元気な高齢者こそ使いたい電子機器

80歳を過ぎても、日々の生活を楽しく豊かにする電子機器を使いこなそう

お墓ビジネスは儲かるのか? 東洋経済のコラムに答える。

2014年05月09日 14時39分51秒 | 日記
 東洋経済オンラインを見ていると、「グローバルエリート式最新お墓ビジネスとは?あなたの知らない世界~お墓ビジネス最前線」と言うコラムが目に入った。

 筆者が現在、まさに関わっているお墓の世界のコラムだ。

 このコラムの作者はブラザー・キム とあり、韓国系か中国系の投資ビジネスの専門家の様だ。

 コラムを読んで、彼が日本人でないために、かなりの誤解があったり、面白い見方と感じる面もあったが、正直のところ、彼の書いているような課題は、当然この世界で仕事をしている会社や関係者は、とっくの昔に問題点と思い、それぞれに解決案も生み出し、事業として実現してきているのが現実だ。

 筆者がこの世界で仕事を始めて、まだ5年ほどしかならないが、現実の仕事の状態を知ると、そんなにぼろ儲けができる世界でもない。 と言ってもそこそこ堅実に経営出来ている石材店が多いのも事実だ。

 先ず、中国からの輸入墓石価格と販売価格の差が大きいように書かれているが、墓石の販売は既製品を大量に販売する仕事ではなく、それこそ霊園に来られたお客様が、予算に合わせて納得して選ばれた墓石に施す、彫刻内容や墓石の石種の決定等々、石材店の営業担当の仕事の時間を経費換算すると、これが結構バカにならない。

 同じような墓石が並んでいるように見える霊園であっても、石材の種類や微妙な加工度の差、施される彫刻など千差万別で、実情は一つ一つ形が決定してから発注されるのだ。

 丁度、婦人用ドレスであれば、同じようなデザインであっても、既製服とオーダーメードのプレタポルテとの差のようなものと考えれば理解しやすい。

 材料費そのものは、両者とも大きな差はないと言えよう。しかし末端価格は大きな開きになる。

 また、最近の可処分所得の減少傾向からか、大きく贅沢な造りの墓の需要は減ってきており、どちらかと言うと小じんまりとした墓の需要が多い。家族葬が増えつつある葬儀場と同じ傾向と言える。

 次に、確かに高齢者層が増えているが、日本の墓は個人ごとに建墓することはまずない。 まだまだ家族制度が健在であり、○○家の墓と言うのが建墓の基本姿勢だ。

 従って、筆者が思うには、日本では死者が増えるからと、無限に墓が増えるということはないと思う。
 
 ただ筆者がいる埼玉県や、神奈川県、千葉県等都区内も含めて、首都圏での墓地の需要が多いのは、地方から首都圏に出てきて我が家も持ち、もはや故郷には帰らないという家庭が非常に多いことである。

 故郷にある古いお墓を閉じて、こちらで新しく建墓される例も結構な数になる。この業界では、これを改葬と呼んでいる。 なかには亡くなられたご両親のお骨だけを持ってきて、新しい墓に納骨される事も多い。

 そして最近目立つのが、やはり少人化の影響だろう、来園されるご夫婦に後継ぎの子供さんがおられない例も結構多く、自分たち夫婦だけの埋葬場所があれば良いということも、しばしば見聞きする話だ。

 そういう方々のために、樹木葬もその例であるが、永代供養墓を設定している霊園も最近は増えてきている。 価格的にも30万円前後で済み、基本は17年間の供養をしてもらえる。(延長も可能)

 ただこのコラムの作者は日本人でないため、少々見方にピント外れが多いが、日本の墓地は基本は永代使用料を払って借りる形態である。 墓地の管理料は霊園内の植栽の維持や清掃などの費用であり、使用する墓地の広さにより多少上下はあるが、年間数千円から1万数千円と言ったところだ。

 ところで、墓地の新設は意外に難しい問題もある。先ず住宅地に近いといくら庭園風の墓地であっても、建設反対の声が上がる。 まあショッピングセンターの建設ではないから、反対理由は理解できるが、、、。

 またコラムに書いてある卒塔婆の立っていない霊園も今は存在するし、カラフルと言って良いような色の石材を使った墓や思いきったデザインの墓も散見される例も増えている。 時々昔の寺墓地のイメージしか持っておられなかった見学者が、驚かれる事があるくらいだ。

