切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 名所江戸百景 鎧の渡し

2013年12月21日 | Weblog

「鎧の渡し」   (東京都中央区日本橋兜町

「鎧の渡し小網町」(よろいのわたしこあみちょう)は江戸中心部渡し場の様子を表した作品である。傘をさす町娘の後ろ姿、その対岸にはすき間無く建ち並ぶ廻送問屋の土蔵群、行き交う荷船の間をぬう渡し船と空を飛び回るツバメたち。広重はこれら静と動を巧みに織りまぜながら江戸情緒を表現しており、落ち着いた雰囲気をただよわせている。鎧の渡しは現在の中央区日本橋小網町の日本橋川に架かる鎧橋付近にあった渡船場である。源義家が奥州攻めに向かう途中この地で暴風雨に襲われ、鎧を水中に投げ入れて竜神に祈ったところ無事に渡ることができた。以来ここを鎧の淵といった。当時この界隈は行徳河岸(下総行徳への船の発着場であったことからこの名が付いた)として賑わいを見せていたことは作品中の土蔵や荷船から想像できよう。
今はこの橋の上を首都高速が覆うように走っている。付近には東京証券取引所があり、我が国の証券・金融市場の中心地となっている。

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広重 六十余州名所図会 丹波鐘坂

2013年12月12日 | Weblog

丹波鐘坂」   (兵庫県丹波市}

丹波国鐘坂(かねがさか)は現在の兵庫県丹波市柏原(かいばら)町にあり。
このあたりは京都の北部と阪神地区を結ぶ道が古くからあったものの道が険しく、明治16年に鐘坂と現在の兵庫県篠山(ささやま)市を結ぶ「鐘ケ坂隧道」(通称:明治トンネル)が設置された。レンガ積みのトンネルとしては日本最古のトンネルとして知られている。またトンネルの反対側の篠山市は丹波の黒大豆の産地として近年全国的に有名である重畳たる山路が続き、それを登りゆく旅人を粟粒の如く描く。高く聳える樹が少なかったらしく、点々と群がり亭々と立つ松樹が描かれている。遠方には切り立った岩山が描かれ、「石梁」と記入があって、天空にわたした石橋が見事に臨まれる。

 

 

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