切り絵

浮世絵を切り絵に

名所江戸百景 王子装束えの木大晦日狐火

2018年12月26日 | Weblog

王子装束えの木大晦日狐火

毎年、大晦日の夜、社に近い榎の下に集まった狐は、此処で衣裳を整えて王子稲荷社に参上した。近在近郷の農家では、狐がともす狐火の量で、新年の豊凶を占いた。寒空にきらめく星と榎の小枝は、雲母引き(きらびき)で表現されている。闇に包まれた森の木々の先には、わずかに緑が含ませてあり、間近に来ている春の息吹を感じさせる。 

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名所江戸百景 筋違内八つ小路

2018年12月20日 | Weblog

「筋違内八つ小路」

江戸城の守りとして、外濠と内濠、見附と呼ばれる堅牢な城門は三十六あったと言われている。濠に面した櫓付の見附には2つの門扉があり、橋を渡って1つ目の門扉を抜けると石垣で囲まれた空間に阻まれ、それを抜ける為には、さらに直角に曲がって、2つ目の門扉を通らなければならない。大軍が一気に攻め込めないようにする軍事上の防御策で、これを枡形造りと言う。筋違橋御門もこの見附のひとつであり、元々は加賀の前田氏が造営し、その家中が守備についていた城門であった。

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広重 六十余州名所図会 隠岐焚火の杜

2018年12月10日 | Weblog

隠岐焚火の杜

焼火山(たくひさん)は隠岐(おき)国(島根県)隠岐郡西ノ島の東部にある山で半島形をしている。島中の船人やこの附近を航海する人々はこの焼火権現を殊に崇敬し、航路の安全を祈願したもので、現在でも「焼火さん」といわれて多大の信仰を集めている。船の舳先をクローズアップし、そこで御幣左右左に振る船子を描いている。

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広重 名所江戸百景 上野山内月のまつ

2018年12月02日 | Weblog

「上野山内月のまつ」

上野清水堂の崖下の向かいに描がかれた「月の松」と呼ばれた奇松の大写しである。 樹の肌が画面いっぱいに描かれ、不思議な曲線の背景には不忍池が広がり、池に突き出た中の 島弁財天、対岸の池之端にびっしり軒を接して町家が、そして本郷台地に火の見櫓を三基突き出して大名屋敷が連なっている。月の松が形作る中に見える火の見櫓は本郷の加賀百万石前田家のものと思われる。

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