脱原発15年延長? 反対します!

2010年08月30日 | 脱原発

ドイツで脱原発を15年先延ばしにしようという考えが、
メルケル首相を中心として独政府内で高まっている。保守党内からの
反発も出ている。緑の党の猛反発は必至。

メルケル首相の連合政権内の不協和音や迷走に対する失望感にも
後押しされて、緑の党の有権者支持率はこの一年で16%まで高まっている。
緑の党はここ10年は州政府や連邦政府に次々と参加し、政策的な妥協の
必要も多く、現実派路線に転向、だいぶ保守化したことも確かである。
しかし、今回は中途半端な妥協をせずに頑張って欲しい。
彼等の踏ん張りどころだ。

70年代後半のオールタナティブの運動から始まり、党としての形もなく
「緑の人達」としてスタートしてから、ドイツの社会の在り方や政治の
方向性に大きな 影響を及ぼしてきた。
その当時からの支持者や関係者には、「思えば遠く来たもんだ」との感慨は
相当あるだろう。その気持ちは、当時20代の若さから現在50代となり、
職につき子供・家庭を持ち、安定、保守化した僕達の世代の日常感覚とも
相当重なる部分があるだろう。

しかし、脱原発の問題でこれ以上妥協することは自分達の出自、彼らの
政治的運動の原点に関わることである。当時とは違う形であれ、
議会を超えた国民的運動、反対の議論を巻き起こす力となって欲しい。

また、ドイツがここで妥協すれば、ドイツ国内だけでなく昨今の
地球温暖化やCO2の問題絡みで、原発を見直そうという他の先進国や
日本の原発推進派にも格好の材料を提供することとなる。
原発の必要性を唱えようとすれば、いくらでもその理由は付けられる
だろう。しかし、チェルノブイルの事故は過去の話ではない。

議論すべきは代替エネルギーへの転換を未来への共通の課題として捉え、
それを如何にすれば早期実現できるか、どのように化石燃料からの転換を
進めていくかということだろう。