 どちらにしても、ご家族の中でご病気の方が危篤になり、急遽お墓や仏壇がいると、バタバタと求めると、検討時間の制約もあり、結果はあまり良い霊園選びとはいえません。

 お墓が必要だなあと感じたら、お近くの墓地の新規開園チラシなどが入っていたり、ネットでも検索できるので気軽に訪ねてみる事です。

 どの霊園でも、普通は石材店の係員が案内してくれますが、決して申込みを強要される事は有りません。 結構いろいろと日ごろ抱えている疑問や悩み事にも答えてもらえるし、満足のいく建墓のコツも分りますよ。

 最後に、このコラムにあるREIT等の金融がらみの発想は、日本の墓地ではまだ可能性はないでしょう。なぜなら墓所は自己所有ではないからです。

 しかし超有名な寺院の所属墓地は確かにステータスがあり、空きを待っているという例は有ります。 丁度ゴルフブームであった頃の、超有名ゴルフ会員権がなかなか入手できなかったのと同じ理屈です。

(東洋経済オンラインより貼り付け)

グローバルエリート式最新お墓ビジネスとは?
あなたの知らない世界~お墓ビジネス最前線
ブラザー・キム :
2014年05月07日

「キムさん、中国から墓石を輸入して日本でお墓屋をやりませんか?」

これは少し前、四川省に住む友人が私に持ち掛けてきたお墓ビジネスにまつわる話である。なるほど、日本では50万円や100万円や何百万円で売られている墓石が、中国ではその1/10以下ぐらいで手に入るらしい。南方には質の高い大理石も多く、これを格安で輸入してお墓ビジネスに参入しようではないか、という誘いだ。

実はお墓ビジネスを持ち掛けられたのはこれが初めてではない。本業の投資ビジネスでも数年前、某外資系の投資ファンドが日本のお葬式屋さんを買収して、アッドオンインベストメント(小さな会社を次々と買って大きな会社をつくること)をやらないかという話が回ってきたことがある。

確かに最近は適正価格の葬儀が増えたとはいえ、いまだに不透明な価格設定で何百万円とられることも少なくない。また“冠婚葬祭ではケチれない”という心理と“金持ちの、とにかく最高価格帯を選んでおこう”という心理を刺激するのか、“最高級墓石”などといって500万円ほどの、高級外車のような値段で売られる墓石も存在している。お花も、普通にフラワーショップで買ったら数千円のものが、葬儀という場ではその何倍ものプレミアム価格で取引されている。

これは消費者としてはたまったものではないが、高齢化社会で老人人口が増えるにつれ、お墓・葬儀ビジネスは数少ない成長産業の一つであり、不謹慎な話ではあるが相当お金の匂いのする産業ではないか。業界全体に不透明さや非効率が内在しているだけに、投資家としてはオペレーション・バリューアップで“ジュース”を絞れる余地も大きそうな産業である。

そこでわが師・グローバルエリートの著書「世界中のエリートの働き方を一冊にまとめてみた」に書かれていた教えである「何事も第一人者になるべく、とっとと発表せよ」という教えに基づき、たったいま、早朝の散歩で青山霊園を訪れて考えたお墓ビジネスのアイデアを、親愛なる読者の皆様と共有させていただきたいと思う。

もっとクールなラグジュアリー墓石はないのか

まず、青山霊園に初めて入って思ったのが、結構緑が多くてきれいな環境だということだ。ゲゲゲの鬼太郎に出てくるようなおどろおどろしいお墓の風景ではなく、むしろ深緑にお花が混ざり合って、週末のデートコースとまでは言わなくても、朝の散歩がてらご先祖参りするにはちょうどいい立地と雰囲気である。ただしもったいないのは、大昔からの由緒正しい墓石なのだろうが、あまりにも(墓石の)損傷が進んでいて、せっかく高台の一番上の日当りのよい場所に大きな面積を占めているのに、肝心の墓石がイマイチなお墓が多いことだ。

この古い墓石の損傷問題に関しては、お墓の表面をきれいに削れば往年の石の輝きを取り戻せるだろう。またひょっとすると“いかにも墓石”といった灰色の暗いカラーから、ホテルで使われているようなマーブルグリーンやベージュの、モダンで明るい墓石にリフォームするサービスがあったらどれほどいいだろう。

なお、あの参拝客に恐怖心を呼び起こす卒塔婆はすべて廃止し、もっと墓参りしたくなるような、たとえばフラワーガーデンにしてお花を周りに植えまくるとか、「お墓=さみしい場所」という負の印象を取り払う努力がなされてもよいのではないか。霊園運営者のさらなるイノベーションに期待したい。

お墓コンドミニアム~お墓の土地不足の解決策

次に思ったのが、青山霊園は広いが、スペースがないくらいぎっしりお墓密度が高いということである。未来永劫、死者の数は今後も増加していく。ただでさえ人口の割に国土が狭くて生きている人間の住む場所がないことも多いのに、死者に潤沢なスペースを割き続けるのは、早晩壁にぶちあたる問題である。

