠木、柏井、科野などの野武士ら千二百人を使って不審を強行し、わずかな日数のうちに堀・櫓を推した下、堀で囲むなどして完成させた。

実際は一夜ではなく数日はかかったようであるが、信長のような果断に富む大将、秀吉のような実行力のある知恵者さえおれば、とつい思ってしまった。そろそろ「指揮・命令系統」が整備されてきたのだろうか。それにしても待たれるのが米軍部隊「シーバーフ」の活動であるが、未だにニュース面には登場してこない。

ボストン・ローガン国際空港で交通渋滞に巻き込まれた時の「プルプル」

2011-04-04 17:54:35 | 海外旅行・海外生活
原子力発電所「Yankee Rowe」の静かな終焉とくらべてで「Bridge of Flowers」を最後に訪れたのが2000年9月であったと述べたが、これはニューイングランド・ドライブ旅行の途上であったのである。

その頃は母を自宅で介護していたが、停年退職した千葉にいる次弟がしばらく母の世話をするからと申し出てくれたので、われわれ夫婦で10日間ほどのドライブ旅行に出かけることにした。弟がわが家にやって来るのと入れ替えに出発して、個人美術館巡りをはじめとしてニューイングランドの風物を満喫した。日ごろの緊張と束縛感からから解放されて思う存分羽を伸ばせたことが、どれほどわあれわれを元気づけてくれたことか、母の最後を自宅で看取る原動力にもなったと言える。この時の旅行のことはほとんで記録していないので、また折に触れてブログにまとめようと思うが、今日取り上げるのはそのドライブ旅行の最後の最後に経験した貴重な?体験談なのである。

到着したボストン・ローガン国際空港でレンタカーを借り、ドライブ旅行を終えた後もローガン空港で車を返却してニューヨーク行きの飛行機に乗る予定だった。そしてその日、少しゆとりをもって空港に到着するつもりだったが、高速道路で思いがけず時間を取って空港の近くにたどり着いた時は夕方の5時ごろであったと思うが、渋滞で車が動かなくなったのである。次から次へと何本もの道路が合流するものだからほとんど動かない。動いたとしても文字どおり一寸刻みである。そしてまた止まる。飛行機の時間は夜遅くなので慌てなかったが困ったことに尿意を催しだした。もちろんトイレがどこにあるかも分からないし、分かったとしてもこの渋滞をかいくぐってそこまで行くのは不可能である。最初はなんとかなるさと鷹揚にかまえていたが、時間が経つにつれて真剣に考えざるを得ない羽目に陥った。いよいよ「プルプル」の出番である。これまでも旅行の際は持ち歩いていたが使ったことはなかった。その使い初めである。助手席の妻にそれを取り出させ、外を向いているように厳命して車が動かないのを幸いに、ハンドルから手を離してなんとか用を足すことが出来た。渋滞ならではの芸当である。あまりの心地よさに、つい目のあった隣の車の女性に微笑みかけてしまった覚えがある。その「プルプル」の片割れが残っていたのでお目にかける。


200円の値札を見ると当時京都河原町通りにあった丸善で買ったのであろう。この袋の中に粉末剤が入っていて水分を吸収すると膨潤して固体状になるのである。燃えるゴミとして処理出来るとのことだったので、レンタカーを返却するときにゴミ箱に捨てて一巻の終わりとなった。ここまでくるとなぜ私がこの話を持ち出したかはお分かりいただけよう。そう、この記事をご覧あれ。

投入したポリマーって? 水吸い膨らむ粉、おむつにも

 福島第一原発2号機の取水口付近にある作業用の穴(ピット)の亀裂から出ている汚染水を止めるため、東電は3日に、化学物質ポリマー(吸水樹脂)を上流に投入した。水を吸い込んで膨らむ物質だ。紙おむつや保冷剤、園芸用の保水材、携帯用トイレなどにも使われている。

 ポリマーは水がないときは体積が小さくさらさらとした粉状だ。一方、水を含むと風船のようにふくらみ中に水を蓄える。水をぐんぐん吸い込みゼリーのようになり固まる。水を吸うと元の粉の体積の20倍、重さは70倍になるという。

 3日には8キログラム分のポリマーのほかに、水を含ませてかさを増させるため、おがくず60キロや新聞紙なども投入した。
(asahi.com 2011年4月4日0時29分)

原発ピットの亀裂を防ぐためにこの吸水性の粉末剤を使ったというニュースから連想したのである。ただ亀裂をふせぐという目的から考えるとその効果について私は懐疑的なのである。というのも製品の性質が公表されていないので同じかどうか分からないが、似たような粉末剤を私はかって実験に使っていたからである。

