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南アフリカ憲法照覧[補訂版](連載第34回)

2022-06-19 | 南アフリカ憲法照覧

108. 州議会の期間

1. 州議会は5年の任期で選出される。

2. 州議会が第109条に基づいて解散した場合、またはその任期が満了した場合、州首相は、公示により、選挙の日程を宣明し、設定しなければならない。選挙は、議会の解散または任期満了の日から90日以内に行われなければならない。選挙日程を宣明し、設定する公示は、州議会の任期満了前または満了後のいずれかに発せられる。

[第2項は1999年第4次憲法修正法第1条により置換]

3. 州議会の選挙結果が第190条に示された期間内に発表されなかった場合、または選挙が裁判所によって取り消された場合、大統領は、公示により、別の選挙日程を宣明し、設定しなければならない。この選挙は、第190条の期間が満了し、または選挙が取り消された日から90日以内に執行されなければならない。 

4. 州議会は、議会が解散され、または任期が満了した時から次の議会の投票の初日の前日まで活動することができる。

 州議会の期間と題する本条は、州議会の期間について定める。州議会の任期は5年である(第1項)。州議会選挙の宣言や日程の設定は州首相の任務である(第3項)。

109. 任期満了前の州議会の解散

1. 州首相は、次の各場合に州議会を解散しなければならない。

 a. 議会が、その議員の過半数の賛成で解散する決議を採択した場合。

 b. 議会が選挙されてから3年が経過した場合。

2. 首相代行は、次の各場合に州議会を解散しなければならない。

 a. 首相が欠けた場合

 b. 首相が欠けた時から30日以内に議会が新しい首相を選出できない場合。

 任期満了前の州議会の解散と題する条は、州議会の解散に関する規定である。それによると、州議会の解散は州首相(一定の場合は首相代行)の権限であるが、解散できるのは選挙から3年経過後か州議会自身の多数決による場合に限られるので(第1項)、州首相の解散権は形式的かつ義務的である。

110. 会期及び休会期間

1. 選挙後、州議会の最初の会期は、首席裁判官によって指名された裁判官によって決定された日時に開催されなければならない。ただし、それは選挙結果が発表されてから14日以内でなければならない。 州議会は、他の会期の期間及び休会の期間を決定することができる。

[第1項は2001年第6次憲法修正法第8条により置換]

2. 州首相は、特別な任務を行うために、いつでも州議会を特別会期に召集することができる。

3. 州議会は、通常の開催場所を決定することができる。

 会期及び休会期間と題する本条は、州議会の開会と休会に関する規定である。選挙後最初の会期の日時は公正を期して首席裁判官に指名された裁判官が決定する(第一項)。他の会期と休会の期間等及び通常開催する場所に関しては、州議会自身が決定できる(第1項、第3項)。

111. 議長及び副議長

1. 選挙後の最初の会期において、または欠員を補充するために必要な場合、州議会はその議員の中から議長及び副議長を選挙しなければならない。

2. 首席裁判官によって指名された裁判官は、議長の選挙を主宰しなければならない。 議長は副議長の選挙を主宰する。

[第2項は2001年第6次憲法修正法第9条により置換]

3. 附則第3条A部に定められている手続きは、議長及び副議長の選挙に適用される。

4. 州議会は、決議により、その議長または副議長を解任することができる。 その決議が採択されるには、議会の議員の過半数が出席しなければならない。

5. その規則及び命令の定めるところにより、州議会は、その議員の中から、議長及び副議長を補佐するためにその他の役員を選挙することができる。

 議長及び副議長と題する本条は、州議会議長及び副議長、その他州議会役員の選挙に関する規定である。議長選出の手続きは公正を期して首席裁判官に指名された裁判官が主宰する(第2項)。

112. 決議

1. 憲法が別段の定めをしている場合を除き- 

 a. 法案または法案の修正案に投票する前に、州議会の議員の過半数が出席していなければならない。

 b. 議会に上程されたその他のいかなる議案に投票する前にも、議員の3分の1以上が出席していなければならない。

   c.  州議会に上程されたすべての議案は、過半数の賛成によって議決される。

2. 州議会の会議を主宰する議員は、審議投票を行わない。ただし-

 a. 議案に関して可否同数の場合は、決定票を投じなければならない。

 b. 議案が議員の3分の2以上の賛成で議決されなけければならない場合は、審議投票をすることができる。

 決議と題する本条は、州議会の決議に関する諸規定である。修正法案を含む法案の議決は議員の過半数、それ以外の議題の場合は議員の3分の1以上の出席かつ過半数の議決で決せられる(第1項)。州議会の議事を主宰する者(通常は議長)は、可否の投票権を原則として持たないが、可否同数の場合は義務的決裁権、3分の2以上の賛成議決を要する議題の場合は任意的な投票権を持つ(第2項)。

113. 州議会における常任議員団の権利

全州評議会の常任議員団は、州議会及びその委員会に出席し、発言することができる。ただし、投票することはできない。 議会は、特定の常任議員を議会またはその委員会に出席させることができる。

 州議会における常任議員団の権利と題する本条は、全州評議会常任議員団または議員の州議会(委員会を含む)への出席の権利及び義務を定める。限定的ながら、州にを代表する上院相当の全州評議会と州議会の連携を保証する規定である。


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