切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 名所江戸百景 よし原日本堤

2017年09月25日 | Weblog

「よし原日本堤」

日本堤は浅草聖天町から下谷三之輪まで続く長大な堤防で、約1,500メートルに及ぶ。荒川の氾濫から江戸の市民生活を守る重要な役割を果たしたが、明暦3年(一六五七)に日本橋にあった吉原が浅草に移転すると、その通い道としても大いに栄えた。百軒にのぼる茶屋が軒を連ね、「吉原堤」とも呼ばれるようになる。当時の川柳にも、「日本を出るとアリンス国へ出る」日本堤を出るとすぐに吉原遊廓に着く、との意。アリンスは吉原独特の廓言葉といわれた。右奥に見えるのが吉原、その手前、画面右端には、遊客が名残を惜しんで見返ったという、有名な「見返り柳」が描かれ、堤の両側にはよしず張りの茶屋が並ぶ。

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広重 六十余州名所図会 近江琵琶湖石山寺

2017年09月15日 | Weblog

近江琵琶湖石山寺

近江の国は現在の滋賀県である。滋賀の象徴とも言える琵琶湖は楽器の琵琶をさかさまにしたような形からその名がついた。遠くに見える比良山脈、近江八景に数えられる「石山の秋月」にならった月に雁と静けさも感じさせる。画面中央を横切るように描かれているのは瀬田の唐橋、または長橋と呼ばれる東海道の道である。そこの夕映えはこれまた「瀬田の夕照」として近江八景のひとつに数えられている。

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広重 名所江戸百景 月の岬

2017年09月04日 | Weblog

「月の岬」

 軒に8月15日(旧暦)の満月がかかり、部屋の状況から月見の宴は一段落したよ うである。終わった宴を描くことで流れた二十六夜待ちの宴のことを「あとの祭り」として示唆している。室内にはたばこ盆、行灯、杯洗、刺身が盛られた皿、三味線、三味線箱などと芸妓の後ろ姿、廊下には徳利、箸など細かく描かれている。左手障子に映っている女は髪に挿されている5本の簪から遊女と見ることができる。当時の遊女は3本・5本・7本と奇数の簪 を挿す習慣があった。遠方の海上には弁才船の帆柱が林立している。

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