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映画、Dr.パルナサスの鏡

 ヒース・レジャーの遺作、「Dr.パルナサスの鏡」を見てきた。実はあまり期待していなかったのだが、これぞ映画という素晴らしい出来であった。

Dr.パルナサスの鏡


 この映画は撮影中に主演のヒース・レジャーが亡くなり、完成が危ぶまれていたが、急遽ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが出演し完成したという。そんな事情でやっつけ仕事の映画かもしれないがヒース・レジャーの最後の作品なら見ないわけにはいかないと出かけたわけだ。

 悪魔との契約により不死を獲得したパルナサス博士の移動式劇場の見世物はイマジナリウムと呼ばれる鏡。この鏡の中に入るとその人の想像の世界を楽しむことが出来る。しかし不死を得た代償は大きい。博士の娘が16歳になった時悪魔に引き渡す約束になっていたのだ。

 その娘が16歳になる直前、悪魔はパルナサス博士に新しい賭けを提案する。この賭けに勝てば娘を守ることが出来る。偶然その命を助けることになった詐欺師のトニーの力を借りてパルナサス博士の戦いが始まる。

 こんなプロットだと重苦しい映画にもなりかねないが、この悪魔の性格付けが奇想天外なおかげでとても楽しい映画に仕上がっている。何しろ賭けに勝ちたくない悪魔。それでも自分の意図に反して賭けに勝ってしまうと、チッと舌打ちして新しい賭けを提案するわけだから、「こいつ、いい悪魔じゃないか」ということになる。

 トニーを演じているのがヒース・レジャー。鏡のこちら側のシーンは彼で撮り終えていたということで、鏡の中のトニーをジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルが演じている。

 映画の中で「物語が無くなればこの世は滅びる」という台詞があるが、まさしくこの映画は「ゼロから物語を作り上げたぞ」とテリー・ギリアム監督が大見得を切っているようなものだ。

 そして鏡の中の世界はイマジネーションの世界を見せてくれるのだが、やはり監督の「俺のイマジネーションの世界を見てくれ」というメッセージが伝わってくる。

 イマジネーションを積み重ね、ひとつの物語を作り上げたこの映画、もし私が映画を作るならこんな映画を作ってみたいと思うような映画だった。お勧めである。

 蛇足ながら付け加えると、この映画もエンドクレジットが終わるまで心静かに待って、それからおもむろに席を立つことをお勧めする。



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