バグダッドでの従軍だが、予期せぬ結末を迎えることになった。
これまで取材してきた部隊から、従軍中止命令をだされてしまったのだ。
このプロジェクトは、僕とアーマーという記者がイラクにいる米軍兵士を取材し、もう一組のカメラマンと記者がアメリカ国内で彼らの家族を担当するというチーム・プロジェクトだったのだが、どうやらこの家族担当の記者がある質問をして部隊のトップを怒らせてしまったようなのだ。
わざわざバグダッドまで来て、部隊の兵士達と合流する前夜になっての突然の取材中止命令。。。唖然とした僕らはなんとか部隊と交渉し食い下がったが決定を覆すことはできなかった。
さらに情けないことに、部隊のトップを怒らせた質問というがなんともくだらないものなのだ。それは、イラクに出兵している兵士達の妻の間で、「浮気をしている妻のリスト」が出回っているという噂話についてのものだった。こんな噂話の真偽を確かめるために、記者は大佐の妻を含めた兵士達の配偶者たちにこのリストについて尋ねたという。
質問に立腹した配偶者達が苦情を申し入れ、これが数日前にイラクにいる部隊のトップの耳にはいってきたらしい。
「ゴシップ紙でもあるまいし、なんでこんな馬鹿げた質問をするんだ。。。それも大佐の妻にまで。。。」
はじめこの話を聞いたとき、僕はあいた口がふさがらなかった。そして、記者と部隊の両方に対してなんともいえぬ怒りがこみ上げてきた。
本来ならその内容がどうあれ、「質問をする」行為自体に問題はないはずだ。記者には質問をする権利があるし、部隊にはそれに対して「答えない」権利があるからだ。軍の機密を漏らすなどの従軍規則に違反したわけでもなく、「浮気妻のリスト」のことを記事にして発表したわけでもないので、たかが記者の質問くらいで部隊が僕らの従軍を中止する正当な理由はない。
しかし現実的にはイラクでの兵士の取材というのは軍の許可がなければ不可能だし、理由が正当であろうがなかろうが、軍が駄目だといえばそれまでなのだ。
今年6月からこれまでイラクに3度も出向き相当の時間と労力を割いておこなってきたプロジェクトだけに、こういう終わり方をするのは非常に残念だ。部隊のなかでもこの決定について賛否があるようだし、トリビューンでもワシントン支局長を中心に交渉を続けているようだが、頭の固い軍のことだ。恐らく一度だされた従軍中止の決定が覆されることはないだろう。
こういうわけで、僕らとしても何もせずに手ぶらでアメリカに戻るわけにもいかず、とりあえずここ数日は全く他の部隊に従軍して、単発の取材を続けている。
これまで取材してきた部隊から、従軍中止命令をだされてしまったのだ。
このプロジェクトは、僕とアーマーという記者がイラクにいる米軍兵士を取材し、もう一組のカメラマンと記者がアメリカ国内で彼らの家族を担当するというチーム・プロジェクトだったのだが、どうやらこの家族担当の記者がある質問をして部隊のトップを怒らせてしまったようなのだ。
わざわざバグダッドまで来て、部隊の兵士達と合流する前夜になっての突然の取材中止命令。。。唖然とした僕らはなんとか部隊と交渉し食い下がったが決定を覆すことはできなかった。
さらに情けないことに、部隊のトップを怒らせた質問というがなんともくだらないものなのだ。それは、イラクに出兵している兵士達の妻の間で、「浮気をしている妻のリスト」が出回っているという噂話についてのものだった。こんな噂話の真偽を確かめるために、記者は大佐の妻を含めた兵士達の配偶者たちにこのリストについて尋ねたという。
質問に立腹した配偶者達が苦情を申し入れ、これが数日前にイラクにいる部隊のトップの耳にはいってきたらしい。
「ゴシップ紙でもあるまいし、なんでこんな馬鹿げた質問をするんだ。。。それも大佐の妻にまで。。。」
はじめこの話を聞いたとき、僕はあいた口がふさがらなかった。そして、記者と部隊の両方に対してなんともいえぬ怒りがこみ上げてきた。
