東京電力が昨日原子炉冷温停止まで6~9カ月との見通しを発表した。要点はasahi.comによると次のようである。
ところが今日になってこのニュースである。
なんだかおかしい。原子炉建屋内は放射能が高くて人間が入れないので今回始めて米国製の遠隔操縦ロボットを使って、建屋内部の放射能などを測定して人間が入れる環境かどうかを調べることになったはずである。まだ原子炉建屋内部の状況すら把握されていない状態で、どうして上の記事のように、第1段階で確実に原子炉を冷却し、放射性物質の放出を減少に向かわせるのに3カ月程度かかる、なんてことが言えたのだろう。わけが分からない。
燃料棒損傷率にどのような意味が?(4月9日)で次のような意見を述べた。
それが今日になって原子力安全・保安院が次のように発表した。
私は以前に原子力安全・保安院をでくの坊と称したが、またもやそれを裏付ける事実が現れた。
♪あ~~ああ やんなっちゃった あ~んあああ おどろいた♪
工程表によると、第1段階(ステップ1)で、確実に原子炉を冷却し、放射性物質の放出を減少に向かわせるのに3カ月程度かかる、とした。第2段階(ステップ2)では、原子炉を100度未満の安定状態に保つ「冷温停止」にし、放射性物質の漏出を大幅に抑えるのに3~6カ月程度かかる、との目標を示した。
(2011年4月17日20時56分)
ところが今日になってこのニュースである。
2号機原子炉建屋、米国製ロボットで調査
東京電力は18日、福島第一原子力発電所2号機の原子炉建屋に米国製の遠隔操作ロボット「パックボット」を入れ、内部の放射線量などの調査を行ったと発表した。
同日午後1時40分から約50分間をかけて実施した。
ロボットは米アイロボット社が提供。東電社員らが映像を確認しながら操作、マジックハンドで建屋入り口の扉を開けて進入した。2号機内部の調査は、燃料棒が完全露出する危機が起きた3月14日以降、約1か月ぶり。東電で放射線量のほか温度や湿度、酸素濃度などの分析を進めている。
2号機は格納容器の圧力抑制室が損傷しており、東電が公表した事故処理の工程表では、約3か月後をメドに損傷部を密閉する計画。ただ、17日に行った1、3号機原子炉建屋の調査では、それぞれ最高で毎時49ミリ・シーベルト、同57ミリ・シーベルトと、人間の作業が困難になるほどの高い放射線量を測定した。2号機からは高濃度の放射性物質を含む汚染水が漏れ出しており、線量は1、3号機を大幅に上回る可能性があり、測定結果次第では、工程に影響を及ぼすことも考えられる。
東京電力は18日、福島第一原子力発電所2号機の原子炉建屋に米国製の遠隔操作ロボット「パックボット」を入れ、内部の放射線量などの調査を行ったと発表した。
同日午後1時40分から約50分間をかけて実施した。
ロボットは米アイロボット社が提供。東電社員らが映像を確認しながら操作、マジックハンドで建屋入り口の扉を開けて進入した。2号機内部の調査は、燃料棒が完全露出する危機が起きた3月14日以降、約1か月ぶり。東電で放射線量のほか温度や湿度、酸素濃度などの分析を進めている。
2号機は格納容器の圧力抑制室が損傷しており、東電が公表した事故処理の工程表では、約3か月後をメドに損傷部を密閉する計画。ただ、17日に行った1、3号機原子炉建屋の調査では、それぞれ最高で毎時49ミリ・シーベルト、同57ミリ・シーベルトと、人間の作業が困難になるほどの高い放射線量を測定した。2号機からは高濃度の放射性物質を含む汚染水が漏れ出しており、線量は1、3号機を大幅に上回る可能性があり、測定結果次第では、工程に影響を及ぼすことも考えられる。
(2011年4月18日21時53分 読売新聞)
なんだかおかしい。原子炉建屋内は放射能が高くて人間が入れないので今回始めて米国製の遠隔操縦ロボットを使って、建屋内部の放射能などを測定して人間が入れる環境かどうかを調べることになったはずである。まだ原子炉建屋内部の状況すら把握されていない状態で、どうして上の記事のように、第1段階で確実に原子炉を冷却し、放射性物質の放出を減少に向かわせるのに3カ月程度かかる、なんてことが言えたのだろう。わけが分からない。
燃料棒損傷率にどのような意味が?(4月9日)で次のような意見を述べた。
それにしては30%の損傷率とされた燃料棒の壊れ方が、単に被覆菅が損傷しただけとは考えにくく、燃料棒そのものの溶融を視野に入れざるを得なくなる。確かに《溶融など燃料の状態までを示すものではない》と言われればそれまでであるが、「被覆の剥がれ」と「溶融」を区別出来ない損傷率の数値だけが一人歩きすることが、かえって「溶融」の危険性を覆い隠すことにもなりかねない。
それが今日になって原子力安全・保安院が次のように発表した。
燃料棒の溶融、保安院が初めて認める 内閣府に報告
福島第一原発1~3号機の核燃料棒は、溶けて形が崩れている、との見方を経済産業省原子力安全・保安院が初めて示した。18日に開かれた内閣府の原子力安全委員会に報告した。保安院はこれまで、燃料棒が損傷した可能性は認めていたが、「溶融している」との見解を公式には明らかにしていなかった。
保安院は、核燃料の表面を覆っている金属の被覆管が傷つき内部の放射性物質が放出されることを「炉心損傷」、内部の燃料が溶け出して形が崩れると「燃料ペレットの溶融」、溶けた燃料が下に落ちるのを「メルトダウン」とした。
そのうえで、検出された放射性物質の成分などから、1~3号機とも「燃料ペレットの溶融」が起きていると推測。さらに、制御棒などと一緒に溶けた燃料が落下、下にたまった水で冷やされて再び固まり、水面に露出している、との見方を示した。ただし、どの程度溶けているかは「実際に燃料を取り出すまでは確定しない」とした。
安全委の代谷誠治委員は「炉内の状況について保安院から話があったのは今日が初めて。報告の頻度を高めてほしい」と苦言を呈した。(小宮山亮磨)
福島第一原発1~3号機の核燃料棒は、溶けて形が崩れている、との見方を経済産業省原子力安全・保安院が初めて示した。18日に開かれた内閣府の原子力安全委員会に報告した。保安院はこれまで、燃料棒が損傷した可能性は認めていたが、「溶融している」との見解を公式には明らかにしていなかった。
保安院は、核燃料の表面を覆っている金属の被覆管が傷つき内部の放射性物質が放出されることを「炉心損傷」、内部の燃料が溶け出して形が崩れると「燃料ペレットの溶融」、溶けた燃料が下に落ちるのを「メルトダウン」とした。
そのうえで、検出された放射性物質の成分などから、1~3号機とも「燃料ペレットの溶融」が起きていると推測。さらに、制御棒などと一緒に溶けた燃料が落下、下にたまった水で冷やされて再び固まり、水面に露出している、との見方を示した。ただし、どの程度溶けているかは「実際に燃料を取り出すまでは確定しない」とした。
安全委の代谷誠治委員は「炉内の状況について保安院から話があったのは今日が初めて。報告の頻度を高めてほしい」と苦言を呈した。(小宮山亮磨)
(asahi.com 2011年4月18日21時32分)
私は以前に原子力安全・保安院をでくの坊と称したが、またもやそれを裏付ける事実が現れた。
♪あ~~ああ やんなっちゃった あ~んあああ おどろいた♪