元気な高齢者こそ使いたい電子機器

80歳を過ぎても、日々の生活を楽しく豊かにする電子機器を使いこなそう

日本のマスメディアの自粛の実態が、国連の特別報告者や「国境なき記者団」に指摘されている。 トホホ。

2016年04月21日 10時36分00秒 | 日記
 最近の安倍政権のメディアに対する介入は度を過ごしており、TBSのニュース23のキャスター岸井氏の降板や、高市総務相の報道の自由を制限する、脅しに近い電波停波発言など、かっての政府に比べて、マスメディアへの介入の度が過ぎていると筆者も怒りを覚えていた。

 「表現の自由」に関する国連特別報告者として公式に訪日したデービッド・ケイ氏(米国)が日本での調査を終え、19日に東京都内の外国特派員協会で記者会見し、暫定報告を行っている。

 沖縄の辺野古基地建設反対運動に対する地元メディアの報道に対して、公権力のあからさまな介入には、自由主義国家とは思えないのだ。

 果たして、国連から調査派遣されるというような先進国が存在するであろうか?

 この原因を作ったのは、日本のメディアが、いつの間にか政府の介入に委縮してしまって、堂々と政府をチェックするというジャーナリスト精神を放棄してしまっているからに他ならない。

 特にNHKの会長人事でも、官邸のお気に入りの籾井会長に居座られ、つい最近もNHK経営委員会の人事で、反籾井と思われる役員が降板された。(週刊文春の記事による)

 本来はNHKは国民から徴取された視聴料で運営されており、独立した立場で政府の広報機関ではないのだが、いつの間にか政府の広報に重点が移っているように見える。

 そして民放は、スポンサーに弱い体質を官邸から見すかされ、すっかり委縮した番組造りを行う始末だ。

 少なくとも政府主導でなされる報道ほど、国民に恐ろしい結果をもたらすという危険性を、国民もメディア関係者も肝に銘じるべきであるのに。

 今回の国連報道官の会見で、メディア関係者は早急に目を覚ますべきだ。

 なお、20日の記事検索からは当然の結果かもしれないが、読売、産経にはデービッド・ケイ特別報告者を検索しても、それらしき記事は出ていませんでした。産経は別としても、日本の最大部数を誇る読売がこの内容を伝えないというのが、日本のメディアの現実なのでしょう。

 東京新聞は、詳細な内容まで、かなりの紙面を使って記事にしていました。

 それに輪をかけるように、20日にパリに本部がある国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(RSF)が、各国の報道自由度のランキングを発表したと伝えている。

 日本は特定秘密保護法などの影響で、「自己検閲の状態に陥っている」として、昨年の順位61位から72位にランクダウンしている。 

 1位か5位はフィンランド、オランダ、ノルウエー、デンマーク、ニュージランド。 ちなみにドイツ16位、カナダ18位、英38位、米41位、仏45位、東アジアでは台湾51位、韓国70位、中国176位だ。

 日本は2010年は11位だったので、いかに最近の報道の自由度が失われているかということだ。

(沖縄タイムスより貼り付け)

辺野古抗議への弾圧「懸念」 表現の自由で国連報告者
デービッド・ケイ特別報告者
2016年4月20日

 【東京】日本での表現の自由の現状を調査するために来日した国連のデービッド・ケイ特別報告者(米国)が19日、都内で記者会見して暫定の調査結果を発表し、沖縄県名護市辺野古の新基地建設に反対する市民らの抗議行動に対する海上保安庁などの制圧行為などに対して懸念を示した。

 沖縄のメディアへの圧力には「非常に重大な問題だと認識している」との見解を示した。調査結果をまとめて国連人権理事会に提出される報告書にこうした内容が盛り込まれる見込みだ。

 ケイ氏は会見で、辺野古での抗議行動に対する警察や海保の関与について、「個人的にも調査し政府に対して懸念を伝えてきた」と関心の高さを示した。その上で、今回の調査期間中に、警察庁と海上保安庁の関係者らと意見交換し、両機関の対応について今後も注視する考えを伝えた。

