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私の読書遍歴、幼児期からティーンエイジャー

 我が家では学習とは学校で行うものだった。

 したがって、幼稚園にも塾にも行かなかったので読み書きを覚えたのは小学校に入ってからである。やっとひらがなが読めるようになった、1年生の一学期が終わった時、ご褒美として本を2冊プレゼントされたのを鮮明に覚えている。

 残念ながら題名は覚えていないが1冊はお話、いわゆるフィクションでもう一冊は乗り物の絵本、ノンフィクションの本だった。文字の面白さに夢中になり、端からはしまで何度も読み返し、丸暗記してしまった。

 もっと読みたい。しかし、手元にあったのは教科書だけ。舐めるように教科書の文字を追い、50回も読むといかに鈍才でも覚えてしまう。塾に行ったこともなかったが、試験勉強をすることもなかった。

 小学校3年生になると毎月「子供の科学」を買ってもらうことができた。宣伝の載っている商業誌のレイアウトも楽しく、夢中で読んでいたが、そのうち文字への興味から製作記事へ興味が移り、ゲルマニュームラジオなどを作ったりした。文字がツールになった瞬間だ。

 子供の科学で引き出された興味はだんだん一つの方向に向かい、小学校5年生になると毎月買ってもらう雑誌は初歩のラジオに変わった。この雑誌もツールであり並3ラジオを作ったりしていたのだ。

 もちろん物語を読む楽しさは続いていて、学校の図書館で本を借り出し乱読していた。中学時代、親に買ってもらった本は「新言海」だけ。定価1000円だったが、自分の小遣いでは買えなかったのである。




 さすがに言海を隅々まで覚えることはできなかったが、辞書を読んだり眺めたりという楽しさを教えてくれたのもこの新言海だ。

 日本中が貧しかったあの時代、読書ハングリーな状況が自分の読書スタイルを決定付けてくれた思っている。何でも手に入る今の子供達はとても気の毒な環境にいるのかもしれない。



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