日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

宮中歌会始 菅第二次改造内閣 The Perfect Storm

2011-01-14 19:29:15 | 社会・政治
午前11時前、内閣改造のニュースでもあるかなとNHKテレビをつけたところ、宮中歌会始の様子が流れていたのでそれに釘付けになった。ちょうど一般詠進歌が披露されていたが、藤原鎌足(ふじわらかまたり)のように、詠進者の名前が姓と名の間に「の」を入れて読み上げられているのが浮世離れしていて印象的だった。そういえば常陸宮は「まさひとのみこ」だし東宮は「ひつぎのみこ」で東宮妃が「ひつぎのみこのみめ」と古めかしいがなかなか趣があってよい。宮内庁のホームページで「歌会始」を見ると、

毎年1月の歌会始の儀では,天皇皇后両陛下の御前で,一般から詠進して選に預かった歌,選者の歌,召人(めしうど)の歌,皇族殿下のお歌,皇后陛下の御歌(みうた)と続き,最後に御製(ぎょせい)が披講(ひこう)されます。皇太子殿下をはじめ皇族方が列席され,文部科学大臣,日本芸術院会員,選歌として選ばれた詠進者などが陪聴します。

この儀式は,読師(どくじ)(司会役),講師(こうじ)(全句を節をつけずに読む役),発声(はっせい)(第1句から節をつけて歌う役),講頌(こうしょう)(第2句以下を発声に合わせて歌う役)の諸役によって進行されます。

とあるように、講師が歌の区切りの語尾を長く伸ばして詠み上げると間髪を入れず発声が歌い始め、講頌がそれに和す。このように短歌に節をつけて詠み上げることを披講というそうだが、実に優雅にして優美、こういう文化を持っている日本人であることが嬉しくなってしまう。国家元首」が新年に「歌会」を伝統の行事として催すなんて、世界でわが国だけではないだろうか。こういう伝統を大切にして、まさに万世に伝えていって欲しいものである。

正午からのNHKニュースで枝野新官房長官による菅第二次改造内閣閣僚名簿発表の実況中継があった。私が気になったのは江田五月前参議院議長が法務大臣になったことである。ご本人はそう思っていないのであろうが、参議院議長と言えば三権分立の立法府の長で、その地位と権威は行政府の長である総理大臣に比肩する筈である。その前参議院議長が総理大臣の下にある大臣に身を落とすとは、かって立法府の長としての自覚・矜恃なんてあったものではない。いくら人材不足の民主党とは言え、参議院とはせいぜいそんな程度の存在だと世間に喧伝しているようなものである。かねてから参議院無用論を唱えている私には心強い味方ではあるが・・・。

官房長官が46歳で史上最年少とか、それはよい。揉まれ叩かれて力強く成長して欲しいものである。当たり前のことながら、わが日本国の舵取りをするのは、当面この内閣以外にはないのである。好き嫌いはともかく、この自称「実務協力推進内閣」はなんとか頑張っているなと国民の目に映る実績をとにかく挙げて欲しいものである。

ところがこの後午後2時からケーブルテレビで観た「The Perfect Storm」がちょっと心に引っかかった。この物語はかなり評判が高かったので以前ペーパーバックスで読んだことがあるが、それが映画化されていたのである。


船主に尻を叩かれた船長を含めて6名の乗組員がカジキマグロ漁に出かけるが、豊漁にも拘わらず製氷機が動かなくなり早く港に戻らないと漁獲がふいになってしまう。ところが運悪く数々の気象条件が重なって、一世紀に一度ぐらいにしか発生しないといわれる巨大ハリケーン、これ以上大きなハリケーンが有り得ないという意味でThe Perfect Stormと呼ばれるのであるが、が前方を塞ぎにかかっている。漁獲をふいにしてもハリケーンをやり過ごして帰るか、それとも運を天に任してハリケーンのまっただ中を突っ切るかで、船長以下漁師魂を鼓舞しあいつつ後者を選ぶ。このハリケーンと闘う漁船乗組員の映画での描写と迫真の暴風シーンとが併せて評判となったのであるが、奮闘空しく最後に漁船は乗組員ともども沈没してしまう。この漁船の名が「Andrea Gail」。

引っかかるというのは菅第二次改造内閣がこの「Andrea Gail」のイメージと重なってしまったからである。