ことしのダイコンは収穫が遅れた。はじめて取ったのが11月20日で、昨年の11月2日に比べてもだいぶ遅れた。なにが原因かわからなかったが、ニュースで「野菜は10月中旬に低温が続いたため生育が遅れている」と報じていた。そうか、そのためかと納得したものである。
生育遅れを取り戻すかのようにダイコンがものの見事に丸々と太った。こうでなきゃダイコンも面目丸つぶれだ。ダイコンを抜くときは腰を痛めないよう、膝を折りながら腰をかがめて身構える。すぽんと抜けるものがあれば、なかなか力を入れても抜けないものもある。
重量感が腕に伝わり、ダイコンが姿を見せると、「りっぱなダイコンだな」と感心して思わず声を出してしまう。はちきれんばかりの丸々とした姿に快感を覚える。見ているだけで気持ちがよくなって元気をもらえる。
そろそろダイコンを寒さから守るために、いったんすべて引っこ抜いて再度土の中に埋め戻す作業をしなければならない。そうだ、寒中には切り干しダイコンを作るんだった。
先日のこと。飲み会でダイコンの長期保存の方法について盛り上がった。土の中に保存するときは、頭と尻を逆さ、すなわち頭を下にして保存するのだという。私はずっと育った姿のまま頭を上に向けて埋め戻している。へえ、そんな方法もあるのか。結果はどうなのかその人に尋ねたのだが、耳学問だけで本人はやったことがないという。なんだ、そんなことか。野菜づくりは、これは使えるなという知識を得たら実践する。それがうまく行ったら取り入れていく。その繰り返しである。今週中にはダイコンの保存作業をするから、一部を逆さにして埋め戻して保存してみよう。