本来ならその内容がどうあれ、「質問をする」行為自体に問題はないはずだ。記者には質問をする権利があるし、部隊にはそれに対して「答えない」権利があるからだ。軍の機密を漏らすなどの従軍規則に違反したわけでもなく、「浮気妻のリスト」のことを記事にして発表したわけでもないので、たかが記者の質問くらいで部隊が僕らの従軍を中止する正当な理由はない。
しかし現実的にはイラクでの兵士の取材というのは軍の許可がなければ不可能だし、理由が正当であろうがなかろうが、軍が駄目だといえばそれまでなのだ。
今年6月からこれまでイラクに3度も出向き相当の時間と労力を割いておこなってきたプロジェクトだけに、こういう終わり方をするのは非常に残念だ。部隊のなかでもこの決定について賛否があるようだし、トリビューンでもワシントン支局長を中心に交渉を続けているようだが、頭の固い軍のことだ。恐らく一度だされた従軍中止の決定が覆されることはないだろう。
こういうわけで、僕らとしても何もせずに手ぶらでアメリカに戻るわけにもいかず、とりあえずここ数日は全く他の部隊に従軍して、単発の取材を続けている。
戦地に行くということは
命を懸けて行かなくては行けない覚悟と待っている者にとっても何時最愛の人が失うかもしれないとの覚悟があってこそなのに下世話な質問には憤慨してしまうのでしょうか、、、
自分の立場だったらと考えると(もしその家族だったら)やはりいい気持ちはしないですね^^;;
それと現地の取材と結びつけてしまったのでしょうか?
単発の取材は続けられているとのこと。月並みですが、がんばってください! 心から応援してます。
^^
今までの分を使えないわけではないのですよね?
最初の企画とは別の切り口ができるかもしれませんね。
がっかりが伝わります。
それは残念ですね~~。
愛情、感情的交流のある生活は大切です。
戦争ではそれが妨げられますよね。
浮気の真偽やリスト云々はともかく、
この話題が出るのは兵士達の家族との愛情生活が脅かされている、潜在的可能性を示唆しているのではと感じました。
少なくとも女性や家族にとっては、「くだらなく」ありません。
心優しい夫、お父さんも、戦地では違う顔になってしまっているのは怖いです。
兵士さんたちの犠牲感(夫婦、家族交流が犠牲になっている)という一番痛いところをつかれたような気もしました。
それにしてもKuniさんにしてみればとばっちりで残念ですね。
まさに撮る、ということはこういうことですよね。
被写体側に巻き込まれてしまうというか。
世間では逆だと思っているかもしれないけれど、
私など被写体に良くも悪くも
完全に振り回されてるよなあといつも思います。
それが歴史の遺物でも、です。
士気が下がってしまいますよ
軍が怒るのは当然でしょ
部隊の兵士だって配偶者から
「シカゴトリビューンからこんな質問をされた!」
と聞かされたら高橋さん達を良くは思わないでしょう
家族担当記者が何故そんな質問を
したのか知りませんが
連帯責任という事で諦めるしかないのでは?
浮気妻リストなどというものを話題にすること自体不謹慎の部類ですし,聞いて回った,果ては大佐夫人にまでとは,あまりに侮辱的です。
「頭の固い軍」なんていう前に、その記者がどうして、そんな質問をしたのか。先ずは自分たちの側を追求するほうが先だと思う。そして取材する側に何ら落ち度がなかったのかを読者に明らかにすべき。基本的には取材される側への配慮に欠けている。
高橋氏が「浮気妻のリスト」の存在を「噂」の段階で、自身のブログで公表してしまうのもどうかなと思う。まあ、自ら「不謹慎」「傲慢」と豪語しているぐらいだから、当然の成行きなのかもしれない。
それと別件ですが、ソマリアの記事はもう終了でしょうか?
これで終わりとなると内容的に中途半端で、物足りない。
合計4回の連載のうち「高橋氏が見た現場」が精神病院の件だけで、他は伝聞によるものというのはバランス的にどうだろうか?
いみし。