北ドイツ湖沼地方の旅・その1

2010年08月07日 | ドイツ・ヨーロッパの「旅」
日本の長期滞在から戻って、翌日。デュッセルドルフから特急ICEに
乗って約4時間。ベルリン中央駅に到着。ガラスのドームに覆われた
現代建築と技術の殿堂。
中央部の巨大な吹き抜けの中を、透明なバイブ状のエスカレーターが、
上下三層に分かれた発着ホームを結ぶ。 旅する人達はこの書き割りの主人公
ではなく、脇役に過ぎない。巨大な利便性の中で、個人は匿名性の集合体となる。






ベルリンでローカル線の急行に乗り換え、プレンツラウ(Prenzlau)へ。 ほっとする。
夏休みや週末旅行の人々で車内は満員御礼、妻の隣で立ち続ける。
そろそろお昼時。ドイツのおむすびはコッペパン。
僕がかぶりつくと、お母さんと男の子二人の家族連れもそれに続く。
ドイツのバンは何でも、しっかりした噛み応え。






おむすびとコッペパン。粉食文化と穀物つぶつぶ文化、
ドイツ、ヨーロッパの味の基本はミルク、卵、肉、油、砂糖。
コッペパン(正式名はブレーティヒェン)にバターを塗って、
チーズかハムを載せる。それが茹で玉子やジャムになることもある。
そういえば、日本のおむすびも随分、洋食化したものだ。






ローカル線はえっちら、おっちら。一時間半遅れてようやく到着。
のんびりと走り去る列車を横目にしながら駅を出て、出迎えに
来てくれたイックスさんを探す。






今回の湖沼地方への旅は、友人の土壁職人、家具職人の
イックスさんを訪ねてのことだ。
イックスさん夫婦は6月に、この旧東独の湖の国に引っ越して
来た。彼らの新しい生活が始まろうとしている。






2年前の自宅の改築の時に知り合ったイックスさん。僕と同い年。
いつも飄々として、時々オールタナティブなのか、ただのノンビリ屋さん
なのか分からない時もある。
デュッセルドルフから十日間、トラクターで約700キロ。家財道具全てを
載せて新天地への移動。まずは打ち捨てられた小屋を改造して、自分達の
住まいとする。こんなに生き生きとしたイックスさんを見るのは初めてだ。
本当に嬉しいし、頭が下がる。