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スイカ、パスモの電子マネーの発達を改めて見直した、独経営学者の指摘.

2014年05月13日 18時51分25秒 | 日記
 最近は、GoogleだFacebookだ、iphoneだと米国勢のITを利用してる毎日であるが、久し振りにLINEが日の丸製で、使い勝手の良い通信手段として、国内だけでなく海外にも広まっている状態だ。

 スマホの利用が増えるにつれて、SonyやSharpのシェアも落ち気味で、AppleやSamsungなどの海外製品が主流になりつつあるが、日経ビジネスオンラインにドイツの経営学者ウリケ・シェーデ氏が、面白いコラムを載せていました。

 我々日本人なら、ごく普通に使っているスイカやパスモの電子マネーが、日本で幅広く使われ発達している状況に感心しておられるのだ。

 確かに、元々地下鉄などの切符の自動改札から始まり、特に東京の地下鉄やJR,私鉄の鉄道網が高度に網の目のように発達している都市は、世界中探してもない事に気づく。

 スイカやパスモは、東京の交通網を通勤手段に使っているサラリーマンにとっては、短時間でプラットホームに出入り出来る、必要不可欠なIT技術として発達して来たのだと改めて、筆者も気付いた次第だ。

 日ごろ、スイカを何気なく使っている我々日本人が、世界に誇る技術革新であったのだと、外国の経営学者から指摘されて知る事になるが、確かに自動車通勤が主体の米国では地下鉄網も少なく、今でも改札の状況はほとんど改善されていない。 欧州諸国でもスイカの利用はまだこれからであろう。

 この技術が日本国内だけのガラパゴスに終わらずに、世界の国々で役立てる技術として有望な鉄道のシステムとして輸出される可能性があり、誇れるMade In Japanになる事に期待したい。

 倒産騒ぎのあったビットコインよりも、ずっと地についた電子マネーがスイカであると、改めて思いました。

(日経ビジネスOnline 「ドイツ人経営学者は見た!日本のかっこいい経営 」より貼り付け)

ニッポンの魅力は、「スシ」より「スイカ」!
ジャパン電子マネーはなぜこれほど洗練されているのか?

ウリケ・シェーデ
2014年5月12日(月)

 この連載では、シェーデ教授が研究活動や日常のディスカッションを通じて「面白い」と思った、日本のビジネスに関するトピックについて、海外の目線からご紹介します。

 初めまして。カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)で日本型経営論を研究・教えているウリケ・シェーデ(Ulrike Schaede)です。ドイツ人で、ドイツの大学で日本学と経済学の博士課程を修了しました。日本を初めて訪れたのは1982年で、 当時特に驚いたのは、日本の会社が文書を手書きして、グローバルに競争をしていたことです。

手書きで機能する経済大国に魅了されて…

 この“手書きで機能する経済大国”にすっかり魅了された私は、日本語を勉強しながら、日本をあちこち旅行しました。普通の日本人よりもよっぽどたくさん、日本の各地を旅行し、お寺やホテルを見て回ったと思います。一番好きな場所は富山県、九州地方(特に天草や日向)、そして東北地方です。以来私は、日本の研究をライフワークにしています。

 日本がバブル経済の時期にあった87年頃、私は一橋大学の博士課程の学生でした。合計8年間、研究員や教授として様々な研究機関で日本型経営の勉強をしました。日本語も流暢に話せます。92年に米カリフォルニア大学バークレー校、それからカリフォルニア大学サンディエゴ校という、日本の研究においては米国を代表する2つの大学で研究を続け、今は大学で日本型経営論を教えています。 専門分野は日本企業の企業戦略です。

お寿司が大好きですが・・・

 お寿司は日本発のグローバルなヒット商品ですし、米国でもドイツをはじめとするヨーロッパの国々でもお寿司屋さんと回転寿司はとても人気があります。 私もお寿司は大好きですし、米国風の「カリフォルニア・ロール」よりも日本人が作る“本物の”お寿司のほうを好みます。お寿司は素晴らしい料理ですが、“日本の素晴らしさ=お寿司の素晴らしさ”というわけではありません。私にとっては今でも、“日本の素晴らしさ=日本のイノベーション”です。

 日本のイノベーションがすごかったのは20世紀の話だ、と現在よく言われています。 私も、ソニーのウォークマンや、デジタルビデオカメラや、90年代に初めて買った東芝のノートパソコンには驚きました。しかし、日本のイノベーションは現在も進行中なのです。私たちは、日々進展し続ける日本のイノベーションの素晴らしさ、及びその秘められた可能性に気づいていないだけなのです。この連載では、世界を代表する日本の素晴らしいイノベーションを、外国人の観点からご紹介していきたいと思います。

