水産庁は、最新鋭の地球観測衛星の画像を活用して赤潮の発生を予測し、養殖漁業の被害の軽減に役立てる技術開発に乗り出す方針を決めた。
年内に九州の有明海と八代海を対象として研究を開始。
数年後に全国の沿岸域で、養殖漁業者に迅速に伝達できる態勢を整える。
関係者が8月17日、明らかにした。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が昨年末に打ち上げた地球観測衛星「しきさい」に高性能の撮影装置が搭載され、送られてくる画像の解像度が従来より格段に上がったことが背景。
同庁が受け取った衛星画像を駆使し、赤潮予測を試みるのは初めてという。
関係者によると、衛星画像上の海面の色から赤潮の原因となるプランクトンの種類まで判別が可能という。
高精密画像と観測ブイによる海水温や海流などのデータを総合し、赤潮の発生海域や被圭範囲を見極める。
画像に海水温などのデータを加味した予測と、実際に発生した赤潮とを比較し、的中率を精査した上で、来年中に分析技術を完成させる。
対象とする海域を当初、有明海と八代海とするのは、魚やノリの養殖漁業が盛んで、海面での赤潮観測体制が一定程度整っているため。
有明海に面する長崎県の県総合水産試験場の担当者は「正確な予測があれば、対策が打ちやすくなる」と期待を寄せている。
赤潮予測は現在、観測ブイなどで定期的にモニタリングしている海域などに限定される。
従来の画像は、赤潮なのか海面が汚濁しているだけなのか判別が難しかった。
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