ただいま生育中ー5の5〔下仁田ネギ〕
「ただいま生育中」の最後の野菜は、お殿様の御成り、といきたい。殿様ネギといわれている下仁田ネギの登場である。来月から収穫ができる。ようやくという思いや長かったなあという思いなどが交錯する。秋に種をまいてから幾星霜、いやほんとうのところは13カ月。やっと旬を迎える。こればかりは旬となる厳冬期以外に食べてもうまくもナントもない。ただガリガリ感があるだけの代物。それがここにきてがらりと変身する。ガリガリ感からトロっとした食感に。まったく逆の味になる。本当に不思議だ。
「ただいま生育中」の最後の野菜は、お殿様の御成り、といきたい。殿様ネギといわれている下仁田ネギの登場である。来月から収穫ができる。ようやくという思いや長かったなあという思いなどが交錯する。秋に種をまいてから幾星霜、いやほんとうのところは13カ月。やっと旬を迎える。こればかりは旬となる厳冬期以外に食べてもうまくもナントもない。ただガリガリ感があるだけの代物。それがここにきてがらりと変身する。ガリガリ感からトロっとした食感に。まったく逆の味になる。本当に不思議だ。
このネギに出会ったのは菜園を始めた20年も前になる。このネギのふるさとから離れたこの地でも育つのか。これが意外にもあっさりとうまい具合にできてしまった。本場に比べると小ぶりだが、姿も味も変わらない。これで自信を深めた。それから20年。毎年毎年欠かさずに作っている。さすがに下仁田ネギ作りは手馴れたものだ。最近はわが菜園での下仁田ネギの姿に刺激されてか、近所の菜園でも栽培する人が増えてきた。ただ自慢じゃないがわが菜園ほど立派な下仁田ネギにするにはむずかしいようだ。「立派に育っていますね」とよく言われる。内心は栽培歴20年だよと胸をそらしたいのをじっと我慢して「いやいやまぐれですよ」と。