最も印象的なイノベーションは、スイカです

 日本の社会、ビジネス両方の観点から見て印象的なイノベーションの1つは、Suica(スイカ)です。スイカについてUCSDで丸々90分、講義をすることもあります。なぜかって? それはスイカは日本のテクノロジーと社会の特徴を反映しているからだけではなく、スイカをはじめとする電子マネーのビジネスにおいて、日本は世界のリーダーだからです。

 スイカも、最初は用途が限られた日本限定の“ガラパゴス商品”でした。しかし、パスモの登場によって地下鉄やバスでもこのテクノロジーが導入され始め、後にスイカとパスモの相互利用が可能になったことにより、交通機関においてこれらは重要なアイテムになりました。さらに、この読み取り機が改札やバスだけではなくコンビニなどでも導入され始めたため、買い物にスイカを使う機会が増えました。

 一方で、セブン&アイホールディングスの「nanaco」のようなプリペイド型のカードも登場し、大都市で生活するうえでは電子マネーが便利、という共通認識が日本の消費者の間で生まれました。そして今この瞬間にも、Felicaが入ったカードを使われるたび、ソニー、JR各社など複数の会社に利益が入るようになっています。このビジネスモデルは瞬く間に応用され、電子マネーを利用したおサイフケータイなどが一気に広まりました。

日本は電子マネーの世界ナンバー・ワン

 世界中どこを探しても、日本ほど電子マネーが広く使われている国はありません。国際決済銀行(BIS)によると、2011年の日本における電子マネーの合計利用額は260億ドルで、2位イタリアの135億ドルに大差をつけ、世界ナンバー・ワンです。
  ●世界における電子マネーの利用額(筆者:このブログはグラフが表示できないため省略) 

 電子マネーの合計利用回数は1位のシンガポールの28億回に続き、2位の23億回でしたが、20億回を超える国はほかにありません。また、電子マネーの成長率においても、日本は世界一と発表されました。

 どうして電子マネーが、ぴったりと日本人の生活になじんだのでしょうか。これについてはいくつか理由があります。まず、米国がカード社会なのに対して、日本はいまだ現金社会であることが関係します。

「小銭社会」には電子マネーが便利

 後払いのクレジットカードとチャージ型のスイカやパスモはもちろん別物ですが、現金と比べると、スイカはクレジットカードに近いといえます。つまり、現金にあふれた日本社会において、スイカがもたらす価値はとても大きいのです。そもそもかさばる小銭をたくさん持ち歩くより、スイカでスマートに生活するほうが楽ではないでしょうか? 一方米国の場合、1ドルが既に紙幣なので、小銭を持ち歩くことが少ないのです。

 2つ目の理由はプリペイドカードに関係します。日本では、テレフォンカードやオレンジカードなどのプリペイドカードが以前からよく使われていました。それに対し、米国は(小切手などによる)後払い、ドイツはその場払いが好まれるため、プリペイドカードはあまり使用されませんでした。前払いが既に馴染んでいた日本だからこそ、電子マネーが定着したのではないでしょうか。

 3つ目の理由は交通機関にあります。とにかく利用者が多く混雑しがちな鉄道において、スイカがあまりに便利だったのです。その半面、電車が日本ほど主要な交通手段ではない米国の鉄道では、いまだに電子マネーの導入は「検討中」の段階に過ぎません。

どうしてスイカと電子マネーがすごいのか

 ここまで挙げたスイカ、パスモ、おサイフケータイなどは、日本のイノベーションのほんの一例にすぎません。しかし、スイカを分析することによって、今日本でイノベーションがどう発展していくのか見ることができます。
ちなみに、電子マネー市場は専門用語で言うと、”双方向市場”というカテゴリに当てはまります。なぜ双方向かというと、スイカやパスモは読み取り機が設置された改札や店舗がなければ使えないからです。しかも、実はこの読み取り機は値段がとても高いのです。

 しかし東京を見渡すと、タクシー、自動販売機、コンビニなど至るところに読み取り機が設置されています。これは、東京の人口密度が高いことと、電車のシステム(これについてはまた別のコラムでご紹介します)に理由があります。

日本の素敵なイノベーション、まだまだあります

 電子マネーのビジネスには、カード本体を作る会社、鉄道会社、読み取り機を開発する会社、電子マネー運営会社、クレジットカード会社、店舗、通信会社などとたくさんのプレーヤーがいて、誰もが電子マネーの利用を広げようと努力しています。

 そしてこのビジネスの頂点に立とうと、現在、電子マネーを応用した新しいテクノロジーの開発を競っている会社もあります。これらの動きもすべて、スイカやパスモといった、鉄道で電子マネーを使えるシステムをいち早く開発できたことから、始まっているのです。

 日本にはこのスイカのように、日本人がガラパゴスだと思っていたり、さほど珍しくないと思っていたりするような画期的なイノベーションがいくつもあります。この連載を通じて、たくさんご紹介していく予定ですので、次のコラムにご期待ください。
(貼り付け終わり)

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