日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

世界最強「核事故対応機動部隊」の創設を 追記あり

2011-04-01 18:40:11 | Weblog
知らぬが仏とはよく言ったものである。今回の福島原発事故で明らかになったことの一つに、わが国には強い放射能環境下でも作業可能な放水車やポンプ車、さらにはロボット注水・放水車に重装備の防護服などに護られた「特殊機動隊」のようなものが整備されていなかったと言うことである。福島原発に放射能防御の作業車両がなかったのかでも《日本中の原発のどこにも放射能防御作業車両が無いのだろうか。もしそうならこれは「想定外」で決して許されることではない。恐らく「秘密兵器」なのであろうが、今からでも遅くない、米軍、露軍に緊急配備して貰ったらどうなのかと思う。》と述べ、さらに福島第一原発に即刻米軍専門部隊の投入を!と叫んだ。3月18、19日のことである。それから10日以上経ち、今日の産経ニュースが次のように報じた。

原発事故支援へ、米軍部隊「シーバーフ」 化学・生物兵器のプロ
医療・除染・復旧も担当

 東日本大震災に伴う福島第1原発事故の深刻化を受けて、米軍から派遣される「化学・生物兵器事態対応部隊(CBIRF=シーバーフ)」は、米本土での核・生物・化学テロなどを想定して訓練を積んできた。米国内でも厚いベールに包まれてきた部隊が日本で起きた未曽有の原発事故という“有事”にいかに能力を発揮するか注目されている。(田中靖人、ワシントン 佐々木類)

 シーバーフは平成7(1995)年の地下鉄サリン事件を受けて1996年4月に設置された米軍で唯一常設の化学・生物兵器事態への即応能力を持つ約500人の部隊だ。

 現在は、2001年の米中枢同時テロを受けて米本土防衛を主任務に創設された米北方軍(コロラド州)傘下の特殊部隊「CCMRF(シースマーフ)」に所属している。

 シースマーフは、陸、海、空、海兵隊の4軍で構成された1個旅団規模の統合特殊部隊(約4700人)。バージニア州フォートモンローの米陸軍基地などで、核攻撃や原発へのテロ攻撃、生物、化学兵器テロや原発事故などを想定した訓練を続けている。

 具体的には、被災地の自治体や民間の病院などと連携しながら、高濃度汚染地域からの被災者の救出・搬送、汚染源の特定と汚染濃度の観測、要員・部隊の除染などに従事する。がれきの除去や移動経路の建設、物資輸送など被災地の復旧活動も担う。

 有事の際にシースマーフの初動部隊として出動するシーバーフは2個の初期対応部隊で構成され、各部隊には偵察チーム、被災者捜索・救出チーム、医療チーム、除染チーム、爆発物処理チームがある。今回日本に約140人が派遣されるが、実際の放射能汚染下での行動は初めてとみられ、現在、自衛隊との具体的な連携方法を詰めている。
(2011.4.1 08:04)

企業によっては自衛消防隊を設置しているところがあるので、私はその感覚でとくに核燃料を扱う特殊性から、各原子力発電所には放射性物質で汚染された状況下でも作業ができる特殊な消防隊というか作業班があるものだと思い込んでいた。その思い違いに気がついたことを原子炉を作った人と動かす人で述べたところである。火事になれば原子力発電所も消防署に電話をかけるのである。現に3月30日に福島第二原発1号機のタービン建屋から煙が上がったときにもまずは消防署に通報したいるである。

福島原発事故への対応で世界に醜態を曝した何もかも「ないない尽くし」は、間違いなく政府の責任であると思う。原発反対運動が福島原発事故を拡大させた?で私は次のように述べた。

今回の自衛隊、消防隊、警察、さらには消息が流れてこない米国専門部隊を合わせての装備・機材を大きく上回る世界最強の原発危機鎮圧隊の創設を真剣に考えるべきであろう。日本で稼働中の原発すべてを即刻運転停止に出来ないとすれば、これしか考えられる対策は無い。
今からでも遅くない。「核事故対応機動部隊」を一刻も早く創設すべきで、自衛隊の中に設けるのが現実的であろうと思う。

日本でかりにすべての原発を廃止したとしても、施設をそのまま放置することは出来ない。原子力発電所「Yankee Rowe」の静かな終焉とくらべてでも述べたように原子炉一基を解体撤去する費用が6億800万ドルかかっている。これを7億ドルとして1ドル=80円だと560億円になる。日本には現在50数基の原子炉があるから50基として2兆8000億円になる。また「使用済み核燃料保存設備」の維持に単純計算で800万ドルx50=4億ドル、すなわち320億円かかることになる。原子力発電所を廃止するにも大金がかかるのである。「核事故対応機動部隊」の創設にいくらなんでもそれほどはかかるまい。

原子力発電所の存廃はいずれ取り沙汰されようが、当面運転を続けざるを得ないとすると今こそ今回の事故を教訓に、世界最強の「核事故対応機動部隊」を日本が創設すべきであろう。蓮舫さんにまた蒸し返されるかも知れないが、これは日本の意地でもある。

追記(4月2日)

上の記事を投稿後、次の記事(抜粋)が目についた。

福島第1原発 廃炉に30年と1兆円

 日本原子力発電に13年間勤務し、東海村の原子炉廃炉にも携わった村上氏は「東電が4基の原子炉を廃炉にするのは議論の余地がないことだろう。費用はおそらく1兆円を超えるだろう。損傷した燃料棒を原子炉から除去するだけでも2年以上かかる。作業がずれ込めば費用も増加する」と予想した。(ブルームバーグ Shigeru Sato、Yuji Okada)
(SankeiBiz 2011.4.1 05:00)

また2002年の記事に<原子力発電所の廃炉コスト>と言うのがあった。一部を抜粋するが、私の単純計算のほぼ10倍の費用に見積もられている。

この記事を元に考えると、約50基の原子力発電所の廃棄物を含めた処分費用が約26兆6000億円ということは、1基当たり「5320億円」。これには運転中に発生する廃棄物処分費用も含まれますが、原子力発電所の廃炉コストは「数百億円」ではすまないのは確実です。





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