切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 名所江戸百景 鴻之台とね川風景

2017年06月23日 | Weblog

鴻之台とね川風景

江戸の中心部からはやや遠方にあたる鴻之台(千葉県市川市国府台) 鴻の台は下総台地の西端で、断崖を南下する川は利根川の分流にあたる現在の江戸川(新利根川)である。北方の物資を江戸に運ぶ重要な水路として機能しており、画中にも多くの高瀬舟が浮かんでいる。かつては下総国の国府が置かれていたため「国府台」とも書いたが、江戸時代には利根川にコウノトリが多く棲みついたことから「鴻台」と称するようになったという。鴻之台からは遠く富士の姿も見え、画中にも行楽客らしい三人の姿が描かれる。

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広重 名所江戸百景 川口のわたし善光寺

2017年06月11日 | Weblog

川口のわたし善光寺

名所江戸百景のなかでも最北にあたる、現在の埼玉県川口市を流れる荒川の渡しを描く。江戸市中を流れる隅田川は、鐘ヶ淵より上流は荒川と呼ばれた。荒川の水源は秩父にあり、川面には秩父から江戸に輸送する木材を筏に仕立てたものが多く浮かんでいる。対岸の屋根の赤い建物は、建久6年(1195年)に信濃の定額山善光寺を勧請した川口の平等山阿弥陀院善光寺で、開帳は約17年に一度で、江戸近郊ということもあり、開帳時には多くの参拝者が訪れた。

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広重 六十余州名所図会 伯耆大野大山遠望

2017年06月01日 | Weblog

伯耆大野大山遠望

田植えは、5月に行われ、当時は一斉に行われたようである。雨の中の作業を描いているので、蓑や着茣蓙を着、菅笠をかぶっている。雨模様の天気でありながら、人々の表情が明るいこともあって「恵みの雨」といった風情をかもし出している。人物描写にたけた広重は、手前の畔に置かれた苗までも詳細に描き、遠くの天秤棒で苗を運んでいる人の様子も丁寧に描いている。大山は、主峰の弥山が標1711mで、中国地方の最高峰の山である。大野から大山を遠望した図であるが、この周辺に大野と称する地がない。

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