切り絵

浮世絵を切り絵に

広重富士三十六景 下総小金原

2018年10月25日 | Weblog

「 下総小金原」 (千葉県松戸市)

小金原は、現在の柏、松戸、鎌ケ谷、船橋、習志野等に広がっていた原野で、江戸幕府直轄の馬の放牧場があった。広大な原野に放し飼いの馬が群れ遊ぶ風景は江戸近郊では珍しかったので、数々の紀行文に記され、絵にも描かれている。ゆるやかな起伏がどこまでも遮るものなく続く小金原。地面すれすれの視点で、地平線から顔を出す富士を見る。近接拡大した馬と、大小の松、起伏の陰に赤い花を置くことで遠近感を表出している。

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広重 名所江戸百景 真間の紅葉 手古那の社継はし

2018年10月18日 | Weblog

真間の紅葉 手古那の社継はし

真間は、現在の千葉県市川市にあたる。ママのテコナ神社の近くには、紅葉の名所・弘法寺があり、中央には、その弘法寺の継橋が描かれている。赤く色着いた楓の葉の奥には、房総半島の山々が見える日蓮宗真間山・弘法寺を中心としたこの一帯は、紅葉の名所として賑わいを見せる。画面左下の手古那社は万葉美人「手古那」を祀っていて、安産と疱瘡に霊験があるとされ、参詣者が絶えなかった。

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広重 富士三十六景 甲斐犬目峠

2018年10月11日 | Weblog

甲斐犬目峠

桂川の渓谷を見通すと、たちこめる紫雲の上に富士が聳え立つ。絶壁の上に続く坂道を登った高台から、旅人たちは秋の渓谷を眺めている。行く手に張り出した山が富士山を隠してしまうため、実は殆ど富士を望む事が出来ないが道が右に大きくカーブするほんの数か所で富士が突然顔を見せるのでそれがかえって広重に強い印象を与え犬目峠の富士を好んで描いていた様だ。

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広重 名所江戸百景 増上寺塔赤羽根

2018年10月02日 | Weblog

増上寺塔赤羽根

五重の塔は、仏舎利(釈迦の遺骨)を奉安する仏塔の一つで、古くから寺院に建立されてきた。芝増上寺の境内に、かつては図の様な五重塔が存在していた。奥から流れているのが古川で中程の橋が赤羽橋となる。「赤羽根」とは、向かって左側のあたりの当時の地名だったが、地名は無くなり橋と交差点名と駅名にその名を留めている。古川の左側の築地塀は増上寺の警備担当であった久留米藩有馬中務大輔の上屋敷である。左奥に増上寺の防火のため江戸で最も高いと云われた火の見櫓が見える。増上寺・五重塔は太平洋戦争で焼失していて現存しない。

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