この問題の解決のヒントは、青山霊園の周囲を見渡せば誰しもが見つけ出すだろう。そう、一昔前のマンションは3階建てとか4階建てなどで許容できる世帯数も少ないのに対し、最近の大型高層マンションは40階建て、50階建てもザラであり、おかげで都心の一等地により多くの人々が居住できるようになっている。

生きている人間ですら、限られた土地を有効活用すべく高層マンションに住むようになっているのだから、死んだ後でも一等地に住みたいのなら、お墓も高層コンドミニアム形式にして土地を有効利用すべきではないか。そこのコンシェルジュサービスでは菊の花のデリバリーや墓石のクリーニングを依頼でき、電話でお坊さんを呼べるサービスをつけたり、死後の住居を高層コンドミニアム化したりすることも検討されてしかるべきテーマであろう。

これが実現すれば、延長線上で死後、宗教を問わずお墓ができるまで安心して骨を預けられる“お墓ホテル”や、“お墓は石でできていて外気にさらされているもの”という固定観念を打破した、室内式ファイブスターお墓といった新たな“死後サービス”につながるかもしれない(ちなみに日本でも、室内でベルトコンベヤー式で、お参りにいくとお骨が目の前に運ばれてくるサービスが既に提供されているとのことである)。

“定期借地権方式お墓”および“レンタルお墓”

この“墓地不足”の解決策として、他に上げたいのが“定期借地権”方式のお墓である。よく“永代供養”などとうたわれるサービスがあるが、何百年もあとに、自分のことを何も知らないお坊さんに、ほかの無数の死者とともにまとめてお経をとなえてもらって、一体何が嬉しいのだろうか。むしろ、自分をかすかに覚えているかもしれない孫かひ孫の代まで忍んでもらえれば十分ではないだろうか。

私はそもそもお墓など不要で、できれば灰をハワイかプーケットの海にパーッと撒いてもらって、熱帯魚の餌になるかサンゴの原料になるか、明るく自由に太平洋を漂いたいが、どうしても墓に埋められるなら、“永代供養”なるオプション料金や、墓地の購入なんてまっぴらごめんである。

どうしても埋められるというなら、定期借地権という形で50年後は、次の世代の死者にそのお墓のスペースを譲る、という“譲り合いの精神”を、死後も発揮するつもりだ。もしくは死後、家族の傷がいえない20年くらいはお墓にいとどまり、その後は灰を散骨するなどの“死後の一時的仮住まい”としての“レンタルお墓サービス”にも大きな需要が見込めると確信している。

ただし驚いたことにお墓は一度できたらずっとあるのではなく、維持管理費を定期的に払わないといつの間にか権利が失われるケースもあるので、永遠の眠りとは名ばかりで、実質定期借地権形式と言えるのかもしれない。

ちなみに私がお墓ビジネスに参入するなら、一番マージンが高いのがこの集合永代供養サービスだと思う。なにせ何人増えたところで、別に集団お経を唱える数が増えるわけでもなく(というのも一人ひとり別々にお経を唱えるわけでもないため)、墓石がないので物理的なスペースが必要なわけでもない。お坊さんの数も別に増やさなくていいので、規模の経済が働くのだ。大きければ大きいほど、高額のお坊さんを招へいできるはずで、うまくやれば“Winner takes all”的な、かなりハイマージンな霊園経営をできるであろう。

あなたのお墓が、ニューヨーク証券取引所に上場?

最後に金融のプロらしいことも言わんかい、ということで私が長年温めてきたアイデア、お墓REITについて紹介しよう。REITとは金融商品の一つで、安定的なキャッシュフローを生む賃貸不動産物件に投資する上場されたファンドだが、前述のように“お墓定期借地権”や“レンタルお墓”市場が形成されれば、お墓REITという新規金融商品を組成することができるだろう。

死者の数が増えるにつれお墓への需要は安定的に増えていくため、安定的な賃料収入が見込めるに違いない。低金利がこの後もしばらく続くなら、お墓REITはその安定的な利回りで、もはやハイリスクローリターンの象徴と化している国債から資金の逃避先になったり、かなりの資金需要を集めるに違いない。このお墓ファンドは規模も見込めるため、投資先を探している公的年金基金の資金の受け皿になるかもしれない。

