以前、草花の種をもらった記憶があるんです。
可愛らしい花の種なので、「いずれ蒔こう。」と、自分の部屋のどこかに直しておいたんです。
もう4月。
種の蒔く時期が近づいています。
しかし、その種をどこへ直したか、忘れてしまいました。
部屋の中をいろいろ調べるにも、全く記憶がないのです。
きっちりした記憶は、その種を、「時期が来たら蒔こう。」という事だけ。
こんなにも記憶が飛んでしまうのは久しぶりです。
まだ、猶予があります。
しばらくは、部屋を片付けながら、必死で種を探すことになります。
今日はいい天気。
だから余計に種の行方が気になります。
絶対に私の部屋のどこかにあるはずなんです。
そんなに広い部屋ではないので、きっと見つかるはずです。
記憶って、あいまいなのがみそなんですよね。
何でも覚えていたら、悲しいことも、寂しかったことも忘れずに、ずっと引きずってしまいます。
適度に覚えて、適度に忘れる。
これが真髄だと、自分に言い聞かせています。