四十八年目の秋の一日

2017年10月21日 | 家族

秋が来た。

十月の夕暮れの空に
このあいだまでの夏が、骨と皮だけになってしまった。

無言の海鳴りのように
影法師のように、闇と光の秋が来た。

今日のこの日から数えて、母が亡くなったのは48年前のことだ。
彼女の生を知る人は、この世にもう何人もいない。
もちろん、そのようなことは地球上で毎日、何百万回も
繰り返されていることだ。

それでも亡き人が全くいなくなるのは、残された人の
愛惜の想いが消え去った時だろう。