 ケイ氏は沖縄の市民団体からも情報提供を受けて暫定報告書をまとめた。「昨年、当局に対して抗議行動に対する不相応な規制がされているとの懸念を伝えた」とこれまでの取り組みを紹介。過剰な実力行使や多くの逮捕と並んで、「抗議の様子を撮影するジャーナリストへの実力行使を特に懸念している」とした。その上で、沖縄の状況を注意深く見守り、必要であれば平和的な抗議活動ができるよう必要な発信を続ける考えを示した。

■沖縄関連質疑応答

 -名護市辺野古の新基地建設に反対する市民らによる抗議行動に対する弾圧について

 「沖縄の抗議活動などの問題について具体的に話を聞く機会があった。来日前にも個人的に調査し、日本政府に対し懸念を伝えてきた」

 「建設予定地周辺の陸上や海で抗議活動に参加している市民らへの過剰な実力行使について、警察庁や海上保安庁などとも具体的に話をする機会があった。両方の機関に対し、われわれとして今後も監視、追及していきたいと伝えた」

 -沖縄の地元2紙に対する政権与党の政治家らによる圧力発言について

 「沖縄のメディアなどに対する圧力についても話を聞いた。非常に重大な問題だと認識している。まだ十分な情報を入手している訳ではないので今後、包括的に追跡していくために沖縄の地域住民や日本政府との対話を続けたいと思う。私たちからも懸念を伝えていきたいと思う」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(朝日新聞デジタルより貼り付け)

「表現の自由」国連報告者、高市総務相との面会かなわず
編集委員・北野隆一
2016年4月20日

 「表現の自由」に関する国連特別報告者として初めて公式に訪日したデービッド・ケイ氏(米国)が日本での調査を終え、19日に東京都内で記者会見した。「日本の報道の独立性は重大な脅威に直面している」として、メディアの独立性保護や国民の知る権利促進のための対策を講じるよう政府に求めた。

 ケイ氏は日本政府の招きで11日から訪日。政府職員や国会議員、報道機関関係者やNGO関係者らの話を聞き、「特定秘密保護法や、『中立性』『公平性』を求める政府の圧力がメディアの自己検閲を生み出している」と分析。「ジャーナリストの多くが匿名を条件に面会に応じた。政治家からの間接的圧力で仕事を外され、沈黙を強いられたと訴えた」と述べた。

 放送法をめぐっては「政府に放送局を直接規制する権限を与えた放送法のうち(政治的公平性などを定めた)第4条を廃止し、政府はメディア規制から手を引くべきだ」と提言。高市早苗総務相が番組の公平性を理由に放送局の「電波停止」に言及した発言をめぐって、滞在中に高市氏との面会を希望したが「国会会期中との理由で会えなかった」と明かした。

 特定秘密保護法については「原発や災害対応、安全保障など国民の関心が高い問題の政府情報が規制される可能性があり、内部告発者の保護体制も弱い。報道すれば処罰されるのではないかとの恐れから、メディアを萎縮させる効果を生んでいる」と懸念を示した。

 ヘイトスピーチ対策については「ヘイトスピーチの法律は悪用の恐れがある。まずは人種差別禁止法を作るべきだ」と提言。慰安婦問題など歴史問題については「戦争中の罪を教科書でどう扱うかについて政府が介入することは、国民の知る権利を脅かし、過去の問題に取り組む力を低下させる。文部科学省からは政治の影響はないと聞いたが、実際は教科書検定などに影響が直接及んでいるように感じた」と懸念を示した。

 記者クラブの排他性も指摘し「記者クラブは廃止すべきだ。情報へのアクセスを制限し、メディアの独立を妨害している制度だ」と批判した。

 ケイ氏は米カリフォルニア大アーバイン校教授で国際人権法などが専門。2014年、国連人権理事会から特別報告者に任命された。今回の訪日についての報告書は17年に人権理事会に提出する予定という。(編集委員・北野隆一)

(貼り付け終わり)