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航空専門誌の文林堂『航空ファン』&『世界の傑作機』公式ブログ

グリーンホーネット

2010-12-25 20:57:27 | BLOG×記事
世界的にどの業種を見てもエコ(エコロジー)に関する取り組みには積極的で、
航空業界ではとくに2010年、いろいろなプロジェクトが進められてきました。
原油価格の高騰が続くなか、化石燃料に頼らない航空機運航をすることで
コストカットになるのはもちろん、今後の人類の存亡という大きな意味からもエコは
大事なテーマです。とくに第4四半期に入り、欧米の各航空会社では
バイオフューエルの導入を試験的に始めたところも多く、また日本の航空会社にしても
エコに対するキャンペーンを打ち出しています。
JALではB.777を、ANAではDHC-8-400のコーポレートカラー部分をエコのイメージカラーである
グリーンに塗装した機体を登場させているのは、われわれファンにとっても分かりやすい
変化の表われです。

そんなエコへの取り組みは、民間航空だけではなく、軍事航空にも波及しています。
これはやはり軍事予算の削減の意味もありますが、さらには軍隊を維持するための血税を
国民から徴収している以上、国にもエコロジーへの取り組みの責任はあるという考え方にも
もとづいています。バイオフューエルの導入でエンジンのパワーアップを図ることも可能で、
またエンジン騒音の低減といった部分でも、軍用機と周辺で働くクルーにとってさまざまな
メリットが生まれてきます。
そんな軍用機のエコプロジェクトの先鋒が米海軍とエネルギー省が取り組んでいる
グリーンホーネットプロジェクト。スーパーホーネットをバイオフューエルで飛ばす
プロジェクトで、数年後には空母上のすべてのスーパーホーネットをバイオフューエルで
飛ばしたいと考えています。またこの技術を含めて、スーパーホーネットのアップデートを
行なう“インターナショナルロードマップ”も、今後の海軍の興味を引くところです。





3月にはオバマ大統領の出席のもと機体のお披露目が行なわれ、現在も
メリーランド州NASパタクセントリバーの試験飛行隊、VX-23で各種試験が続けられていますが、
写真に見るとおり、その名のとおり、機体にはエコをイメージしたライトグリーンの
マーキングが施されています。
このプロジェクト名、グリーンホーネットは、当然エコのイメージカラーに
起因するものですが、1960年代にアメリカで放映されて人気を博したTVドラマシリーズ
『グリーン・ホーネット』も意識したネーミングでもあります。TVでは
主役のグリーン・ホーネットをヴァン・ウィリアムス、グリーン・ホーネットの助手であり
相棒のカトーを、若かりしブルース・リーが演じていたことで、
アメリカンオールドTVショーのファンには有名。そして2011年、その
『グリーン・ホーネット』が映画版としてリメイクされ、日本でも1月22日から
ロードショー公開されます。グリーン・ホーネットにはコメディアンのセス・ローゲン、
競演としてキャメロン・ディアスも名を連ねているこの映画、正直なところ
ヒコーキとはまったく関係のない映画ですが、アメリカ文化を知る上でも、
ちょっと興味深い作品ではありますよね。







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