商品名をSephadex(セファデックス)といったが、この粉末剤も水を吸収すると膨潤する。これをゲルと呼ぶが、底に溶融ガラス製の円形篩板で封じたガラスの細長い筒(これをカラムという)に積めて、何種類ものタンパク質を含んだ溶液を注ぎ入れると水分だけは下に流れてタンパク質がゲルに吸着して残る。そこで適当な展開液を上から流すとタンパク質の分子量に応じて大きなものほど先に下から流れ出てくる。このようにして分子量の異なるタンパク質が分離されるのであるが、この技術をゲルろ過クロマトグラフィーと呼んでいる。生化学実験に欠かせない手法なのである。

この粉末剤は水分を吸収すると膨潤して固形状になる、と述べたが、決して板やレンガのような硬い固形体になるのではない。明太子を想像して頂くとよいかと思う。小さな卵一粒一粒が水で膨潤した粉末粒子に相当すると思えばよい。粒子同士が接着しているわけでもないので型に填めるのならともかく、それだけで形のある構造体を作れない。だからちょっとした水流で流されてしまうだろう。また上のカラムも実はゲルの詰め物を通って水分が通過していく。その性質を利用出来るからこそのクロマトグラフィーなのである。だからかりにこの材料で亀裂を塞いだとしても少しの水圧で水分は容易に通過していく。これでは水の漏れを止めることはできない。

これはあくまでも私の現役時代の経験に基づく推測であるが、恐らく実情は大きくはかけ離れていないだろう。それよりも強力な磁力を帯びた2枚の鉄板で亀裂を挟み込めばその方が効果的なのではなかろうか。東京電力のすることなす事、口を挟むのも詮方ないこと思いながら、また口を出してしまった。





日本共産党志位和夫委員長の街頭演説に出会して

2011-04-02 17:25:04 | 社会・政治
用があって街に出た。鯉川筋を下がってくるにつれて拡声器からの音が大きくなる。元町大丸の周辺に大勢の人が集まっているので党首クラスの人かなと思ったら、共産党の志位委員長が熱弁をふるっているところだった。


時間は12時を少し過ぎた頃、遠目で顔がはっきりしないが声は間違いなく志位さんである。急ぎの用でもなし、名のある政治家の演説を直接聞くのも滅多にないことなので耳を傾けることにした。とにかく感心したのが演説のうまいことである。まず声がいい。言葉が明瞭だから一言一句すべてが聞き取られる。そして淀みがないうえにめりはりがきいている。それを忠実に伝える拡声装置の性能がよいのだろう、言葉の持つ力、その力強さをいかんなく伝える。話に引きずり込まれてふと気がつくと目頭が熱くなっている。日本に真の政治家がいないわけではない、とでも思ったのだろうか。

演説の中身も理路整然でなかなか分かりやすい。それに具体的なのがよい。東日本大震災の復興の財源として「震災復興国債」を発行して、それを244兆円にも及ぶ内部留保を積み上げている大企業に引き受けて貰えばとの提案にはなるほどと思った。そのうち64兆円は現金であるとのことである。この金額の信憑性はさておいても、こういうお金のあることは十分頷けられる。志位さんは利子0で、と言っていたけれど、大企業が本当に応じるのなら少々の利子ぐらいはいいだろう、と話に乗っていけた。320億円の政党助成金も廃止して復興へ、というのも共産党だからこそ言えること、私もまったく賛成である。

原子力発電所の問題についても、原発の新増設中止と安全最優先の原発政策への転換という路線はまさに私の思うところでもあり、その現実的な対応ぶりが十分に評価出来る。そのほかあれこれ、気がついたら30分ほどの演説が終わったときは力強く拍手をしていた。

この演説を聞いた限りでは志位さんに日本の舵取りを任せるのも一つの手かなと思った。共産党まで含めた大連立でその総理大臣も悪くはない、と私をして言わせるほど演説の力を実感したのである。


世界最強「核事故対応機動部隊」の創設を 追記あり

2011-04-01 18:40:11 | Weblog
知らぬが仏とはよく言ったものである。今回の福島原発事故で明らかになったことの一つに、わが国には強い放射能環境下でも作業可能な放水車やポンプ車、さらにはロボット注水・放水車に重装備の防護服などに護られた「特殊機動隊」のようなものが整備されていなかったと言うことである。福島原発に放射能防御の作業車両がなかったのかでも《日本中の原発のどこにも放射能防御作業車両が無いのだろうか。もしそうならこれは「想定外」で決して許されることではない。恐らく「秘密兵器」なのであろうが、今からでも遅くない、米軍、露軍に緊急配備して貰ったらどうなのかと思う。》と述べ、さらに福島第一原発に即刻米軍専門部隊の投入を!と叫んだ。3月18、19日のことである。それから10日以上経ち、今日の産経ニュースが次のように報じた。

原発事故支援へ、米軍部隊「シーバーフ」 化学・生物兵器のプロ
医療・除染・復旧も担当

 東日本大震災に伴う福島第1原発事故の深刻化を受けて、米軍から派遣される「化学・生物兵器事態対応部隊(CBIRF=シーバーフ)」は、米本土での核・生物・化学テロなどを想定して訓練を積んできた。米国内でも厚いベールに包まれてきた部隊が日本で起きた未曽有の原発事故という“有事”にいかに能力を発揮するか注目されている。(田中靖人、ワシントン 佐々木類)

 シーバーフは平成7(1995)年の地下鉄サリン事件を受けて1996年4月に設置された米軍で唯一常設の化学・生物兵器事態への即応能力を持つ約500人の部隊だ。

 現在は、2001年の米中枢同時テロを受けて米本土防衛を主任務に創設された米北方軍(コロラド州)傘下の特殊部隊「CCMRF(シースマーフ)」に所属している。

 シースマーフは、陸、海、空、海兵隊の4軍で構成された1個旅団規模の統合特殊部隊(約4700人)。バージニア州フォートモンローの米陸軍基地などで、核攻撃や原発へのテロ攻撃、生物、化学兵器テロや原発事故などを想定した訓練を続けている。

 具体的には、被災地の自治体や民間の病院などと連携しながら、高濃度汚染地域からの被災者の救出・搬送、汚染源の特定と汚染濃度の観測、要員・部隊の除染などに従事する。がれきの除去や移動経路の建設、物資輸送など被災地の復旧活動も担う。

 有事の際にシースマーフの初動部隊として出動するシーバーフは2個の初期対応部隊で構成され、各部隊には偵察チーム、被災者捜索・救出チーム、医療チーム、除染チーム、爆発物処理チームがある。今回日本に約140人が派遣されるが、実際の放射能汚染下での行動は初めてとみられ、現在、自衛隊との具体的な連携方法を詰めている。
(2011.4.1 08:04)

企業によっては自衛消防隊を設置しているところがあるので、私はその感覚でとくに核燃料を扱う特殊性から、各原子力発電所には放射性物質で汚染された状況下でも作業ができる特殊な消防隊というか作業班があるものだと思い込んでいた。その思い違いに気がついたことを原子炉を作った人と動かす人で述べたところである。火事になれば原子力発電所も消防署に電話をかけるのである。現に3月30日に福島第二原発1号機のタービン建屋から煙が上がったときにもまずは消防署に通報したいるである。

福島原発事故への対応で世界に醜態を曝した何もかも「ないない尽くし」は、間違いなく政府の責任であると思う。原発反対運動が福島原発事故を拡大させた?で私は次のように述べた。

今回の自衛隊、消防隊、警察、さらには消息が流れてこない米国専門部隊を合わせての装備・機材を大きく上回る世界最強の原発危機鎮圧隊の創設を真剣に考えるべきであろう。日本で稼働中の原発すべてを即刻運転停止に出来ないとすれば、これしか考えられる対策は無い。
今からでも遅くない。「核事故対応機動部隊」を一刻も早く創設すべきで、自衛隊の中に設けるのが現実的であろうと思う。

日本でかりにすべての原発を廃止したとしても、施設をそのまま放置することは出来ない。原子力発電所「Yankee Rowe」の静かな終焉とくらべてでも述べたように原子炉一基を解体撤去する費用が6億800万ドルかかっている。これを7億ドルとして1ドル=80円だと560億円になる。日本には現在50数基の原子炉があるから50基として2兆8000億円になる。また「使用済み核燃料保存設備」の維持に単純計算で800万ドルx50=4億ドル、すなわち320億円かかることになる。原子力発電所を廃止するにも大金がかかるのである。「核事故対応機動部隊」の創設にいくらなんでもそれほどはかかるまい。

原子力発電所の存廃はいずれ取り沙汰されようが、当面運転を続けざるを得ないとすると今こそ今回の事故を教訓に、世界最強の「核事故対応機動部隊」を日本が創設すべきであろう。蓮舫さんにまた蒸し返されるかも知れないが、これは日本の意地でもある。

追記(4月2日)

上の記事を投稿後、次の記事(抜粋)が目についた。

福島第1原発 廃炉に30年と1兆円

 日本原子力発電に13年間勤務し、東海村の原子炉廃炉にも携わった村上氏は「東電が4基の原子炉を廃炉にするのは議論の余地がないことだろう。費用はおそらく1兆円を超えるだろう。損傷した燃料棒を原子炉から除去するだけでも2年以上かかる。作業がずれ込めば費用も増加する」と予想した。(ブルームバーグ Shigeru Sato、Yuji Okada)
(SankeiBiz 2011.4.1 05:00)

また2002年の記事に<原子力発電所の廃炉コスト>と言うのがあった。一部を抜粋するが、私の単純計算のほぼ10倍の費用に見積もられている。

この記事を元に考えると、約50基の原子力発電所の廃棄物を含めた処分費用が約26兆6000億円ということは、1基当たり「5320億円」。これには運転中に発生する廃棄物処分費用も含まれますが、原子力発電所の廃炉コストは「数百億円」ではすまないのは確実です。