「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「小菊の秋 その3」

2014-11-09 02:38:16 | 和歌

 黄金色の小菊が、周りまでも明るく照らすかの様に咲いていて、目を瞠った。



 小菊の花の明るさは、白菊が明るく見えるのは当然だが、黄金色の小菊がそれ
以上に明るく見えるのは、面白い現象だ。 秋の透明な陽ざしを受けて、黄金色の
小菊は輝くかのように光を反射して、眩いばかりだ。

 我々の人間社会でも、これと
よく似た現象がみられる。
色白の方の顔は、常に明るいかといえば必ずしもそうではない。浅黒い皮膚の男であっても、
にこやかな表情は本人のみならず、周りの皆さんも何時の間にか明るい雰囲気に誘われるのが常だ。笑顔に加えて朗らかなお喋りや笑い声が、その場を更に明るくするのだ。

 小菊の花の明るさは、黄金色の持つ不思議な特性によるが、人間の明るさは産れつきの性格もあるが、本人が培った明朗で豊かな人格がものを言うようだ。

 赤い小菊も寄り添って、黄金色の小菊の笑い声が聞こえる様に思われた。




           澄み切った秋空のもとに咲く金色の

           小菊は明るく輝くばかりぞ


           金色の小菊は何れも同じかと

           思えど株ごと 豊かな個性は


           明るさを人の世界に置き換えて

           あれこれ思ひぬ 小菊の花見て


           紅花の小菊も寄り添う金色の

           小菊の笑いの声聞く心地す


           立ち止まり 寄り添うじじ・ばば小菊らの

           香りを愉しむ今日のお散歩







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