30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

青春18きっぷで、浜石岳へ(2)

2010-03-14 | 登山



絶好の日和だった。
頂上からは視界を遮るものがなく、海と山の展望が待っていた。



薩埵峠(さったとうげ)近くからの眺め。
駿河湾の後ろには、富士、愛鷹連峰、箱根連山の山並み
 


山行日 2010年3月11日(木)日帰り
天気 
山域 静岡
メンバー 単独
コース&タイム
我孫子4:42=5:13日暮里5:16=5:27東京5:46=8:05沼津8:09=8:41由比駅8:45-9:05由比缶詰所9:15-10:15三本松分岐-10:30青少年野外センター-11:05浜石岳11:50-12:00薩埵峠(さったとうげ)分岐-12:50立花池分岐(往復)13:00-14:30薩埵峠14:40-15:20由比駅15:36=19:10我孫子駅


←浜石岳(1)から続く

浜石岳のコースはいろいろある。前述のとおり、由比缶詰所に立ち寄りたいので結局のところよく紹介されているコースを選択した。由比駅から西山寺、青少年野外活動センターを経て頂上に立ち、そこから尾根伝いに薩埵峠(さったとうげ)へ行き、由比駅に戻るというものだ。

このコースは往復ともに舗装道路の歩きが長い。覚悟していたのだがやはり長い。いいかげんうんざりした。しかし、頂上からのすばらしい展望はそれを補って余りある。広々とした眺めは一級品だ。いい天気で無風ときている。気分がいいのはいうまでもない。

山旅の始まりは富士が迎えてくれた。
田子の浦にうち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ
JR東海道線の新田子の浦駅近くからの眺め。走る電車の中から撮ったものだがよく写るものである。 



由比といえば「桜エビ」。もりろん桜エビも食べたいのだが、春の解禁日は3月下旬からだという。由比駅を出るとこの看板。なるほどね。この駅前からま白き富士がちょこんと頭だけ見えている。


駅前から歩き始める。まずはコースを外れて由比缶詰所に立ち寄ってツナ缶を買う。そこから道々人に尋ねながら高みを目指した。山腹はかんきつ類の畑になっている。いまハッサクが実っている。
急坂の連続だ。いい天気のうえ舗装道路の歩きだから汗が出てくる。北風と太陽の話ではないが次々と服をぬいでいく。高度をかせぐと駿河湾を眺められるようになった。
西山寺からの道と合流した。なおも舗装道路が続く。このままいけば野外活動センターへ行くのだが、左手に「三本松を経て浜石岳へ」の道標があり、登山道が続いている。いいかげん舗装道路歩きにあきてきたので、どうしてもこの山道を選んでしまう。やっと山道だよといいながら足を踏み出す。



この道は野外センター内に入っていく。展望所があった。富士と駿河湾の展望に、うんざりした舗装道路歩きの気分が一気に晴れた。



頂上が見えてきた。このアプローチがなかなかいい。芝草の広々とした頂上だ。のびやかな風景だ。その先に富士がちらっと見える。しだいに姿が大きくなる。さあ、どんな富士が見られるか。



浜石岳からの眺望はいい。広々とした頂上から富士はさえぎるものがなく見られる。清々とした富士だ。



眼下には駿河湾。その向こうに伊豆半島が。気温が上がってきて少しかすんでいる。

これは山頂標識。でっかい。富士の姿に負けまいとして作ったのだろうか。

楽しみは山の同定だ。思いきって地元の人と思われる方に尋ねた。いい人に出会ったようで詳しく教えてくれた。私は分からないとすぐに尋ねる。山頂に立って、見える山の名前が分かると、山旅はいっそう充実したものになるからだ。

富士の右手には愛鷹連峰、その後方は箱根連山だ。



富士の左手は南アルプスだ。もう少し時間が早ければもっとはっきりと見えたことだろう。北岳がどこかわからない。
「北岳は見えるんですか」
「いま見えているよ」
私は目が悪いからよく見えない。すると双眼鏡が出てきた。北岳に焦点を合わせてくれた。
「見える見える」
子供のようにはしゃいでいる。

南アルプスの手前の身延山はすぐにわかる。山頂までのロープウエ-に縦の白い線が走っているからだ。


さらに荒川三山、赤石岳の白い峰。これは私にも見えた。



すっかり満足して山頂を後に、薩埵峠(さったとうげ)に向かう。山頂直下の分岐点の道標には薩埵峠まで「220分」と書いてある。こんなにも時間がかかるものなのか。この尾根伝いのコースはヒノキの林で展望がなく暗い道だというのだが、私にはそんなふうには感じられなかった。面白い道ではなかったが天気がいいので木漏れ日があり道が明るかった。だれ一人会うこともなく一人静かに歩けたのがなによりいい気分だった。

峠が近づき山道が終わると舗装道路になった。この舗装道路が由比駅まで続くのである。舗装道路に入ると、ここは見上げるほどの急な斜面にハッサクの畑が続く。道路にハッサクがごろごろ転がっている。もったいない。販売所で2個を買った。100円。歩いて汗をかいたせいもあるのだろうが、これがうまかった。食べながら歩いた。青い海にかんきつ類は似合う。おだやかな気分にさせてくれる。 

浜石岳だけなら手軽なハイキングだ。展望だけを楽しむと割り切るのなら、車で野外センターまで乗り入れたほうがいいかもしれない。
浜石岳では私にはなんとももの足りない。そこで薩埵峠までのコースを組み入れた。どうしても歩きたいというコースではなかったのだが、じつは話のタネに一度薩埵峠を見たかったのである。

それは歌川広重(安藤広重)の描いた「東海道五十三次」の「由比」。広重が描いた構図に近い風景が残っていると言われている数少ない場所が、かつての東海道「由比宿」と「興津宿」の間に位置するこの「薩埵峠(さったとうげ)」だ。そう説明されると、行ったついでに見たくなる。もちろんいまの風景は大きく様変わりしているが、険しい海辺の道を往還していたのがよくわかる。



再開した山歩き。
この時とばかりに行っただけに、予想していた以上の展望に恵まれて、上々の滑り出しとなった。足のほうもまったく問題はなかった。これならやれるなと。


               


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