日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

厚労省崩壊を食い止めるために政務三役と職員の公開討論を

2010-07-28 23:47:20 | 社会・政治
気になるニュースが相次いで飛び込んできた。asahi.comの記事を時間順に並べると次のようになる。

残業、厚労省ダントツ 大臣の指示細かい…との声も

 中央省庁で昨年度、最も残業時間が長かったのは厚生労働省という調査結果を、霞が関国家公務員労働組合共闘会議(霞国公)がまとめた。月平均の残業時間は旧厚生省系、旧労働省系ともに70時間を超えた。自由記述では厚労省職員から「大臣の指示が細かく多くなった」と、政権交代の影響を指摘する声も上がったという。

 全体の平均残業時間は、前年度より3.5時間減の月32.8時間だった。最も長かったのが旧労働省系の73.4時間(前年度比7.1時間増)で、旧厚生省系は71.7時間(同0.5時間増)。経済産業省の45.9時間、国土交通省の旧運輸省系の39.7時間と続いた。
(2010年7月28日21時18分)

中央省庁で最も残業時間が長かったのがわが国の労働行政を統括する厚労省とは、その原因としていかなる理由があろうとも何とも様にならない話である。これは霞が関国家公務員労働組合共闘会議(霞国公)がまとめた結果であるが、この情況を別の形で裏付けるような調査結果が引き続き現れた。

「政務三役の指示に納得」1% 厚労省職員調査

 厚生労働省政務三役の指示に納得している職員は1%――。厚労省の本省職員を対象にしたアンケートで、政務三役に対する不信感が浮き彫りになった。政務三役の「おごり」を感じる職員も半数近く。長妻昭厚労相は省の目標で「おごりの一掃」を掲げるが、皮肉な結果が出た。 (中略)

 上司の評価は、課長級、局長級以上、政務三役など役職別に調べた。「現実的なスケジュール感の観点から、納得のいく指示が示されている」という評価は、課長級38%、局長級以上29%に対し、政務三役は1%。「厚生労働行政に対する思いやビジョンが伝わってくる」では、課長級が29%、局長級以上が31%で、政務三役は15%だった。一方、「おごりを感じる」のは、課長級、局長級以上ともに6%だったが、政務三役は48%に上った。
(2010年7月28日23時24分)

こちらは長妻厚労省大臣が厚労省改革のため省内公募した若手職員によるプロジェクトチームが6月に実施した調査結果である。長妻大臣としてはこの結果に従い厚労省改革に踏み切らねばならない立場に置かれているが、厚生労働省政務三役の指示に納得している職員は1%であるから、政務三役、すなわち大臣、副大臣、政務官が「厚労省改革」の名の下にいかなる指示を下そうと厚労省職員の心からの支持を当てにすることはできないのである。政治主導の実行当事者である政務三役が、いわばその部下である実行部隊に総スカンを食わされたのであって、この事実は厚労省が容易ならざる事態に陥っていることを示している。

ただ調査結果の数値のみでは国民の目に実態が見えてこない。事業仕分けのように政務三役と職員(代表)が国民の前で向かい合って、まず職員がなぜ指示が納得出来ないのかを具体的に述べ、それに政務三役がどう応えるのか、すくなくとも私はそれを自分の目で見極めたいと思う。もしこのような公開討論開催を政務三役が主導すれば、それ自体をまず国民は高く評価することだろう。国民に今厚労省で生じている政務三役と職員の乖離の実態を詳らかにすることが、問題解決の第一歩になること私は期待したいのである。