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日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

どっちもどっちのNHK会長人事 NHKを国営化してしまえば・・・

2011-01-12 14:42:30 | 社会・政治
NHK経営委員会が慶応義塾前塾長の安西祐一郎氏にNHK会長への就任を要請したのにも拘わらず、その後会長就任を内諾した安西氏に就任要請撤回の意向を伝えたところ、今度はこれに反発した安西氏がみずから就任を拒否したとかでマスメディアが騒いでいる。

安西氏が会長就任を内諾した一方、次のような情勢変化があったらしい。

 ところが安西氏の受諾後に、会長就任にあたって「交際費の使用」「副会長を連れて行く」「都内に部屋を用意する」の3条件がついたという話がNHK関係者の間に広まった。一部の委員は「責任を持って推すことはできない」と難色を示し、推薦の経緯をめぐる小丸委員長への批判も出てきた。

 経営委は5日に非公式の会合を開き、安西氏から直接、話を聞いた。安西氏は「3条件は虚偽の情報」と全面的に否定した
(asahi.com 2011年1月11日4時0分)

安西氏は「3条件は虚偽の情報」と全面的に否定したとのことであるが、MSN産経ニュースには、次のような安西氏と報道陣との一問一答の記事がある。

 --10日に小丸成洋委員長らからはどんな説明が

 「私についての風評がいろいろあり、風評が正しいか間違っているかは分からないが、風評が立つこと自体が困るということだった。こちら側としては(就任を)辞退してほしいということだったと理解している」

 --会長職受諾に当たり条件を付けたと報じられた

 「例えば、住む所や交際費について、そういうものがあるのか伺った。私は大学勤めでそういうことを全く知らない。ただ、これは条件を付けたということでは全くない」
(2011.1.12 00:45 )

火のないところに煙は立たぬ、ではないが、安西氏が住む所や交際費について、そういうものがあるのか伺ったことは事実であるらしい。安西氏には申し訳ないが、「なんて小っちゃな人」というのが私の偽らざる印象であった。駆け出しのサラリーマンではあるまいし、天下のNHKをリードすべき人物が語るべきは先ず仕事に対する抱負であって、それが経営委員会にいかに支持されるかかを見極めることこそ最重要の課題であろう。住む所がどうなるとか、交際費がどうだとか、会長職に就けば自然となるようになる。すでに慶応義塾塾長という輝かしい要職を立派に?果たした人物である。生活に困るわけでもなし、後は手弁当で奉仕するぐらいの覚悟があってしかるべきであろう。私がかりに経営委員会のメンバーであるなら、「交際費の使用」「副会長を連れて行く」「都内に部屋を用意する」がたとえ条件でなくても、就任前にこのようなことを口にしたというだけで即刻会長就任をお断りすることだろう。

一方のNHK経営委員会であるが、実際の経緯がどうであれ、いったん会長就任を要請した後でそれを取り消したことは事実である。誰が見ても真面目な仕事ぶりとは思えない。ところがなんとこの経営委員会のメンバーはボランティアではなく、結構な報酬を受け取っているのである。今日のasahi.comは次のように伝えている。

 ◆NHK経営委員会 放送法により、その設置および権限、組織、任免、報酬が規定されており、NHKの経営方針や業務の運営に関する重要な事項を決定する。定例会議を原則月2回開催し、執行部から提案された経営の重要事項について協議し、議決を行うほか、NHK会長の任免と、副会長や理事の任免の同意を行う。委員は12人で構成され、内閣総理大臣が任命する。任期は3年。報酬は常勤、非常勤で異なり、委員長は年間約3192万円(非常勤は約633万円)。委員は約2256万円(非常勤は約506万円)となる。

 ◆NHK会長の処遇 月額211万円で、各期末報酬が330万円。期末報酬は業績評価の結果によっての増減があり、平均すると年俸3200万円ほどだ。交際費は、12人の役員交際費として上限2500万円あり、会食費、土産代、慶弔費などに使用される。21年度は1500万円強だった。会長用の住居及び、住居手当などはない。送迎は、NHKから家までの移動、公的な業務のみ車が用意される。もちろん個室があり、3人の秘書が付く。任期は3年。

委員の常勤と非常勤が職務上どのように区別されるのかは分からないが、かりに月2回の定例会議のみに出席するのを非常勤委員とすると、年間24回の出席で506万円ということなのだろうか。われわれの聴取料から払われていると思うと勿体ない。それにしても分からないのは、委員長の報酬が常勤と非常勤で分かれていることである。金額が異なるのが分からないのではなくて、委員長の職務が常勤でも非常勤でも支障なく務まるということが、素直には理解出来ないのである。それほど軽い仕事ということなのであろうか。それにしても今回の杜撰な仕事の言い訳にはならないことを銘記すべきであろう。

現在の委員の顔ぶれは経営委員一覧で知ることができるが、いったいどういう資格が重視されて選ばれたのか門外漢の私には分からないが、私の目には大相撲の横綱審議委員会の顔ぶれと同じように見える(ただしこちらは無報酬)。さらにこの顔ぶれでどんな実務がこなせるというのであろう。ただの素人集団ではないのか。今回のNHK会長の任免にかかわるゴタゴタがその無能ぶりを実証していると言える。

ところでNHK会長であれ経営委員会であれ、こういうものは組織を改めれば不要になる。実は私はかねてから以下の過去ログでNHK国営化論を唱えているのである。

NHKを国営化して政府・政権党の報道機関に
NHKは民営化ではなく国営化を
みたび『NHKは民営化ではなく国営化を』

何を今さら国営化をとお思いであろうが、それなりのメリットを数々挙げているので、興味を持たれる方はお目通しいただきたい。国営化ではないが、現在でもNHK会長人事が総務省主導で行われている現実がある。今朝の読売は社説で《問題は、その「条件」以前に、経営委員会の小丸成洋委員長が総務省主導とされる安西氏起用案に沿って、独自に人事を進めた点にあったのではないか》と指摘し、産経ニュースは《関係者によると、安西氏の起用は片山善博総務相の後押しがあったとされる》と伝えて、総務省の積極的な関与を浮かび上がらせている。NHK国営化でこのような手間の省けるメリットもある。