切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 名所江戸百景 中川口

2017年05月23日 | Weblog

「中川口」

中川・小名木川・新川の三つの流れを俯瞰的に描いた一図。左から右に流れるのは中川、交差する川の手前が小名木川、奥が新川で、行徳産の塩や日本海側・奥州方面の産物が江戸に持ち込まれる重要な水路であった。手前に浮かぶ二俄の舟は、江戸と行徳を結ぶ役割を果たした舟である、三つの川が合流する重要なポイントでもあり、運搬用の筏も多く浮かんでいる。画面左下には川船改の中川番所が設けられ、通過する船を監視していた。現在の江東区大島八丁目にあたりで、中川の名称の由来は、隅田川と江戸川の中間を流れていたためと伝わっている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

広重 名所江戸百景 四つ木通用水引ふね

2017年05月11日 | Weblog

四つ木通用水引ふね

蛇行して流れる引舟川の様子を大胆な構図で描いた一図。引舟川は江戸の北東、現在の葛飾区周辺の田んぼの中を流れており、万治2年(1659)に完成した亀有上水がこの堀割の始まりとなった。当初は深川一帯に飲料水を供給することを目的としたが、のちに干拓用水や農民たちが物資を運ぶ水路として活用されるようになった。曳船が三艘描かれる。遠方の川沿いには船着き場の屋根が見える。遠方の山は日光連山であろうか。川沿いの道は四ツ木通り、曳船通りなどと称された。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

広重 名所江戸百景 水道橋駿河台

2017年05月01日 | Weblog

水道橋駿河台

画面を覆い尽くすかのように大きく大胆に描かれた一匹の鯉のぼり。広重ならではの抜群の構図力が光る作品である。この図は本郷台地の方から見た駿河台で、端午の節句の日の風景を描いたものだ。7歳以下の男児がいる家では、盛大にこの日をお祝いしていた。画面奥には富士がくっきりと姿を見せ、爽やかな五月晴れの一日であることがわかる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする