切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 六十余州名所図会 上野 榛名山 雪中

2017年12月28日 | Weblog

上野 榛名山 雪中」    群馬県高崎市榛名湖町

ここ数日一気に冬の寒さが本番となってきた。このあたり昔、毛野(けぬ)とよばれる国であったのが分割して上毛野と下毛野となり、その後国名から「毛」が抜け、上野、下野となったのだが、音には「こうずけ」「しもつけ」と「け」が残っている。榛名山は山岳信仰の対象とされた山で、山頂にはカルデラ湖と榛名富士があり、妙義山、赤城山とあわせて上毛三山と呼ばれている。近くには伊香保などの温泉地がある。広重はこの作品を、白と墨で殆んど構成されていて、浮世絵でありながら水墨山水画のような趣きに満ちている。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歌川国芳  忠臣蔵十一段目夜討之図

2017年12月08日 | Weblog

忠臣蔵十一段目夜討之図

仮名手本忠臣蔵」十一段目の討ち入りの場面を描いている。国芳は積極的に西洋絵画の表現技法を風景画の中に取り入れており、オランダで刊行された『東西海陸紀行』にある銅版画の挿絵を下敷きにして描かれたものといわれている。北斎・広重という風景画の二大巨頭がいる中、国芳は独自性をいかに出すか工夫していることが解る。吉良邸に潜入する緊迫に中、犬を手なずける浪士の姿は、微笑ましく感じられる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

広重 名所江戸百景 広尾ふる川

2017年12月02日 | Weblog

「広尾ふる川」

古川は上流では渋谷川、下流は赤羽川・新堀川・金杉川と名を変え江戸湾に注ぐ。広尾の原は現在の東京都港区南麻布あたりで、江戸の南西に位置するのどかな丘陵地帯も、今はビルの立ち並ぶにぎやかな都心の一画となっている。南が白金、北が麻布の高台、中央に架かる橋は四之橋である。この橋は常陸国土浦藩主土屋家の下屋敷近くにあることから、「相模殿橋」とも称された。このあたりには葦簀張りの簡易な茶屋が点在し、画中にも描き込まれている。左手のひときわ大きな建物は蒲焼商の尾張屋で、二階座敷には客の姿が見える。張り

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする