日々是好日

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楽天社内「公用語を英語に」 全社員対象、とは面白いが・・・

2010-07-01 21:41:42 | Weblog
楽天社内「公用語を英語に」 全社員対象、世界企業宣言

 ネット通販大手の楽天は30日の国際戦略説明会で、2012年度末までに英語を「グループの公用語」とする方針を表明した。全正社員約6千人が英語で意思疎通できるようにする。同社は海外展開を加速しており、三木谷浩史会長兼社長は「日本企業をやめ、世界企業になる」と宣言した。

 楽天は今年、幹部会議での発表や会議資料を英語にするなど、社内の「英語化」を進めている。これまでも英会話学校と提携して社員の習得を支援しており、今後は英語力を人事評価の項目にするという。
(asahi.com 2010年7月1日1時39分)

日本語に加えて英語も公用語にするのか、英語だけを公用語にするのか、その辺りのことが分からないし、一私企業がその企業内であるにせよ、日本国内で英語を使えないというか苦手な社員に不利益をもたらすような形で、このような取り決めをしてよいものやらどうやら、考え出すといろんな疑念も生じるが、一つの試みとしては面白いと思う。その一方で、私は必要に応じて英語を使うのは当たり前という環境に身を置いていたので、今さらこんなことがニュースになるなんて、という思いもある。

大学・研究所などで研究活動の活発なところほど国際交流も盛んである。しかし半世紀前は日本人が外国に出かけるのが普通で、外国人が日本にやって来て、それも滞在して研究活動に参加するのは稀であった。それがいつの間にか日本国内で外国人研究者の数も増え、国際共通語としての英語によるコミュニケーションが常態となっているのが現状であろう。仕事の最中に英語でやり取りするのはもちろんとして、研究室などで研究報告をするような場でもその中に外国人がおれば言葉は自然と英語に切り替わるし、さらには日常会話でも意識せずに英語が流れる。研究者の世界では外国人でも日本に来るからには日本語を習得してから来るべきだなんていう偏狭な考えはもともとない。あるのはその外国人を利用して英語をブラッシュアップしようとという前向きの姿勢であった。

私は戦後間もない昭和22年に中学校、昭和25年に高校に入学したが、客観的に見てもそんなに優秀な英語教師がいたとは思われない時代であった。それでも塾などに通って課外に英語を学ぶこともなく、学校英語だけで米国に留学して、恥をかきながらの実戦英語を学んだことが、その後の英語によるコミュニケーション力を支えたのだと思う。有難いことにそのお陰で現在でも日本語・英語を特に意識しない。だから私のブログではたとえば外国の新聞報道とか本からの引用も英文そのもので、とくに翻訳文を添えたりはしない。これまでの英語に対する姿勢がそのまま自然に出ているだけなのである。

それぞれ目指すところがあって英語力を必要とする企業では、社員にその必要性を覚らせることが第一であろう。そして必要なときはお互いが自然と英語でコミュニケートする。それさえ出来れば何も職場から日本語を排除することはなかろうと思う。しかしこのご時世である。別の解決法もあるのではなかろうか。もし頭で考えたことがスイッチ一つで英語や中国語や、ありとあらゆる言葉になって胸元の小型スピーカーから飛び出す。日本人のスピーカーから英語が飛び出し、それに答える米国人のスピーカーからは日本語が飛び出す。誰かこのような究極の?翻訳機を開発して三木谷浩史会長兼社長の鼻を明かしてやったらどうだろうと思ったりもする。