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日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

福島第1原発:警戒区域に高齢者の残留を認めるべきでは?

2011-04-20 22:23:49 | Weblog

毎日新聞の記事(抜粋)である。

福島第1原発:警戒区域設定表明へ 首相、21日福島入り

 菅直人首相は21日、東日本大震災で被災した福島県を訪れ、同県の佐藤雄平知事と会談する。東京電力福島第1原発から半径20キロ圏内について、立ち入り禁止や退去を命令できる「警戒区域」とする政府方針を直接説明し、地元の協力を求める考えだ。首相は、20キロ圏内の住民が避難している同県郡山、田村両市の避難所も訪問する。

 警戒区域の設定は、福島県が政府に要望していた。枝野幸男官房長官は20日の記者会見で、警戒区域設定について「地元自治体などと検討を進めている」と述べた。

 政府は20キロ圏内の避難住民が、家財などを持ち出すための一時帰宅を認める方向で最終調整中だが、帰宅後に退去を拒む人が出ることを想定し、退去を指示する法的根拠を整えるために警戒区域を設定する方針だ。警戒区域の設定は災害対策基本法に基づいており、退去を拒んだ場合は10万円以下の罰金などが科せられる。枝野氏は会見で、警戒区域設定と一時帰宅について「裏表みたいなところがある」と述べ、一体という認識を示した。
毎日新聞 2011年4月20日 最終更新 20時42分)

一方、次は米国エネルギー省が4月18日に発表した実測データにもとづく図表で、一年間その地域に住み続けたとしてどの程度の放射線量を吸収するかを示したものである(この図表に関してはまた改めて取り上げる)。


線量はレム(rem)で表示されているが、100 rem = 1Svであるので、図表の数値を100で割るとシーベルトになる。年間吸収線量が20ミリシーベルト以上の地域は30キロ圏内ではほぼ4分の1強である。米国内での平均年間吸収線量は6.2ミリシーベルトなので、ほぼその3倍になる。また20ミリシーベルト以上の地域と言ってもこれは24時間中屋外に出ていての値であるから、屋内で多くの時間を過ごすことを考えると、実際の吸収線量はかなり減少するはずである。また米国の原子力発電所で作業する人の年間許容線量は50ミリシーベルトとされている。

このように考えると、最高吸収線量の値が分からない20ミリシーベルトを超える地域以外では、30キロ圏内でも現在の状況が続く限り、放射能にことさら怯えなくてもよさそうである。とは言っても生殖年齢の世代までは杞憂も含めて心配することもあるだろうから、警戒区域と指定された地域に残ることは抵抗があるかも知れない。しかし高齢者は高齢であればあるほど、この程度の放射能に曝された影響を気にすることは無いと言ってもよかろう。したがってもし高齢者が家に残留を希望するのであれば、それを認めるべきであると思う。ライフラインが整っていなければ現実に生活するのは難しいので、最低限は電気と水の供給が欲しいところであるが、知恵を働かせば現実的な対応は可能になるのではないか。高齢者は住み慣れた家で生活を送り、そのことが家族にも安堵感を与えることになるであろう。見方によれば、高齢者が放射能最前線で自分と家族の、そして地域の生活基盤を護る戦士ともなるのである。なんと生き甲斐のあることだろう。そのためにも警戒区域に希望すれば高齢者を残留させる術を積極的に講じるべきであると思う。