切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 名所江戸百景 高田の馬場

2015年09月23日 | Weblog

「高田の馬場」  (東京都新宿区)

現在の新宿区西早稲田の情景で、この地はもと越後国高田藩主松平忠輝の母、高田殿の遊覧の地であったと伝わるが、詳細は不明。慶長年間に、その遊覧地を芝野に変え、大坂夏の陣の馬揃えを行なつたという。寛永13年に馬場を築き、弓馬訓練所とした。この馬場では流鏑馬などが行なわれ、遠景に馬を駆る武士の姿も見える。画面左手に置かれた大きな的の表面は、あたかも布のような質感で仕上がっている。これは布目摺という技法で、版木に本物の布を貼り付け、その布昆を馬簾で摺りとるといぅ手の込んだ手法が使われている。

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広重 六十余州名所図 丹後天の橋立 

2015年09月14日 | Weblog

丹後天の橋立」  (京都府舞鶴市

 天の橋立は、日本三景の一つにあげられる。日本三景とは、江戸時代の儒学者林春斎が全国を歩いて記した『日本国事跡考』に、日本の「三処奇観」として、「陸奥国」の項に、絶景3カ所をあげたもので、松島と厳島と天橋立があげられている。図は大江山の麓の野田川からと宮津湾からの押し返しによりできた砂州で、全長3.6kmにおよぶ。この奇観は、古より多くの人々が歌にし、また多くの絵画が残っている。8千本といわれる松林の中央右に見えるのは今ものこる天橋立神社(別名、橋立明神)である。

 

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六十余州名所図 下総 銚子の浜 外浦

2015年09月04日 | Weblog

下総 銚子の浜 外浦

下総国は、南に上総と境を接し、平野が広く開け、他国との分界が難しく、武蔵・上野・常陸の諸国と分かれたのは、大体河の流れによったものであるが、水脈が変転しやすく形勢はますます錯雑して、その移動も極めて多い。下総国は、現在の千葉県、茨城県に属す。銚子港は犬吠埼の北側、利根川の河口にあって、水深もかなりあり、千石積みの大船も容易にここを通過したのであるが、その後浅瀬に変じ、大船の入津寄泊はできなくなってしまった。左手に千騎ケ岩、右前方に行部岬を見、遠方に富士山を見にて描かれている。

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