切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 富士三十六景 さがみ川

2015年01月25日 | Weblog

「さがみ川」

相模川に設けられた渡し場で、現在の神奈川県海老名市と厚木市を結んでいて戸田の渡し付近が本図の舞台になっている。ゴッホの「タンギー爺さん」の背景に措き込まれていることでも有名な図である。風のない静かな夕暮れ、筏の上で起こした火の煙が、細く真っすぐ立ち上り相模川を下る筏師の後姿が印象的である。葦の茂みと白鷺の姿、ふと見上げた富士と大山は夕焼けに包まれようとしている。

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広重 名所江戸百景 大てんま町木綿店

2015年01月16日 | Weblog

「大てんま町木綿店」

本シリーズにはめずらしく、美人を前面に配した一図。江戸の中心部を闊歩するのは揃いの着物の芸者衆で、閉店まぎわと思われる店の様子から夕刻の景であると思われる。芸者たちは、お座敷に向かうところであろうか。現在の中央区日本橋本町三丁目から大伝馬町の人形町通りにかけては、木綿問屋が軒を並べており、木綿店と称された。手前に「田端屋」、次に「升屋」「鴫屋」と店を連ねている。こういった長屋形式は大伝馬町の特徴で、屋根の上には雨水桶を置くなど、防火設備を兼ね備えていた。

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広重 名所江戸百景 愛宕下藪小路 

2015年01月09日 | Weblog

愛宕下藪小路」 

愛宕下通りの加藤越中守の屋敷の北側を虎ノ門に抜ける小道。同屋敷の裏門に鬼門よけの藪があり、桜川と称する放水路があった。藪小路といいながら藪が描かれていないように見えるが、手前の竹藪の竹が雪をかぶってしなっている。白と青の対比が印象的な作品ですが、青色の部分は桜川。川に沿って歩けば、途中で愛宕山の出世の石段を右手に見えてきて、その先には増上寺につながる道になっている。川の先にある小屋は辻番所で左手の屋敷は伊勢菰野藩土方備中守上屋敷になる。

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