切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 近江八景 矢橋帰帆

2015年11月13日 | Weblog

矢橋帰帆」(やばせのきはん)  滋賀県草津市

近江八景は、中国湖南省の洞庭湖および湘江から支流の瀟水にかけてみられる典型的な水の情景を集めて描いた瀟湘八景図になぞらえて、琵琶湖の南部から八箇所の名所を選んだ八景の一つである。八景としては、日本でもっとも初期に選定された。
矢橋は、かつて湖東地方でとれた近江米の出荷地として栄えた港。往時は二百艘近い船が行き来したという。白い帆を連ねて港に入る船の列が、ゆったりとした時間の流れを感じさせる。

「真帆かけて矢橋にかかる舟はいまうち出のはまをあとの追風うち出の浜は大津港である」

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広重 名所江戸百景 神田明神曙之景

2015年11月01日 | Weblog

神田明神曙之景」   (東京都千代田区外神田)

神田明神本社を描かず、右側にほんのすこし朱の玉垣を覗かせたのみで、後は葭簾を取り払った茶屋の彼方に神々しい朝焼けの風景を描いた。神田明神社は、深川、洲崎、芝、高輪の海浜などとともに、初日の出を拝む名所として知られた場所であり、神田明神本社を描かずとも江戸市民であればこれが何処であるか容易に判断がついたものと思われる。三人の人物は、左から神主・巫女・仕丁であり、仕丁の持つ桶から正月の若水汲みの行事の様だ。

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