「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「小菊の秋 その6」

2014-11-17 00:31:04 | 和歌

   紅色(くれないいろ)の小菊の、色のグラデーションが誠に見事であった。



 この小菊の花の色を、画家であればどの様な絵具で描くのだろうか?

 絵の心得や絵具などには素人の虚庵居士は、「和色大辞典」のお世話になって、様々な色を比べてみた。赤・紅・緋・茜色等々、赤系統の色でも微妙な違いが様々だ。しかも、明度や彩度の違いによって、素人の目に映る印象は千変万化だ。

 小菊の花の色は? との単純な問いに応えるのは、並大抵でないことを思い知らされたが、今までにない別の愉しみが体験できた。明るい紅色(くれないいろ)の彩度を薄目にすれば、この小菊の花の色に近いのかな・・・、と思われた。
プロの目からすれば、また別の色を選ぶのだろうか? 彼らは絵具を混ぜて、自分の好みの色合、自分なりのイメージを表現する高度な技を磨いているので、奥の深いものが表現できるのであろう。

 小菊の紅色に見惚れてカメラに収め、ブログへの掲載に際してはまた別なお遊びを堪能させて貰った。更に、万葉の時代に倣って長歌と反歌を試みて、愉しんだ。


           秋晴れの

           陽ざしをうけて紅の

           小菊の花は様々に

           花弁の色の表情を

           変えるは己の心をば

           くれない色に 託すらむ

              見惚れるじじは

                小菊を想ひぬ


              
           紅の

           小菊は花びらさまざまに

           色合い変えて金色の

           蕊を囲みて相共に

           秘めにし滾る思ひをば

           如何にや伝えむあの人に

              酌んでまほしき

                小菊の想いを


           語らずも滾る思ひを君酌むや

           乱るる花弁の紅色に