墓地の保有者(投資家)と墓地の入居者が分離されれば、それを繋ぐのは墓地のオペレーターである。たとえばウェスティンホテル、フォーシーズンズホテル、リッツカールトンホテルといった、高級ホテルは多くの場合、不動産を所有せずにそのオペレーションだけを担っているのだが、同様に優れた供養及び遺族サービスを行う霊園が、墓地用の土地をバランスシートで持つ巨額の投資をしなくても、その優れた墓地オペレーション能力を他の霊園に横展開することができるようになるだろう。

そして究極的には証券会社にもお墓REIT担当アナリストが現れ、霊園にも外部からの格付けが入って信頼性の担保がなされるようになるだろう。競争に打ち勝ち優れた霊園サービスを展開するお寺が、“○×寺、300億円のお寺債権発行に成功!”とか、“○×寺がニューヨーク証券取引所に上場されました”みたいな展開も最後に待っているかもしれない。

死者の数は今後も安定的に増加するので、ヘルスケア産業、介護産業とならび、死後産業は数少ない成長産業であるため、結構なバリュエーションで取引されるかもしれない。ただし業界のイメージがあまりよくないので、ディスカウントならぬ、デスカウントされてしまうかもしれないが・・・。

また最終的には、私が主張するようにお墓を永代のものではなく期限付きのものというコンセプトに改めれば、一定期間を過ぎて墓地を売り、キャピタルゲインでこの世に残された家族に死後も素敵な贈り物をあげることができるだろう。

モバイルお墓サービスの可能性

しつこくて申し訳ないが、青山霊園を歩いていて、私が創造した霊園サービスはまだまだたくさんある。たとえば多忙で遠方にいる遺族が墓地に来るのはかなわないがお墓詣りをしたい時のために、小型の携行可能な軽い墓石パックに骨を入れて家まで運んでくれる“エクスプレス・モバイルお墓サービス”の可能性もありうるだろう。

また携帯アプリでその日のうちに備えられるお花やお供え物の“霊前デリバリーサービス”、またボタン一つで代わりにお墓を洗って、綺麗に掃除されたお墓の写真が携帯に送られてくる“お墓クリーニングサービス”の充実、また劣化して読みづらくなってしまった墓碑のリフォームサービスや、これら代行サービスの整備に不可欠なインフラである、墓の住所電子登録など、お墓サービスの近代化のために検討しうる試みは非常に多い。

今回のコラムは宗教界には不敬だと批判されるリスクもあるし、死者や伝統文化への敬意が足りない、とのご指摘をいただくこともあるだろう。しかしこれらのご批判を覚悟しつつも、あえて冗談のようなアイデア(そのうちのいくつかはさすがに冗談で書いたが、お墓コンドミニアムなどは韓国では実際行われている)を披露して伝えたかったのは、超・高齢化社会を迎えて介護サービスなど高齢者向けビジネスが急速に発展する中、さらに増えるだろう“死後のサービス発展”の視点が抜け落ちているという問題意識である。

様々な埋葬のされ方と、今後の宗教界の発展に向けて

また本コラムのもう一つの目的として、旧態依然としたサービスなのに不当な料金を請求されて困っている遺族の方々に、新たな埋葬の形態を知ってもらうことにもある。今世の中には“樹木葬”(20万円程度で、桜の木の下に複数の遺骨が埋葬されるサービス)や海への(許可を得たうえでの)散骨も増えているのでぜひご検討いただきたい。

また私は宗教界に尊敬を抱いているが、一部のいかさま宗教に関しては、日ごろ心の癒しを与えているわけでもないのに形式的な読経と戒名で数十万円、下手したら何百万円単位のフィーを手にしているようでは、そんな“宗教ビジネス”の将来はない、ということである。本来宗教家は人生の苦しみから宗教的教えで人々を癒し、解放し、また亡くなった人の無念を癒し、遺族の悲しみを和らげる尊い役割を担っている。この本来のミッションに立ち返ることが、今後の死後サービス発展のスタートポイントであるように思う。

ほかにもまだ書きたいことはたくさんある。たとえばキリスト教は毎週末教会で神父や牧師が説法をするのだから、仏教も対抗してお寺で毎週末ありがたいお話をみんなに聞かせてはどうか、など、宗教間で“人の心を救済するサービス競争”がもっと怒ってもよいと思うのだが、いかがだろうか。時には精神科とのコラボレーションもいいかもしれない。

まだまだアイデアは尽きないが、そろそろフライトの時間がやってきた(今ジュネーヴで、いまからインチョンに向かうところである。ちなみに先週インターラーケンで見たお墓は自然の中に綺麗に溶け込んでいて、素晴らしかった。どうせならこういうところに埋めてもらいたいものである)ので、今週はこのくらいで終えることとする。

(貼り付け終わり)

コメントを投稿