切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 名所江戸百景 利根川ばらばらまつ

2017年07月23日 | Weblog

利根川ばらばらまつ

かつては江戸川を利根川、あるいは新利根川と呼んでいた。この川の名物は鯉が知られ、画面右側に大きく広がる投網も、鯉を獲ろうとしているのであろう。投網がパッと広がった一瞬を捉え、細かい網目越しに風景を透かし見せる構図が良い。題名の「ばらばら松」というのは、遠景に松の木がまばらに生えている様子を表わすとされ、場所の特定はされていない。

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広重 富士三十六景 東都両ごく

2017年07月12日 | Weblog

東都両ごく

隅田川が武蔵国と下総国の境界だったことから名づけられた両国橋は、1659年に架けられた、隅田川下流域で最初の橋である。いつの頃からか橋詰の広小路は仮設の見世物小屋や茶店がひしめき合う江戸随一の盛り場として発展し、人々は橋下を流れる隅田川で舟遊びを楽しんだ。屋根舟から見上げる芸者は、奥に座る男性らの川遊びの接待役でしょう。着物の裾をたくし上げて船着き場に立つ女性も舟に乗り込むところの様です。両国橋上には大名行列をはじめとする多くの人々が往来していて、両国の賑わいぶりを伝えているが、川面も茶船、帆掛け船など、多種多様な船で埋め尽くされている、中央に見える一人の客を乗せた舟は猪牙舟といって、水上タクシーの様に利用された快速の小舟である。スピードが出るよう細身に造られていで、形が猪の牙に似ている所から付いた名称で隅田川ではもっぱら吉原通いに重宝されていた。

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広重 名所江戸百景 鉄砲洲稲荷橋湊神社

2017年07月02日 | Weblog

「鉄砲洲稲荷橋湊神社」

画面にそそり立つ柱は、鉄砲洲に浮かぶ船の帆柱である。その名の由来が、幕府の鉄砲方が大砲を試射したからとも、洲が鉄砲の形に似ていたからとも伝わる、鉄砲洲は江戸湊の外港で、上方からの物資を江戸市中へと運ぶ水運の要所であった。越前堀には、酒樽を載せた荷足船や屋根船などさまざまな船が浮かんでいる。中央に架かる稲荷橋の左方に見えるのが、鉄砲洲稲荷とも称される湊稲荷である。

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